基本的には美術展ではあったが、その豪華絢爛さはやはりリヒテンシュタイン候国の栄華を表す文物展的な要素も色濃くあった。
先ずはいきなりバロックルーム。美術品の1点1点が素晴らしいと言うより、それら1つの豪華さが所狭しと並べられた空間の圧倒的な絢爛さに強烈な印象を受けずにいられない。特に東洋の要素のある文物、例えば中国もしくは日本で作られた陶器を燭台にしていたり、インド・ムガール帝国王家を描いた絨毯画などに感じるエキゾチズムはまさに世界帝国の栄華を伝える。
最もアーティスティックなコレクションであるペーテル・パウル・ルーベンスの一連の作品も、巨大な作品が多く(畳2枚分の大きさ)、豪華さで押し切られる感じがあった。
その意味ではむしろ前半のルネサンスやバロックなど17世紀頃の古典的作品が良く保護されていて現代に鑑賞できる貴重さが重要であった。
あと、体調が悪いと言うことはなかったが、ひどく疲れていたと言うか、鑑賞中に何度も休憩して十分楽しめなかったのは悔やまれる。
それにしても今回は若い女性の鑑賞者が多かったな、こういう展覧会はいつもオバサマ方が多いのだが、ルネサンスやバロックが若い人に人気なのか、それとも金曜日午後と言う時間的条件で客層が変わるのか、謎です。
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