読んだ中でお薦めの本を紹介します!

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タッポーチョ 太平洋の奇跡

2016年06月17日 | 
タッポーチョ 太平洋の奇跡

昭和五七年 静かに暮らしていた「大場栄」元大尉の元をあるアメリが人が訪ねてきた。
忘れていた,いや封印していたサイパン島での記憶が蘇った。
昭和十九年 アメリカ軍司令部は日本軍による"バンザイ突撃"を恐れていた。
玉砕の島『サイパン島』でジャングル内【タッポーチョ山】に追い込まれた日本陸海軍と多数の民間人を指揮し日本が降伏した後も戦い抜いた本当にあった勇士の感動物語。

兵士だけではなく多くの民間人の命を救い且つ軍紀も保ちながら1945年12月1日までの1年半もジャングル内でお抵抗はよほどのリーダーシップを発揮できる人物でなければ実現できなかっただろう。

ジャングル内での出来事は割愛しますが民間人を率いながら、いつ終わるかわからない消耗戦に突入!
痛快なのはアメリカ軍基地内に忍び込み食料を奪ったり、捕虜となった民間時との情報交換を行ったりする。大場大尉の率いる人たちは常に最新情報を得ていたのだ。もちろん日本は連合軍に無条件降伏したことも。

降伏に関しても降伏勧告を前に「私は軍人である。上官の命令がない限り降伏はしない」とアメリカ軍通訳に伝え、元方面司令官からの「降伏せよ」との命令書が届くまでタッポーチョ山を下山しなかった。

降伏式では新しい軍服に身を包み、隊列を組んで威風堂々と行進する姿にアメリカ軍も敬意を示した。ここに大場栄大尉の名は英雄としてアメリカ軍史に刻まれた。

日本では無名に近い事が非常に残念です。

「太平洋の奇跡」という映画にもなっていますので入りやすい1冊ではないでしょうか。

影踏み鬼

2016年06月17日 | 
影踏み鬼

新撰組といえば「近藤勇」「土方歳三」「沖田総司」最近では「斎藤一」の活躍やあまりの美男子っぷりでファンになった人も多いのではないでしょうか。
 この「影踏み鬼」はその逆。近藤:土方が悪人で、伊東甲子太郎と一緒に新撰組を脱退し御陵衛士となった【篠原泰之進】の物語である。まさか近藤と土方が悪役として描かれているとはいささか驚きです!

篠原泰之進は久留米藩の石工の家に生まれ後に士族へ。脱藩して上京し剣術修行を行ったのが伊東の道場であった。伊東も元は水戸の士族の出だが江戸伊東道場の婿となり伊東姓を名乗っている。新撰組隊士の鈴木三樹三郎は実弟である。東国出身者が多いなかで九州出身者は珍しい。その辺が近藤:土方と合わないところだったのだろうか。元が武士ではない事は同じなんだが彼らが幕臣に取りたてられてからは特に衝突することが多くなった。

その事が伊東一派を脱退した理由となるのだが、また伊東甲子太郎もあまりにも人柄が良く描かれており、今まで読み込んできた新撰組系の物語はなんだったのだろうかと思ってしまった。立場が変われば描かれる目線も変わるものですね。

さて、御陵衛士として袂を分けて間もなく、油小路で伊東甲子太郎が討たれた。伊東の亡骸を引き取りに御陵衛士の面々は罠と知りながら油小路へ。そして新撰組とぶつかった事はファンなら知っている事だろう。

主人公である篠原泰之進はこの油小路で新撰組と刀を交えたが生き残り、薩摩藩邸に匿われた。さすがの新撰組でも薩摩藩邸には踏み込めず安全地帯といえよう。薩摩藩邸では【人斬り半次郎】こと中村半次郎の世話になりながら反撃の時を待っていた。が、チャンスは思いのほか早く巡って、近藤が隊士四人を率いて伏見奉行所へ向かったその帰りを狙う。そして近藤勇が狙撃された事はもちろんファンは知っているだろうが、それが篠原泰之進達であった事はあまり知られていない。
この物語はこの人の目線で描かれているのです。

近藤が流山で新政府軍に捕えられた時、幕臣「大久保大和」と名乗っていたが、近藤を知る御陵衛士生き残りが新政府軍にいるとは思ってもみなかっただろう。正体が見破られて板橋で斬首になる。ここに影踏み鬼の意味が隠されている。

その後、赤報隊へ身を投じ新政府軍として幕末の血なまぐさい戦いの日々を終える。


【影踏み鬼】のもう一つの意味は家族愛に隠されているがここではあえて書かない。この本をよんで家族の絆を確認して欲しいと思う。