忘却の彼方へ

ウエブ上のメモ

施設における事故について(2)不法行為の成立要件とは?

2005年04月03日 | 気になるニュースなど
民法上 ア故意又は過失による行為、イ権利侵害(損害)、ウ違法性、エ行為と損害との因果関係の4つが成立条件となる。
ア過失とは、注意義務違反である。これには、a)予見可能性を前提とした予見義務違反、b)結果回避可能性を前提とした結果回避義務違反である。
養護学校在学中の少年(9歳)が、校外学習の帰途、突然車道に飛び出して自動車にはねられて死亡した事件では、少年は校外学習に16回参加していたが、それまでに特に危険な行動がなかったこと、当日も特に変わった行動がなかったことなどから、職員の予見義務違反を否定する判決がでた(東京地判昭和60年2月14日)。
また、保育園児が園内で板きれを投げて、他の園児に負傷を負わせた事件では、平素から乱暴な振る舞いがある児童であり、保育園自体がその取扱いに苦慮していたほどであることから、本件加害行為を予想しえなかったことではないとして、職員の代理義務違反を肯定した(和歌山地裁昭和46年8月10日)。