goo blog サービス終了のお知らせ 

一言二言三言

日常思うこと、演劇や音楽の感想を一言二言三言。
現在、半年遅れで更新中……DVDを買う参考にでもしてください。

春狂言

2006-05-08 | 観劇
Sun.23.Apr in 大槻能楽堂
大蔵流狂言『土筆』『寝音曲』
古典狂言「川上」改作『川上地蔵』

冒頭のお話は丸石やすし氏。「皆さんが観にきてくれるおかげで、我々狂言師の生活が成り立っているわけです」と相変わらず開けっぴろげで明るい。
『土筆』は『つくづくし』と読みます。
春にしかやらない演目なのだそうです。
『寝音曲』は『ねおんぎょく』
『川上地蔵』はそのまま『かわかみじぞう』ですが、和泉流狂言の『川上』を改作したもので(ここでも和泉流の説明に「プロレスされたりですね…」とやはり開けっぴろげ)初演では地蔵は出てこなかったそうですが、今回は出てきます、とのこと。後述しますがナイスです。地蔵。
ちなみにパンフには40年ぶりとなっていますが、丸石さんが入門32~3年で、その後にできたはずなので、本当は約30年くらいのようです。

『土筆』
甲 茂山七五三・乙 茂山宗彦
春の晴れた日、(乙)は兼ねてから遊山に行きたいと言っていた友人(甲)を誘って出かける。野にはたくさんの土筆が顔を出している。そこで(甲)が土筆の歌を詠むと言葉の使い方がおかしいと笑われ、(乙)が芍薬の歌を詠むと間違っていると今度は(甲)が笑われる。互いにムキになってしまい――
単純で楽しいお話。どの時代も人間って変わらんものですね。ど~でもいいことで負けず嫌いの意地の張り合い。平和で可愛いです。
宗彦くんは観る度に目がなくなっていってる気がする。表情とはすごいな。50年後には千作さんの顔になってるんでしょうか。

『寝音曲』
主人 丸石やすし・太郎冠者 茂山千作
通りがかりに太郎冠者の謡の声を聞いた主人は感心し、目の前で聞かせるよう命じる。しかし太郎冠者はことあるごとに呼ばれて謡わされてはかなわないと、酒を呑み妻の膝枕でなければ声が出ないと断るが、主人は酒を用意し、自分の膝を貸すのでさあ謡えと一歩も退かない。仕方なく寝転ぶが、結局途中から上機嫌で朗々と謡ってしまう。
87才ですか……狂言って健康にいいのかな。笑いの健康法とかあるもんな。
やっぱり一番面白いのはこの方。表情の1つ1つにふてぶてしいような、ずる賢いような愛嬌が滲み出てるんですよね。

『川上地蔵』
座頭 茂山千之丞・女房 茂山あきら・地蔵 茂山童司
霊験あらたかな川上地蔵に参った座頭の夢に地蔵が現れ、妻と別れることを条件に目が見えるようにしてやろうと言う。さっそく座頭は教えられたまじないを行い目が見えるようになったが、盲目の10年間を献身的に支えた妻は別れることを了承しない。夫婦で揉めているところへ地蔵が現れ――
この地蔵、仲裁するのかと思いきや、まるで役に立たない。調子のいいばっかりのちょーテキトー地蔵。まさに神仏って感じ。笑。
ここでも男の狡さ、長年連れ添った夫婦の滋味がコミカルに表現され、その中にしっとりとした雰囲気もきちんとある、千之丞さんらしい演出の作品でした。
そしてご本人の謡いがいつ聞いても良いのです。声の良さはこの方がダントツですね。


最新の画像もっと見る