「命がけで」うんぬんというような言葉を聞くたびに、僕は、ちょっとしたとまどいをおぼえます。言ったことがありません、言えません。
たくさん理由がありますが、そのなかの一つに、三島由紀夫さんの行為についての引っかかりが、あるかもしれません。
僕はまだ小学校前でしたから、事件の記憶は直接にはありませんが「あの日」の様子を祖母から何度も聴いた記憶があります。
どえらいことをしはった、という、祖母の大阪弁の語り口と一緒に、事件は、胸のどこかに引っかかったままになって、深い謎として心の底に沈んでいるのです。
それから、三島由紀夫のことを好んで議論する大人たちや、逆に、忌み嫌い遠ざけようとする大人たちが居た記憶も確かで、それゆえ「ミシマ」を読まないでおくことが出来るわけがなかった、のも確かです。
駆け出しのころ、父を看取ってすぐ上演したダンスに市ヶ谷での演説に関わる部分があり賛否が分かれましたが、三島事件については、まだ思考がまとまりません。どんどん、まとまらなくなっています。年齢を重ねれば重ねるほど、何も言えなくなってきます。
ずっと気になり、いろいろ聞き、読み、考え、しかし、なぜでしょうか、どうしても、僕は、三島由紀夫さんの行為が事件が、わかった気になりません。わかった気になってはいけない気さえ、します。
なぜ、、、。
きょうは11月25日、「あの日」です。
享年45歳。舞踏の黎明に深く関わった人でもあります。
上の写真はウチにある『太陽と鉄』の表紙。その下は中身のラスト近く、イカロスを詠んだ詩の冒頭ページ。
衝撃を、まだ受け続けています。
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