中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

「お菓子」を贈るときの上級「実践テク」

2011-04-10 | ■中国人の価値観と仕事観

「お菓子」を贈るときの上級「実践テク」
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◆中国出張のとき「お菓子」の詰め合わせを持っていくときの注意ポイントです。まず、「つまらないものですが・・・」という言葉はNG・・・。お土産を渡すとき、日本ではこんなふうに言って相手にお土産を渡すところですが、中国ではちょっと注意が必要です。

◆「贈り物は人間関係を表わすバロメーター」というキーワードがあります。つまり、「つまらないもの」を贈ってはいけないのです。「私たちの関係はこの程度???」と思わせるような贈り物は避けたほうがいいですね。もちろん、「つまらないものですけど・・・」は自分を謙らせて相手を尊敬する日本人特有の表現ですが、中国人に対しては「つまらないものですが・・・」ではなく、「陳さん、すごくおいしいお菓子を買ってきましたよ。絶対おいしいですからぜひ召し上がってください」ぐらいの表現のほうがベストです。

◆「みなさんで召し上がってください」もNG・・・。中国で「贈り物」を贈るときは基本は「一対一」で贈ることです。皆さんではなく陳さんに対する「贈り物」を「皆さんで召し上がってください」と言って渡すのは陳さんの「面子」を潰すことになります。

◆ここで「実践テク」の上級編とは・・・。お土産のお菓子を準備するときは陳さん用にひとつと、みなさんで召し上がっていただくためにもうひとつと、2つ準備すること。「これは陳さんどうぞ召し上がってください。それからもうひとつはみなさんで召し上がってください」と言ってふたつ渡します。陳さんの面子を潰さずに済みますし、私のお土産を陳さん自身が社員に配ることで別の面子を立てることにも通じますね・・・。(^。^ )/

◆しかし、「これでもまだ不十分」と友人の中国人が教えてくれました。「ヨシムラさん、2つじゃなくて、3つですよ!」とアドバイス。それは、陳さんにひとつ、みなさんでひとつ、それから陳さんの家族にもうひとつ。「なるほど・・・」それが正しい心遣い(?)かも知れません。(-_-#)

◆しかし、実はこれでもまたまだ不十分(?)と言う友人からアドバイス。「えっ?まだ足りないの?」と問い返すと、私の友人は「ヨシムラさん、本当にみなさんで召し上がってほしかったら、陳さんにひとつ、家族にひとつ、それから陳さんの部下にひとりひとりに『ひとつずつ』準備するべきですね」とコメント。なるほど!なるほど! それが本当に美しい(?心遣いかも知れません。(-_-#) (-_-#)(-_-#)

◆確かに、中国から来るお客さんから受け取るお土産はそうですね。日本で開催されるイベントで(投資説明会や展示会など)、中国の企業や地方政府の方々のサポートをすることがよくあります。その時に彼らが持ってくるお土産はひとりひとつが原則です。そういえば「みなさんで召し上げってください」というお土産を受け取ったことがありません。こんなところに中国人の気遣いを改めて発見します。(^o^)v

次回は「緑の帽子」の解説・・・