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DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

私にとってブログは「放送局」です。常に発信していなくてはならない。 発信が止まったらそれは「放送事故」です。

帝国

2014-03-03 23:56:34 | 社会・政治
 最近、現代思想での柄谷行人の帝国の議論が興味深い。帝国と言ってもいろいろある。私の中では大航海時代の欧米列強によるアジアや新大陸支配の“帝国主義”と、アントニオ・ネグリが言う、新自由主義世界下で民間企業が軽々と国境を越え、国会権力とは異なる権力の在り方を誕生させた“帝国”の2つが思い浮かぶが、柄谷氏は中国史を基準とした、帝国主義以前の帝国についての議論である。つまり、大航海時代以前は帝国はヨーロッパが中心ではなく、アジアが中心であった。中国はもちろんだが、モンゴルの元や中東のサラセン帝国、インドもまたムガール帝国であったりと、基本的に大きく陸つながりのアジアではかつてダイナミックに国境を越えた巨大帝国が現れては消えていた。
 柄谷氏は単に歴史の今日的な解釈を誌面で展開するのみだが、もちろん今日の新興国台頭の中でのアジア発の帝国が今後再び世界史に登場するかもしれぬ、と言う予感あってのことだろう。
 先日のイスラム圏が今日の共産圏である、と言う話をしたが、イスラム圏は同時に再びアジア発の帝国の出現を十分に予見させるものである。
 帝国は政治的に語る前に、経済圏である。帝国とは貿易ルートの存亡のことであり、極めて経済的理由によって世界史に登場する。よって、ウクライナの問題など遠い世界ではあるが、ロシアへの経済制裁など経済が大きく動く磁場にもなっている。株価も大きく下げたと言う。新たな“帝国”の出現(あるいは崩壊)を予見させるウクライナ情勢に要注意である。



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