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駒大苫小牧の優勝は有効

2005-08-28 22:37:40 | 野球
駒大苫小牧の優勝は有効、部長は有期の謹慎処分。
生徒の努力が無駄にならなかったという意味ではよかった。
優勝取り消しなどの「連帯責任」はやりすぎだと私は考えているからだ。
だが、隠蔽という事実から考えると、罰は軽い気がする。

まず、「暴力があった」との電話があってもそれを隠した、校長・教頭始め学校側の責任がある。
前の記事の
駒大苫小牧野球部部長が暴力
で書いたように、結果として早めに高野連へ連絡すべきだった。
「出場停止はいや」だから報告したくないかもしれないが、そうし続けると隠蔽になる。
これも記事で書いたことだが、自分たちはじめ、ほかの高校に動揺を与えたくないから報告を先延ばしにしたのかも知れない(実際はどうもそうではなさそうだ)が、だからといって黙っているのが許されるわけではない。
校長・教頭以下関係者は、自分の取った行動が殴られた生徒はもちろん、何の罪もないはずのほかの野球部員をはじめ、学校の生徒、駒大苫小牧を応援してきた苫小牧・北海道・全国の人々にも影響してしまった事実を重く考える必要がある。
ゆえに、駒大苫小牧、その校長および教頭らには隠蔽に対する罰金を科すなどのことができなかったのだろうか。
野球部などは警告の対象らしいが、それ以上の罰はない。
罰を与えればいいというものではないが、隠蔽するなど問題のある高校には毅然とした態度を取ることを、罰金などの形で示すことができなかったことが残念だ。
学校側では内部処分を検討しているようだが、私は数ヶ月の減俸処分の可能性が高いと見ている(追記: 減俸はなく、校長は自主的に手当を返納するとのこと)。
校長や教頭が自ら辞任するような雰囲気ではなさそうだからだ(実際、校長は「辞任は考えていない」と述べたという報道がある)。
即時辞任と責任放棄は紙一重だ。
辞任で責任が取れ、問題が片付くなら簡単でいいのだが。

一方で、些細な暴力でもいちいち高野連に報告しなければいけないというのも面倒だろう。
暴力は悪いという前提で、必要最低限の愛のむち位は多めに見てやりたいものだが、暴力と愛のむちを分ける評価には主観が入るので難しいか。
もっとも、殴った側と殴られた側双方に信頼関係があり、かつ「愛のむち」だと納得しているならいいのかもしれない。
それ以上に、「高校球児を神聖視している」ような意見が出ることにもここの問題が隠されているだろう。

次に、部長は無期の謹慎処分とすべきだった。
いくら生徒が悪くても、先に手を出したのは部長。
これも
駒大苫小牧野球部部長が暴力
で同様のことを書いたが、仮に殴っても、部長からも早めに暴力を振るった事実を監督なり誰かなりに伝えていれば違った展開もありえたことを考えると、有期の謹慎処分は甘い。
もっとも、部長はスポニチの記事によれば22日付で辞表を出し、さらに大会の参加章と優勝メダルを高野連へ返還したとのこと。
自らの行動が事件と直接関係ない校長・教頭、監督に迷惑をかけたのは事実だ(ただし、暴力事件に対する対応という意味では、前述のとおり校長らの責任は免れない)。
さらに、社会的に多大な悪影響を及ぼしたことを考えると、辞任で責任を取ることは当然だろう。
現在の状況では、辞任が責任をとるベストの方法とは必ずしも言い切れないが、仕方ない。
反省した上で、再び野球に携わってほしいものだ。

香田監督の処分もないようだ。
監督は部長に重ね重ね暴力はよくないと語っていたようだが、現実には暴力が起こっており、ただのいいわけにしか聞こえない。
直接関係していない監督に責任を負わせるのは酷だという意見もあるかもしれないが、仮に処分がなくとも、監督は何らかの形で責任を取るのが筋だ。
もっとも、監督は全日本選抜の監督を辞退したという。
それが処分に影響したのかもしれない。
同時に、監督も何らかの責任を感じているのだろう。

せめてもの救いは、この不祥事が一部の野球部の人間によるものらしいということか。

最後に、殴られた生徒のこれからが心配だ。
体の傷だけでなく、心の傷も深いことだろう。
それを和らげる手立てを駒大苫小牧がどれだけ考えているかはわからない(支援はするといった報道はあるようだが)。
高校側の責任は重い。
もっとも、部長の言うように練習中の態度が悪かったのが、学校側の隠ぺい工作としての発言や部長の自己保身目的の嘘ではなく、事実であれば、生徒にもある程度の責任があるだろう。

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