神田大喜靴店

神田の靴屋大喜です。靴に付いての情報、新作の発表等を発信致します。神田の近況、遊び・愛犬岳とりくの話も載せます。

靴の製法再掲(2007。3、4月分)

2011年01月05日 00時56分35秒 | 大喜靴店の情報
 皆さま、以前に書きました代表的な製法です、多少の変更が有ります。


 皆さま今晩は、今日から3月に成りました、今年は温かいので桜も早そうですね。



2__3  これから何回かに分けて、靴の製法と特徴に付いて、自分なりに解る範囲で書こうと思います、勘違いとか間違いも有るかもしれませんが、参考にして下さい。











 こちらが有名な「グッドイヤーウェルト製法」の靴の断面図です、個人的には昔からの靴らしい作りだと思います。 アッパーレザーの内側に「ライニングレザー(基本は革ですが、布を使う時も有ります)」を貼り合わせます、アッパーレザーとはデザインを施す部分です。



 この表革を「インソール(基本はここも革ですが、人工の物を使用してる物も有ります)」の下から飛び出している「リブ」と、表革(アッパーレザー)を通して「ウェルト」まで一緒に縫い付けます。ここで靴がシッカリと留まります。



 縫い付けた「リブ」とインソールの間が隙間が有るので、中物(コルクとかスポンジ)を入れます、クッション材にも成ります。



 次に「ウェルト」と「アウトソール(表底、革とか合成樹脂・ゴム等)」を縫い付けます、間に「ミッドソール」を入れると「ダブルソール」と言います、靴底の修理はこの表底をはずして交換します、ですから「表革」の部分は留ったままなので型崩れがしにくいのです。丁寧に履けば修理しながら10年は履けます、少し重いです。



 「リブ」と「表革」と「ウェルト」を、昔は手作業で縫い付けてました、今は大体は機械で縫い付けてます。手作業で縫い付けるのを「ハンドソーン」と言います、高級な靴に使われております。



 代表的なのは「リーガル」「ジョンストン・マーフィー」「オールデン」「クロケット&ジョーンズ」「「レッドウィング」等が有名です、「パラブーツ」はこれの変形タイプの「ノルベージャン製法」です。



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こちらの「セメント製法」の靴と比べますと、随分と手間がかかります。「セメント製法」の靴は製作時間も少なく、軽く成るので材料が良ければそれなりに価値の有る製法とも言えます。例えばインナーに「ゴアテックス」等を使用しますと、水の浸入を防げます、完全防水とも言えます。



 「セメント製法」は「アッパーレザー」を「インソール」と「ミッドソール」で挟み、接着剤等で固定します、基本的には修理は出来ません、踵の減った部分を修正する事は出来ますので、しばらくは履くことが可能です。













 この様に夫々な特徴が有ります、次回は「マッケイ製法」をご紹介いたします。



 靴の製法の第二回目です、今回は比較的簡単な製法のマッケイ製法とセメント製法です。



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 この絵では甲革が袋状に成ってますが、それ以外の製法で甲革を中底で挟んでその部分を、表底まで一緒に縫いつけた物も有ります。



 要するに甲革を表底に直接縫い付ける製法です、この製法ですと工程数がグッドイヤーウェルト製法に比べると、底付けに関しては約半分の工程数で済みます。



 特徴は軽く成り、靴底の曲がりも良く成ります、足馴染みも早いです。その代りに形が崩れ易い面も有ります、以前はイタリア製の軽い靴によく使われておりました。 



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 此方がセメント製法です、一番簡単で大量生産に向いてます、一般的なビジネスシューズによく使われる製法です。



特徴は甲革を中底と表底で挟んで、接着剤で貼り付けるのです、最近は接着剤も良く成り剥がれる事は少なく成りました。スニーカー等はこの製法が多いです。底の張替え(修理)は原則出来ません。革底の靴でもこの製法で作った靴が最近多いです、当然ですが中の底には縫い目が有りません。



 この様に製造方法は色々有ります、この他にも有るのですが代表的な製法を取り上げました。



 注意して頂きたいのは、使用目的に合った製法の靴を選んで欲しい事です、また製法に合ったお値段で有って欲しいです。ブランド名だけで無く、製法の確認をして見て下さい。



 最近多いのは、グッドイヤーウェルト製法の様でマッケイ製法だったりセメント製法の靴が多く成りました、気に入った靴なのに修理の時に出来ませんと言われ驚かない様にして下さい。



 また特に輸入品に多いのがセメント製法の合成底に革を貼った靴も多いです、見た目だけ革底でも革底の特徴は無いです、輸入靴に多いです。



 お買い上げに成る時に、製法・修理が可能かを聞くのも良いかと思います。



 確かに靴はデザインも大事です、ただ気に入った靴を永く履きたいと思っても製法によっては無理な靴も有ります、お選びの参考に成れば嬉しいです。



 絵を描いたり色を付けたりで時間がかかり遅れました、二回に分けての表示に成りました。ご質問がお有りの方、間違いを発見した方はご連絡をお待ちしております。






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