運転を楽しむためだけに存在する車

自宅からちょっと離れた地区の公民館に息子と娘を迎えに行った帰り、狭い坂道の登りでLUPO GTIとすれ違った。
我が愛車BORA 4Motionと同じく、6MTしか用意されていない潔い車。こちらの車の前方には自転車を牽いて坂道を登る老人が。LUPOの運転手はサッと止まって道をこっちに譲ってくれた。近所に住んでいるのだろうか、
時々すれ違うし、スーパーの駐車場で隣に停まっていたことがあった。そんなに台数の出る車じゃないから、多分同じ人だと思う。
MT車に乗っていると登りの坂道で道を譲ってもらえると非常に助かる。我がBORA 4Motionも台数が走ってる車じゃないし、ボディー色がMT車にしか設定されていない色なんでわかっていて譲ってくれたのかも。

MTは数年先には日本車から消えてしまうだろうし、輸入車も日本では手に入れることが出来なくなるだろう。欧州車にはその時にもMTは用意されていると思うが、日本には代理店の大人の事情で正規輸入車両としては入ってこなくなると思う。次の車買い替えのことを考えると憂鬱で寂しくなる。
セダン、MT、右ハンドル、AWDという条件をクリアする車は日本ではレガシィかとても手が出せる代物ではないAUDI RS4しか手に入らない。そのレガシィも好みの範疇を逸脱するようにでかくなってしまった。最後の車趣味になるやもしれないと思って大事に乗っている。鞭を入れる回数は多いけれどｗ

LUPO GTIは現行車であった頃から気になる車の一台。ただのLUPOなら息子が通うテニススクールに近所に住んでいる子がいて、そのお父さんが乗っていたり、自分が所属しているテニスサークルのおばちゃんが乗っていたりする。ドライブは好きかもしれないが、運転好きとは思えないのが共通項。その点LUPO GTIは運転が好きじゃないと絶対に買わない車だ。小さなハッチバックボディに1.6Lエンジン、6MTと運転を楽しむため以外には必要のない仕様になっている。車2台を所有する財力に恵まれていたら欲しい車の一台だ。すれ違った黒いGTIのオーナーさんは、MTがなくなりつつあることについてどんな感情を抱いているんだろうか？