TORと顧客情報の漏洩

うちはサービス業だからか、見積もり提出や契約時にクライアントさんからTOR（委託条件）を提示されることはほとんどない。

ちょっと前に警備員派遣サービスの新規の問い合わせがあり、何回か訪問して打ち合わせの機会をもらい、DMXの警備現場も見ていただいた。
そして、DMXは警備委託候補の最終2社に残った。

更に打ち合わせということで訪問すると、この場で初めて16ページにも及ぶ警備業務委託条件（TOR）の書類を渡された
すべてタイ語だから持ち帰り精査すると、どぎつい内容がずらずらと書かれていた。
多数の厳しい内容の中には納得いく条項もあり。
でも、どうしても飲めない条項が2つあったので、さっそく辞退することを相手に伝えた。

その2つの条項はこれ。

・過去5年以内の年間契約金額300万バーツ以上の契約書のコピー3か所以上を見積もりに添えて提出すること
・過去5年以内のサービス提供顧客5社以上の社名、担当者名、電話番号など問い合わせができる連絡先を見積もりに添えて提出すること

顧客との秘密保持の約束は当たり前に大事なこと。もちろん、DMXグループは、業種柄、最優先事項として秘密保持を掲げている。

上記2つの条項は極端に言えば「DMXの大口顧客の契約内容を細部まで公開せよ」ということだ。

これに従う行動基準はDMXグループには存在しない。

ただ、少し思うことはある。
ぼくが業界の慣例を知らないだけで、こういうのをTORに入れるのは、調達やベンダー選定時では普通のことなのか。
製造業で仕事をしていたら、この通りに従って、当たり前のように他社と交わした契約書のコピーを提出してしまうのか。実際のところ、ローカルスタッフの秘密保持の意識はかなり低い。

いずれにしても、既存のDMXのお客様は製造業や運輸倉庫業だけど、こういう条件を示されたことは今まで一度もない。

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