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“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

スマホは子どもの脳をダメにする?

2025年05月12日 11時42分51秒 | 子どもの心の問題
賛否両論、喧々顎学の「スマホと子ども」。
便利なものではありますので、
「依存するのではなく、うまく使いこなす・つき合う」
ことに尽きると思うのですが…

今回は否定的な記事を紹介します。

<ポイント>
・スクリーンタイム(平日一日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等の画面の視聴時間)が1時間を超えてしまうと、極端に学力が低くなる。
・利用時間が伸びるのに比例して、数学・国語・理科・社会いずれの学力も低下する。論理的思考力、記憶力、集中力、読解力など、学習能力全般に影響がある。
・小学生で約4割、中学生で約5割が、学習以外の目的で一日にスマホを3時間以上使用している、小学生男子に限定すると、「5時間以上」と答えた割合が約19%と、およそ5人に1人。
・学習時間や睡眠時間と関係なく、スマホ利用時間そのものが学力に影響を与えている。たとえ2時間以上勉強したとしても、スマホを3時間以上使ってしまうと、ほとんど家で勉強をしないけれどもスマホを使わない生徒たちのほうが、成績が良くなってしまう。
・スマホを長時間使うと子供の学力が低下する原因は、実は脳の発達に問題が生じるから。


▢ スマホは子供を脳をダメにする…7万人の調査で判明した「子供のスマホ利用が医学的にマズい理由」子供の頃から「スマホを触って育った人間」の恐ろしい末路
川島 隆太:東北大学加齢医学研究所教授
プレジデント:2025年4月4日)より一部抜粋(下線は私が引きました);
・・・
▶ どれだけ勉強してもスマホを使えば台なしに
 スマホがなくてはならない存在になりつつあるのは子供の世界も同様だ。NTTドコモモバイル社会研究所の調査では、今や小学校高学年の4割、中学生の7割が所有している。しかし、スマホ使用に伴うリスクについてはまだあまり知られていない部分も多い。
 スマホが子供の学力破壊につながる危険性を指摘しているのが、脳科学者で東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授だ。川島氏は宮城県仙台市の小中学校に通う児童・生徒のべ7万人の生活習慣と学力の追跡調査を10年以上行っており、スマホ利用のリスクを訴え続けている。
「平成22(2010)年から始まった大規模調査によってまず明らかになったのは、スクリーンタイム(平日一日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等の画面の視聴時間)が1時間を超えてしまうと、極端に学力が低くなるという事実です。利用時間が伸びるのに比例して、数学・国語・理科・社会いずれの学力も低下することがわかりました。教科を問わないことからも、論理的思考力、記憶力、集中力、読解力など、学習能力全般に影響があると推測しています」(川島氏、以下同)
 スポーツ庁が発表している「令和6年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」によると、スクリーンタイムの増加が見てとれる。学習以外のスクリーンタイムが「3時間以上」の割合は小中学校男女ともに増加しており、令和6(2024)年度の数字は平成28(2016)年度の調査開始以来、最も高い割合となった。小学生で約4割、中学生で約5割が、学習以外の目的で一日にスマホを3時間以上使用しているという。小学生男子に限定すると、「5時間以上」と答えた割合が約19%と、およそ5人に1人の計算になる。
 調査開始当初は、「スクリーンタイムの増加に伴い、学習時間や睡眠時間が減少したことが学力低下の原因ではないか」という意見もあったが、学習時間や睡眠時間と関係なく、スマホ利用時間そのものが学力に影響を与えていることも判明したという。

▶ スマホがあるだけで集中力が奪われ成績低下
「データをさらに細かく見ていくと、たとえ2時間以上勉強したとしても、スマホを3時間以上使ってしまうと、ほとんど家で勉強をしないけれどもスマホを使わない生徒たちのほうが、成績が良くなってしまうという事実も発見しました」
 その後、川島氏の研究チームでは、子供たちの脳発達の経年変化を探るべく、MRI計測で観察する試みも行ったという。
「3年ごとに子供たちに大学に来てもらい、脳の形のMRI写真を撮らせてもらったのです。それと同時に生活習慣に関するアンケート調査も実施し、一日にインターネットをどれくらい利用しているのかを質問項目に入れました。すると、インターネットの利用時間が長い子供ほど、3年前の写真と脳の状態が変わっていません。脳の発達が止まっている領域がたくさんあり、大脳においては3分の1の発達が止まり、大脳白質という大脳同士をつないでいるネットワークの部分に関しては、領域全般にわたって発達が止まることがわかりました。この事実を踏まえると、スマホを長時間使うと子供の学力が低下する原因は、実は脳の発達に問題が生じるからだと言わざるをえません」
 スマホに電源が入っているだけでも負の影響が生じることが、さまざまな研究結果によって明らかとされているそうだ。
「スマホはプッシュ型で情報が入ってくるデバイスなので、『何か連絡や通知が入るのではないか』と注意がそがれがちです。電源の入っているスマホを近くに置いて寝ると、眠りが浅くなることも複数の研究で指摘されています。実際は鳴っていないのに通知音が聞こえたり、バイブレーションを感じたりした経験のある方は少なからずいると思いますが、まさに『いつ情報が来るか』に気を取られていることの表れでしょう」
 スマホが注意力を奪うことは海外の研究報告でも明らかにされている。例えば、米テキサス大学オースティン校のワード准教授らが大学生を対象に行った実験。自身のスマホを、
① 机の上に置く
② ポケットに入れる
③ 別室に置く
の 3群に分け、記憶力検査と非言語知能検査を実施したところ、それぞれの検査の成績はいずれも、
③ 別室に置く
② ポケットに入れる
① 机の上に置く
の順になったという。
 スマホの操作に意識を向けなくても、スマホが手元にあるだけで注意力が散漫になる現象を「Brain Drain(脳からの資源流出)」と定義し、注意を促している。
 動画の視聴、ゲーム、SNS、メッセージのやり取りや通話など、同時に複数のことができるデバイスなのも重要なポイントだ。
「スマホゲームの一回のプレイ時間は短いものが多く、1~2分程度で決着がつくものが大半です。かつては、ゲームといえば専用ハード機器にソフトを入れて遊ぶのが一般的で、長時間プレイを止められないことを問題視する場面のほうが多かったように思います。しかし、現在ではそのような集中さえも維持できなくなっているのです。スマホは、動画を視聴しながら広告の合間にメッセージを返信し、さらにゲームをプレイするといった使い方がしやすい構造になっています。アプリ開発側もこのような利用スタイルを前提にしているからこそ、集中力がなくても楽しめるアプリやゲームが意図的に作られているわけです」
 川島氏は、仙台市の子供たちを対象とした調査の中で、4教科の平均偏差値を、LINE、動画、ゲーム、音楽の使用頻度ごとにわけた算出も行っている。するとすべてのアプリにおいて、勉強中に使用する頻度が高いほど学力が低くなることがわかった。スマホを使った「ながら勉強」は、今すぐにでもやめさせたい習慣だ。





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