本日のロック

酸性雨ってまだ降ってるの?って聞かれたんだ。

ホームレスとロック

2006-02-10 01:12:58 | Weblog

「今日はまだマシだよー」 とか言われても、寒いものは寒いのです。本当にやる気が出ません。寝てたい。まじで。というか、間違いなく寒いのに「今日はまだマシ」とか言える神経がよく分かりません。「まだマシ」ってなんだよ、一体。


こんな日に思い出すのはホームレスです。結構昔に、新宿の中央公園で冬の一晩を過ごしたことがありまして、いや、完全に冷かしなのでよろしくありませんけども。ええ。

これは俺が新宿近辺で生まれ育ったせいかもしれませんが、ホームレスという存在には小さな頃から慣れ親しんできました。通学のために最寄りの駅へ向かっても、自転車で公園を通りがかっても、当然のように彼らはいる。必ず目にしたんですね。いま住んでいる阿佐ヶ谷でホームレス見かけることはありませんので、俺の実家が都内でもかなりおかしな地域だったのだろうと思います。

それで、なぜ冬の中央公園で一泊かというと、知りたかったんですね。このオッサンたちは死なないのかと。こんなにクソ寒いのに。で、まぁ、実際に調べてみようと思い、一泊したのでした。綺麗に晴れ上がったとある冬の日。昼間のうちから公園に向かい、ブランコに揺られながらダラダラと時間を潰すところから、ホームレス体験は始まりました。いや、寒いっすよ。ズボンを2枚履きしていたにもかかわらず、体温がグングン下がっていくんです。途中で、前歯が一本もない、この道のベテランっぽい爺さんから、夕方までは都庁や角筈図書館で寒さを凌ぐもんだ、と教えてもらったりして。

なんとなく夜になり、ちょっと心細くなり、色んなオッサンたち
と話をして、「こんだけ寒くて、死なないんですか?」とか聞いてたわけです。いま考えれば、とんでもない口の利き方ですけども。でも、そうするとみんな、いやぁ、まぁな、とかいう要領を得ない返事ばかり。オッサンたちの相手がつまんなくなった俺は、見回りに来たボランティアの兄さんと話し始めました。あぁ、なるほど、ホームレスはそうやって生計を立ててるんだ、へー。みたいな会話の後に、「で、こんだけ寒くて、みなさん、死なないんですか?」と聞くと。



「いや、死にますよ。 ふつうの人なら、公園暮らしは5年ともたないですね。 寒さで内蔵をやられて死ぬ人と、 寒さを紛らわすためにお酒を飲んで、そのお酒で内蔵をやられて死ぬ人。 だいたい、そのどちらかですよ」
(「本日のロック」語録⑤)


あ、そうなんだ。と、思いました。俺が子供の頃から風景のように見てきたホームレスたちもやっぱり年々入れ替わっていて、その陰で、おそらく結構な数の人たちが死んでるんだ。

ムカイ君。俺たち二人に、カリントウ(と思って口にしたら、黒焦げになった唐揚げの残りカスだった)をくれたホームレスのオッサンはいまも元気にしてるでしょうか。今年の冬も厳しいです。


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