忘却の彼方へ

ウエブ上のメモ

「うそ」への対応によって発達が促進も遅れもする!

2005年03月17日 | こども/家庭・こころ
 「子どもがウソをつくときは,自分に自信がないときや自分を守りたいときだ」ということを,すでにくり返しお話しました。それでは,子どもがウソをつかないためにはどうしたらいいのでしょうか。その逆の状態を子どもに与えてあげればいいのです。
 ウソをつかないで生きることは,ちょっと考えただけでもなかなか難しいことです。私たち大人でさえ,みんな何かしらのウソをつきながら生きています。自分を他人に良く見せたいと思う心,人に認めてもらいたいという心,嫌な奴だと思われたくない心,様々な心の背景がウソを呼び込みます。

 ウソをつかないで生きるということは,言い換えれば,ありのままの自分,裸のままの自分を人前にさらすようなものなのです。これには相当な勇気が必要でしょう。
 では,この勇気はいったいどこから出てくるのでしょうか。それは,ありのままの自分に対して,自信をもつこと,そしてそんな自分を好きになれることから生まれてくるのです。 
 (『子どものウソの見抜き方』星一郎著 ごま書房 154p)
※札幌の小学校教師,ヨコさんのホームページより。

「うそ」の発達は言葉と行為が分離することから生じる

2005年03月13日 | こども/家庭・こころ
子どものつく「うそ」からみる発達と支援に関する興味深いページがあった。

 うそは三歳ごろからつくようになるが,はじめは自分の思いまちがえていることをそのままのべて,それがおとなたちにうそと判定されてしまう,という種類のものが多い。しかし,だんだんすすんで,小学校二年から三年になると,意識的に,自分の考えているのとちがうことがいえるようになる。言葉と行為の分離が可能になるのである。それも,はじめのうちは,自分のやったことを「否定する」程度のことであるが,だんだんと,ありもしないことをまことしやかに話せる能力にのびてくる。(中略)

 小学校二,三年のときは,学校生活と家庭生活とが分離する時代である。親にわからぬ生活が学校でおこなわれている。この時期にうそがいえるようになるが,そのうそが親に発見されないという事態も生じてくる。小学校へ上るまでは,子どもの親に対する信頼は絶対で,自分のいったことはもとより,自分の考えたことまで親にわかるとおもっている。うそをいっても,バレると信じている。しかし,小学校二,三年のころになるとこの信念がくずれる。  
 (『子どものものの考え方』波多野完治・滝沢武久著 岩波新書39p) 
 ※札幌の小学校教師,ヨコさんのホームページより。