ひな菊の丘から

『うめはらなかせ』を聴きに行く

亀楽のソロライブに、おふたりが揃って来てくださったのは8月だったか。その後のブログに、泣きそうになるくらい嬉しい感想を書いてくださって、もうそれだけで私もお二人のファンになってしまった。なかせさんには、その後もお会いして、ブローチを買っていただいたりもしたのだが、次にライブがあったら絶対に行こうと思っていた。できれば単独ライブが良いな、と。すると12月におあつらえ向きのライブがあることが分かり、知らないお店だけどお連れがいれば行けるかな、とも思っていた。(その時はM子さんが行こうと思ってる、と言うてはったんで。)

妖精から人間に戻って二日目、まだお出かけは早いか、と思ったが、前夜の残念過ぎるライブ欠席を思うと、昼間だし、やっぱり行きたいところへは行こう、と腹をくくって出かけたのだった。場所は京都木屋町、すてきなところやん。

エレベーターでご一緒した方と隣り合わせになったので、「済みません、私咳するかもしれんけど、コロナ明けですねん。」と言うと、「私も治ったばっかりです。」とおっしゃり、そこから少しお話しできた。なかせさんがこの日、リンダを歌われると聞いたら、「主人が大好きだったんですよ、いつも車の中でリンダ・ロンシュタット聴いてて。」と言われるではないか、私も大好きなんです、でもほんまはもうちょっとイナタイ(そんな言い方はせんかったけど)のんが好きで。といった話から共通の知人がいることも分かり、アウェイ感しかなかったけど、ちょっと安心した。

ビールはやめてジンジャーエール

ライブが始まる前の準備だろうか、ステージに立たれるうめはらさん

ライブ開始。このお二人の掛け合いがほんとにほっこりして楽しい。結構お互い毒舌の応酬をされるのだが、その底に信頼関係が見えるので、ちっとも嫌じゃなくて、逆に楽しい。

少し音源は予習してきたのだが、予想を軽く裏切る幅広い選曲だった。一生懸命メモしたけど、後でブログにセットリストアップされてたので、なんや、先言うといてよ、とかちょっと思った。最初は『津軽海峡冬景色』、ちょっと歌い上げ系で客席の心をグッとつかみ、次は押さえめでまりやの『元気を出して』この時のうめはらさんのMCが良かった。彼女はいっつもちょっと上から目線で曲書きますよね、って。大ファンなんだけど、それについてはすごくわかる気がする。知らなかったけど、カーリーサイモンに元気を出してほしい、という思いで作られたらしい。

私は知らない曲だったけど、矢野顕子&宮沢和史の『それだけでうれしい』ええ曲やった。が矢野顕子は難しい曲が多いな。神を讃える歌、『Morning Has Broken』の後は『かわみち屋そばぼうろ/かねてっちゃん』とCMソングのメドレーを。へいへいま~い~ど~のところをCmajor7でハモったんですけどわかりましたか?って客席に聞いてはった。

もうここまで来て十分にその守備範囲の広さは理解できると思うが、まだまだその先を行く。ユーミンがまだ荒井由実だった頃のレパ、たくさんの人が言ってるけど私もあの頃のが好きだなあ。曲は『あの日に帰りたい』この時のMCはユーミンのコンサートはとても良かったけど、ロームシアターの4階の浅い椅子に腰かけて聴いた。しんどいのに値段一緒やった、とのこと。

なかせさんが鍵盤ハーモニカとコーラス、うめはらさんがリードヴォーカルで『白い百合』懐かしいザ・リガニーズの曲、そしてその後が、ライブが始まる前になかせさんが言われてたリンダの曲。何かなあ、と思っていたら、「元気いっぱいの曲ではないんですが」と『Heart Like a Wheel』これって私がやりたくて、やろうとしてなかなかできないあの曲やん!大好きなKate & Annaの作品で、それだからかちょっとケイジャン入ってるみたいな。ソロライブの時、これやりたいんです、って言うたらクリさんがそれにめっちゃよく似た曲を、その後で歌わはった。これはやはり私にもやれ、ってことやな。

小田和正、いや、オフコースの『言葉にできない』これも名曲やなあ。もう40年も前の歌らしい。おふたりの掛け合いで歌は進んだ。

そして1部最後の曲は『Mrs. Robinson』

休憩時間には なかせさんやお隣の方と少しお喋りして、その時、M子さんの話をしたら、向かいに座っておられたお客さまが、「もしかしてその方は、僕がこないだお会いした方かもしれません。」と話しかけてこられた。聞いてみるとまさしくそうで、アビリーンのナターシャの会(だったかな?)で知り合われたとのこと。即LINEで伝えたら、びっくりしてはった。

