goo blog サービス終了のお知らせ 

一言二言三言

日常思うこと、演劇や音楽の感想を一言二言三言。
現在、半年遅れで更新中……DVDを買う参考にでもしてください。

SHINKANSEN☆RS メタル マクベス

2006-10-15 | 観劇
劇団☆新感線
原作:ウィリアム・シェイクスピア  脚色:宮藤官九郎  演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽(ランダムスター/マクベス内野)・松たか子(ランダムスター夫人/ローズ/林B)・森山未來(レスポールJr./元きよし)・北村有起哉(グレコ/グスタフ北村)・橋本じゅん(エクスプローラー/バンクォー橋本)・高田聖子(グレコ夫人/シマコ)・粟根まこと(パール王/ナンプラー)・上條恒彦(レスポール王/元社長) 他
Mon.3.Jul in ウェルシティ大阪厚生年金会館大ホール

時は2206年。絶大な勢力を誇るレスポール王率いるESP軍が将軍ランダムスター指揮の下、他の軍を次々と征していた。そこへ3人の魔女が現れ、ランダムスターに「未来の国王」・エクスプローラーに「王を生み出す男」との予言を告げ、1980年代に活躍したヘビーメタルバンド『メタル マクベス』のCDを渡す。歌詞は殺人予告であり、バンドの人間模様は国王への道に繋がる予言になっていた。予言を知ったランダムスター夫人は夫をそそのかし、レスポール王の息子レスポールJr.を犯人に仕立て、王を殺すという計画殺人を企てる。手柄として与えられた領地マホガニー城で開かれたESP軍の勝利を祝う宴が幕を閉じたとき、殺人計画は実行に移された。城から逃げ出したレスポールJr.は、パール王の元に身を寄せる。そして王を永遠の眠りに導いた夫妻は罪の意識に苛まれ、自分達の永遠の眠りも奪われたことを知る。


久しぶりに歌の上手いミュージカル見たなぁ…(その感想もいかがなものか)ヘビメタですが。
実は始まるまでは恐る恐るだったのですよ。歌が、じゃなくてね。いやそれは想像以上はるかに良かったんですが。私、新感線苦手かもしれないって思ってたんです。
でも新感線のどこが苦手か分からない。演出もカッコイイし、役者も上手いし、なんか凄いってのは思うんだけど、中盤でいつも疲れて時間が気になってしまう。実質的に公演時間も長いんですけどね。
で、演出の問題なのか、脚本が問題なのかを考えていて、今回。
非常に面白かったです。
蜷川版の『天保十二年のシェイクスピア』悩んでやめてよかった……出演者には惹かれたけど高いんだよぉ。いや、新感線も高いんだけど。ちょっと脱線。
このブログでもクドカン好きは何度も明言してきましたが、これだけ上手くコラボレートするとは思いませんでした。いのうえひでのり、やりますな。
クドカン作品はキャラクターが際立っていて、楽しさに溢れているけれど、庶民的な空気がある。今作では勢いはそのままに、ヘビメタの激しさ・退廃的王国世界を当てはめて貧乏くさくないマクベスに仕上がっていた。
個々の役者については、上條氏はさすがとしか言いようがない。レスポール王の威厳にランダムスター夫妻に罪悪感を与えるだけの人間性、そして響き渡る歌唱力はまさに圧巻といったところ。
ランダムスター夫妻はクドカンお得意のバカップルだったが、2人とも賢そうなので、『ぼくの魔法使い』の町田夫婦ほどの面白さがなく、若干物足りない気はした。(クドカンに毒されているのだろうか…)
レスポール王殺害後の壊れていく様も、まともそうで追い詰められた人間の悲壮感はあまりなかったので、この点においての説得力は薄かった。しかし内容満載の舞台なので、全体としてはこれぐらいがちょうどいいのかもしれない。本当は人の良い夫婦が、魔女の予言というきっかけに背中を押されて罪を犯して“しまった” そんなマクベスもアリだろうか。もうちょっと松たか子に色気が欲しかったけどね。
北村有起哉はいつ見ても感じが良いね。なんか健全な感じがするね。でも綺麗すぎず熱すぎずで、どんな役やっても嵌まってるなぁと思う。主役タイプではないが(いや分かんないけど)№2の位置で女性1番人気みたいな印象です。
で、グレコとレスポールJr.森山がじゃれあうシーンは笑わせるところなんですが、ビジュアルが美しいためにある特定の層に対するサービスのように思えてしまった。目、腐ってる私? でも絶対狙ってるよねぇ?
その森山未來。ステージから降り、私の左側通路を走り抜けたわけですが。片手をゆるく伸ばせば届くその距離に一瞬見た森山未來。
ムッチャ、綺麗。
「うっわ」って感じ。「うっわ」って。
そしてその透き通る肌を見て思ったことそのまま書くならば。
キィッレッ! 森山未來キッレッ!……さ、触りたいー……
休憩除いてフルに4時間のステージ。1番印象に残っているのがそれとはどういうことか。>自分。
12500円(送料込)払った甲斐ありました。ありがとう。これでもう満足です
さて(仕切りなおし)脇を固める新感線メンバー。どの舞台でも際立って存在感を見せる役者が、多すぎて埋もれてしまうという凄い劇団だなぁ、とまたしても実感しました。実力があるからこそ、脇に徹してゲストを引き立たせることができるわけですが。この中でも際立ってしまう古田新太は本当に凄い、と出てないけど感心してみたり。
粟根氏は完璧な身のこなしで、それなりだった若造たちが並んで同じ動きをするとヘナチョコ見える。揺るがない、って感じですね。
橋本じゅんはわりといつも通りかなー。笑
歌詞はめちゃめちゃだけど(もちろん狙ってる)生バンドの重低音が絶妙の入り方で、盛りだくさんの舞台を中だるみすることなく、最初から最後まで力強く引っ張り、時間はまったく気にならなかった。
知らなければ難解で敬遠しそうなシェイクスピアが、まったく違う枠と手法でとても理解しやすい形になっていた。私のように新感線ちょっと苦手かもと思っていた人間にも入りやすい。いいもの観せていただきました。


最新の画像もっと見る