忘却の彼方へ

ウエブ上のメモ

サイレントベビー、サイレントマザー

2005年08月11日 | こども/家庭・こころ
サイレントベビーとは、両親とスキンシップをしたり視線を合わせたりといったコミュニケーションが不足しているために、泣いて要求を表現したり感情表現をすることが少なくなったいわゆる「おとなしすぐる赤ん坊」である。そしてサイレントベビーを生み出しているのが「サイレントマザー」である。

母親が子どもとスキンシップをとっているほど、子どもの衝動性が低かったという調査もある。突発的にヒステリックに泣くことがない、かんしゃくをおこさない、落ち着いていることが多い・・・など情緒が安定しているのである。サイレントベビーはその逆と言える。思春期になって「キレる」(感情のコントロールができない)子どもにもスキンシップ不足が影響し「キレやすい脳」を作ったといえる。もちろん、最近の児童虐待の増加とスキンシップの関係も大きなものがあることは推測できる。

スキンシップが少ない幼少期を過ごした影響はいつまで続くのか。大学生を対象とした調査からは、影響は大人になっても大きいことがわかる。スキンシップが少なかった大学生は、タッチされることに対して「親しみ」や「励まし」を感じることよりも「緊張した」という否定的な評価をした学生が多かった。
この結果は、「人が人と親密な関係を築き、社会的な絆を形成できるようになるためには、幼少期に養育者との十分なスキンシップが必要である」ことを示している。大人になってから親しい友人や家族に気軽にタッチできる人と出来ない人がいる。私は後者だが、この差の原因は実は幼少期の親子のスキンシップに起因しているという。(そうだったのか!)。
※「子供の脳は肌にある」(山口創著 光文社新書)を参考にしています。