2部が始まった。なかせさんはお召し替え、白いブラウスに、デイジーヒル雑貨店のブローチがとてもよく似合ってて、客席から「かわいい~」と声が飛んでいた。

最初の曲は、清志郎の『毎日がブランニューデイ』ちいさい鍵盤楽器、色々おもしろい音色が聞こえた。矢野顕子もカバーしているそうだ。

こちらの名物みたいなのでオムライスをいただく。たいへんおいしくいただいた。

リクエストをいただいたので、と『京都ひとり』の替歌(オリジナル)黄色い敬老乗車証がいつまで続くんやろ、とか議員報酬が高すぎる、とか借金が不安、夕張の二の舞か、若者がいなくて年寄りばかり、とか京都を憂えるうただった。なんか深いなあ。でもここで、プーチンとなかせさんが同い年でメルケルは一つ下、とかいうプチ情報も入ったけど。

続いて、また替歌で『御座候』、森山良子の『涙そうそう』のメロディで、夏場も水無月にするとか逃げないで御座候一本でやっていて潔い、とかいう歌詞だった。そもそもお買い上げ賜りありがたく御座候、というのが商品名の起源だそうだ。

アップが続く。続いて、カーペンターズの『Yesterday Once More』、次はなんと!私のソロライブを聴いて歌いたくなった、と『Wild Mountainside』を歌われた。私の拙いうたで、その曲が好きになった、と言ってくださる方があるのはとても嬉しいし、その曲を歌いたい、と言われるのはもっと幸せ。おふたりバージョンのこの曲もすてきだった。次は最後のハミングで終わるバージョンを聴いてみたい。

大貫妙子と坂本龍一の『3びきのくま』、転調、転調、というものすごく難易度の高い曲だった、らしい。実はようわからんかった。なかせさんは悩みに悩んで、ようやく採譜できたらしい。その努力の過程はわからないものの、ふだん聴かない方の曲を、こうやって教えてもらうのは楽しい。

原坊、いや原由子のJR東海なんかでCMに使われている曲、『花咲く旅路』キーボードの音色が新幹線のアナウンスみたいな音で、ちょっと旅に向かう気分になってしまった。これも知らない曲だった。そういう曲が多くても、ちっとも「わからんわ~」な感じがしないのは、なかせさんのふわんと胸に落ちて来る声とそれに寄り添ううめはらさんのハーモニーのおかげだろう。

なかせさんのアップばっかりだったので、うめはらさんのも続けて載せてみよう。緊張して「なんでこんなことしてるんやろ、なんでこんなことするんやろ」と行きの車中でず~っと言われてたそうだけど、緊張は見えなくて、訥々とした、でも時々鋭いツッコミの入るMCがすてきだ。

『はじめてのチュウ』これはアニメ『キテレツ大百科』のテーマソングで、リアルでこの番組を見ていたのでとても好きな曲。あんしんパパという人?の作品であるというのは初めて知った。

なかせさん、歌ってはる時の表情、ええなあ。

お客さまからのプレゼントかな?

最後は超新曲、瑛人の『香水』、ドルチェ&ガッバーナの名前ばっかり話題になってたけどええ曲なんですよ、と。

2本のギターを持ち替えて伴奏はほぼひとりでされていたうめはらさん。そうか、ギター1本でもできるんか、弾かないで歌だけに専念したらもうちょっとええ感じにできるかな、デイジーヒルも。

アンコールは『同窓会』シャリーンの『愛はかげろうのように』の替歌、替え歌とは言え作詞のセンスが光る。ちょっとテルさんを思い出してしまった。そしてもう1曲、『通り雨』これも替え歌で元はドヴォルザーク。『Waltzing Matilda』からの交響楽第9番、皆がよく知っているメロディだけど、日本語の歌詞がとてもマッチしていてしみじみしてしまった。

ほんとに楽しい、心があったかくなるライブ、宝箱みたいだった。病後最初のライブとして、最高のセレクトだったと思う。帰りは木屋町をぶらぶら、ここあまり歩いたことなかったな。

あちこちに札が立っていたり、

通りの名前もなるほどなあ。

まだインバウンドも少なく、日曜だったけど、人通りはそうでもなかった。11月はあんなに人ばっかりだったのに。

こんなところにあったのね、だから竜馬通りか。

ここ、一度行ってみたいと思ってる喫茶店。この日は素通りしてしまったのが残念。

コメント一覧

daisyhill1862
は~い、ここにも書きました。コロナからの病み上がりでも京都まではなんか楽しかったことを今思い出してます。読み直して、へえ~とかほお~とか思っていますが、その時感じたことをそのまま書いてますわ。
また機会があったら聴いてやってくださいませ。夫とのデュオの方も。
うめはら
ここにもライブのこと書いていただいてたんですね。
ほんとにありがとうございます。
すでに「そんな曲やったっけ?」状態ですけど、
このときは元気の出る歌が少なかったといわれたので、
軽快でノリノリの歌を探しています。
久永さんのセットリストから挑戦してみた曲もあって、
ぼくららがやるとなんか違うってことで没にしたんです。
でも、しみる候補曲の宝庫なので、
また聴かせていただきたいです。
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