ろう者の世界

Eテレを見てると、ろう者向けの番組がたくさんある。手話の学習番組、バリアフリーをテーマに扱った番組、そしてNHK総合の番組にろう者向けに手話をつけたもの。
私は手話は全く分からないのだが(一度本で勉強したことはあるが、話してみたい具体的なろう者がイメージできないので、モチベーションはすぐに折れた)、何と言っても手話通訳の表情豊かなことである。
手話とは、単にジェスチャーではない。手の動きのほかに、表情がこの言語にとって非常に重要な役割を持っている。顔の表情も使わないと伝わらない、というのもあるが、それ以上に、ろう者は常に日常的に表情豊かになる。
我々健常者が、裏の顔、表の顔を使い分けているのとは違う世界に生きているのだな、と言うことが分かる。音声でのコミュニケーションが取れない彼らにとって、裏の意味を持つような会話は成立し得ないのだ。彼らは、嘘をつけないし、つかない世界に生きているのだ。ある意味、こんな幸せな世界に住む人たちを羨ましいと思う思わないか？特定の人にしか通じない手話でしかコミュニケーションがとれない、と言うネガティブなイメージの裏に、嘘が全くない理想的な世界がそこにあるのではないか？