孫の活 2
孫の熱
家を温(ぬく)めて
トイレ減り
孫たち五人が来た夜、トイレの回数が減った。
昼は共に遊ぶ、食事の世話をする、食器洗いと風呂掃除と洗濯物干しの手伝いをするなどで、それこそトイレへ行く暇もないほどだった。
いつも二合しか炊かないお釜が、四合分を昼夜と炊いて、その性能を初めて見せた。棚の奥にしまいこんでいた皿やらスプーンやらは、久しぶりの出番でよろこびの音を響かせた。洗う食器の量は半端なく、レストランなどで洗い場さんをしている人への尊敬の念がわいたものだ。洗濯物、これは室内干しの竿ではとうてい足りず、おまけに雨降りなので、めったに使わぬ乾燥機にヨロシクとなった。
看護師さんや介護士さんはトイレ回数が少ない、と聞いたことがあるが、リアルな話かもしれないと思った。
トイレが減ったのは昼ばかりではない。なんと夜も減ったのである。二時間続けて眠れたらアリガダシというこの数年だったのに、孫たちが来た夜は一度も目覚めなかったのだ。六時間、眠り続けたのである。
そして昨日。孫たちが帰った日の夜。壁や窓ガラスに張り付いた手の形から、まだ熱が放射されているのか。この夜も明け方まで眠り続け、一度で済んだのである。
聞けば、妻も同じようだった、と言う。
孫の温室効果と呼びたいような活力、熱量を、大きなお土産としてジジババはもらったのだった。
●ご訪問ありがとうございます。
一日かけて、布団カバーを洗い、圧縮袋に布団などをしまいました。数年ぶりに空っぽになった押し入れが、またパンパンになります。また台風が来そうですが、孫たちの熱が空を明るくしてくれたような今日に感謝。