![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/cb/3b600b18412e3279001efcf5aca37814.jpg)
とりあえず今日はロシア・アバンギャルド展をやっている逗子の神奈川県立近代美術館葉山館へ。こんな遠い美術館、通常の週末じゃ腰が重くて行く気にならないならなあ。必然的に長い連休じゃないとできない用事が優先、普段の週末でできることは後回し。
市川でちょうど逗子行横須賀総武快速に乗る。でも乗ってる時間だけで1時間半、電車賃も1000円超え。なのに読書が全然進まず(寝てたから汗)。途中鎌倉でどっと降りる、鶴岡八幡宮の初詣も良いなあ、行かないけどw
逗子駅から更にバスで18分、これが三浦半島西岸を沿って走るので相模湾の風景が最高!これを観に来るだけでも価値があると言って差し支えない。海水浴シーズンとかはきっと混むのだろうが、静かな冬の海が満喫できる。美術館に着いてもう昼食時なのに、周りに何もないのでとりあえず中に入る。
さて目的の展覧会、予想を上回る素晴らしいコレクション!これだけガチのロシア・アバンギャルドの展覧会は初めて。石野卓球(バンドのテイストはいまいち合わないのだが、テクノからずらした時のDJやこうした美的センスはストライクゾーン)がジャケ写にパクったリシツキーの作品がお出迎え。
映画ポスターが多かったかな。プロパガンダとしてソ連自体も映画制作に力を入れていたが、ポスターなのでアメリカ映画も多い。政治的と言われるかもしれないが、政治的だからこそその時代にしかない人々の革命への情熱がこもった作品が並ぶ。特に構成主義的側面はデザイン性に優れており、本当にカッコイイ。美しいではなくカッコイイ、まさにモダンアートである。ロシア語は文字が意匠として優れたデザイン性を持っていて、ただキリル文字が並んでいるだけでもセンス次第でカッコイイ。個人的にはイスラム教で用いられるアラビア文字が世界一デザイン性に優れた文字だと思っているが、もちろん日本語や中国語の漢字かなも意匠性に富む。ただ現代の活字の時代に漢字かなの意匠性は殺されてしまった感がある。キリル文字の場合、ロシア・アバンギャルドを見ていると、むしろ活字の時代に意匠性を発揮している文字とさえ思える。まあそれ以前に中途半端にロシア語知ってるから、ついメッセージを読んでしまい、見学に時間がかかるw
後半になると本当にストレートな政治的メッセージのポスターがあるが、やはりスターリン独裁時代には芸術への政府介入がひどくなり、その後は見るべきものがないようだ。
それにしても、これが日本人コレクターのコレクションと言うから驚く。冷戦時代の外交関係の極めて希薄な時代にこれだけ収集した人がいたのは奇跡に近い。上映ホールでは傑作「戦艦ポチョムキン」(ロトシェンコのポスターもメチャカッコイイ!)を上映していたが、さすがに2時間は付き合えない、家に帰ったら久しぶりにDVD観ようかな。
美術館のロケーションも最高!葉山海岸の砂浜が裏手にあり、まさに夕陽が海へと沈もうとする風景も素晴らしい、まあいちゃつくカップルが多いのは避けられない(苦笑)。バスで逗子駅へ戻る。