ANAは日本の航空会社として初めてボーイング787-9型機の国際線仕様機を受領し、5月5日より運航を開始する。今回受領する国際線仕様の初号機は787-8型機に比べ46席多い215席仕様で、5月5日より羽田~ミュンヘン線にて運航される。
787-9(手前の機体)がいよいよ国際線に!
ANAは2014年7月に日本で初めて787-9型機を受領し、翌8月より世界で初めての定期便運航を国内線で開始した。今回の国際線仕様は、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミークラスそれぞれにANAの最新シートを搭載し、快適な空の旅をサポートする。
サービス面では、日本で初めてとなる上空でテレビ番組が楽しめるサービス「ANA SKY LIVE TV」を開始する(無料)。ANA SKY LIVE TVの開始により座席に装着されているシートモニターにて、リアルタイムで最新ニュースやスポーツ中継などを視聴できる。また、ANAの787型機としては初めて、機内インターネット「ANA WiFi サービス」(有料)も開始する。
国際線はスリークラスの215席仕様
787-9型機は787-8型機の胴体を延長したモデルで、787-8型機よりもさらに高い23%(※)の燃費性能を有しながら、約1.2倍の座席と貨物を搭載することが可能になり、運航コストの低減と、国際線を中心としたANAの事業拡大に寄与する機材。高い燃費性能で運航コストの低減と環境性能の向上が期待されるほか、787-8型機と同様、新たなテクノロジーの採用により客室内湿度、耳への気圧負担感、窓の大きさなど、機内環境の快適性を実現している。
この最新鋭機の投入により、ANAは新規路線開拓や既存路線の増便などの成長戦略を加速させると同時に、さらなるサービスの拡充により利用者の利便性向上を狙い、競争力強化を実現していくという。
ビジネスクラス・プレミアムエコノミー・エコノミークラス全てに、最新シートを採用する。ビジネスクラスでは全席通路側になるスタッガードシート配列」を採用し、フルフラットになるベッドシートで心地よい眠りをサポート。大型テーブルにクラス最大級のタッチパネル式液晶スクリーンを備えている。さらに、一部座席に可動式パーテーションも設置している。
ビジネスクラス
プレミアムエコノミーは、ゆとりのシートピッチと座席幅、レッグレスト、フットレスト(2列目以降)仕様。大型テーブルとタッチパネル式液晶スクリーン、PC電源、USB充電ポートを完備している。エコノミークラスは34インチ(86cm)のシートピッチにフットレスト(前に座席がない席を除く)、タッチパネル式液晶モニター、PC電源、USB充電ポートを備えている。
プレミアムエコノミー
エコノミークラス
ANA SKY LIVE TV サービスで視聴可能な番組は、NHK WORLD PREMIUM、CNN、SPORT24となっている。ANA WiFi サービスは、現在777型機ならびに767型機で提供しているものと同様で、787-9型機の全クラスにて利用できるようになる。
乗客が所有する無線LAN対応端末(スマートフォンならびにタブレット端末での利用を推奨)が利用でき、30分=6.95ドル、3時間=16.95ドル、24時間=21.95ドルとなっている。サービスの詳細はホームページを参照。なお、787型機の対象機材は787-8型機も含め、今後順次拡大する予定となっている。
その他787-9型機において、電子書籍「e-booksサービス」を拡充し、一般雑誌や旅行雑誌、マンガ、実用書などのコンテンツを提供する。また、「ANAスカイマップ」は従来の2Dから3Dマップに進化し、立体的な地形表示や様々なアングルからの航路図など、多機能マップシステムを搭載する。
※燃費効率は767-300ER比較