本日のロック

酸性雨ってまだ降ってるの?って聞かれたんだ。

小室哲哉とロック

2005-08-23 21:35:28 | Weblog

ずーっと気になってて、でも、好きになることは一生ないであろうアーティストがいます。俺にとっての小室哲哉は、まさにそういう存在です。


ちなみに、小室は俺の高校の先輩に当たる人物です(年齢的には21歳上ですから、直接の面識はありません。というか、もうすぐ50歳なんだよなー。なんなんだろうか、この人の超然とした佇まいは)。でも、その話はまた後で。


俺の高校時代、色んなところで彼の名前を耳にしました。ちょうど彼が時代の寵児として持て囃されていた頃です。
「コムロプロデュース」という耳慣れない言葉を世に定着させ、彼を90年代最大のヒットメーカーに押し上げたシンボル的ミュージシャンである
安室奈美恵は、95年10月に『Body Feels EXIT』でソロデビューしています。そのとき俺は高校1年生。合コンに行くと、女の子達はこぞって安室の曲を歌いました。俺の友達はミスチルとかイエモンとかを歌ってましたが、何度かTMネットワークを聞いた覚えがあります。というか、コムロの曲は合コンでしか聞いていない気がしますね。(水泳部の練習のせいでテレビを観る暇がなかったから

個人的な見解ですが、その頃の高校生にとって、彼の作る曲は安全牌だったのだと思います。(B’zは今でもそうだと思いますが

①周りがシラケないくらいの知名度。
②なんとなくうまく聞こえる高いキー(逆に、うまく歌えなくても言い訳に使えます。「えー、ごめーん、止めて止めて。ていうか、安室の声高すぎだよー」等)。
③訴えたいことがないせいで、恥ずかしくもならない歌詞。
④とりあえず流行を押さえてる感じ。

とてもカラオケ向き。当時の俺はコムロの曲にそんな印象を持っていました。そして、その印象はいまもそれほど変わりません。でも、なんだろう。こんなにも多くの人たちに支持されているのに、なんで俺には彼の魅力が理解できないんだろう?そういうワダカマリが高校時代からずーっとあるんですよ。これだけメジャーである以上、魅力的な「何か」があるはずだと思うんですけど。

断っておきますが、俺はいまだにコムロ絡みのCDを買ったことがありません。そして、現在に至るも一枚も所持していません。そして、今後も買うことはないでしょう。なぜかしら。うーん。

ここに来て安室がすげーいい、『WANT ME、WANT ME』とか、って話はよく聞きます。でも、それは、コムロプロデュースから解放されたからなんでしょうか。現在、彼女のHPには「小室哲哉」という言葉すら見当たりません。うーん。

最近になって再び気になりだしたのは、ミュージックマシーンというサイトを通じて彼のインタビューを読んだからです。コレとかコレ。すげーマジメなんですよ。知識が豊富だし、質問に対しても納得のいく説明を返している。
ちなみに彼はいま、音楽配信時代の高音質を研究する
HD SoundLabのアドバイザーをやっています。それだけに、インタビューにおける発言も説得力があります。



音楽にとってCDのフォーマットが絶対的ではないと思うので、いろいろなことを提唱していくことによってユーザーに興味を持ってもらうことも必要だと思っています。まず興味を持ってもらうこと。現状の音楽配信というのは、CDの形からの2次使用なので、音はどうしてもコピーレベルになってします(原文ママ)。だからこそ、原盤を持っている側が配信用としての音質の向上を考えてあげないと、音楽に対する割高感がもっと増してしまうことになり、音楽を作るものにとって、いい音で届けたい気持ちも強い」(
コレ



なんすかね。音楽業界の未来をここまでマトモに、そして説得力を持って語れる人って、他にいないんじゃないかと。自らレコード会社を立ち上げた曽我部恵一や、自主制作に移行したことでファンを増やしているECDといったアーティストと違うのは、小室が「音楽業界全体の底上げ」という考え方を捨てないところなんですね。そして、その限りにおいては、すげー的を得た発言をしてると思います。とても「大人」な発言。そういうところは嫌いじゃありません。あとは、俺が彼の「音楽」を好きになれればいいんですが、いまんとこ無理ですね。みんな同じ曲に聞こえるし。



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