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日本の介護を救うのはプロレスだ!

2013-04-04 18:35:09 | プロレス

過酷な職場環境を背景にした人手不足などにより、日本の介護産業の未来が危ぶまれている。財団法人介護労働安定センターが昨年公開した「介護労働実態調査結果」によれば、介護事業所の50.4%は「良質な人材の確保が難しい」と回答。49.8%が「今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」と窮状を訴えている。そんな中、“思いもよらない方法”で、事態の改善を図ろうとしているのが、東京・両国に本社を置く日本介護福祉グループだ。同社副社長で、一般社団法人日本介護ベンチャー協会の代表理事も務める斉藤正行氏に話を聞いた。

(聞き手は鈴木信行)

まずは会社紹介からお願いしたい。

斉藤:2005年設立の介護事業者だ。「茶話本舗」という屋号の小規模デイサービスを核に事業を展開している。茶話本舗は現在全国に600拠点以上あり、8~9割はFC形態での運営だ。小規模デイサービスチェーンとしては全国最大手と言っていい。

特徴は何か。

斉藤:いくつかある。まず「小規模少人数制」を採用していることだ。利用定員10人の小規模事業所を基本としており、目配り、気配り、心配り(三配り)のできる体制を整備している。利用者一人当たり介護職員の数は基準の倍。介護保険上の基準は利用者5人に対し職員1人だが、茶話本舗は2.5人に対し1人を配置している。

ローコストでありながら手厚い介護システム

手厚い介護体制を敷けば、事故の発生などは未然に防げるが、ビジネスとしての採算性は悪化するのではないか。

斉藤:一般的にはそうだ。そのため当社では、様々な工夫によってコストの抑制を図っている。象徴的なのが、設備に空き民家を活用していることだ。事業のイニシャルコストを低減できるうえ、利用者に、自宅に近い落ち着いた空間を提供することができる。

民家を介護施設として活用するには、バリアフリー化などの改築が新たに必要で、それなりの費用が発生するのではないか。

斉藤:民家をなるべくそのまま活用し、必要以上のバリアフリー化などは施さないのが当社のやり方だ。例えば、玄関などの比較的大きな段差をあえて建物内に残すようにしている。段差を乗り越える生活をしてもらうことで筋力強化を図り、利用者のADL(日常生活動作)及びIADL(手段的日常生活動作)の回復を促進するのが狙いだ。

なるほど。ビジネスモデルの全体像は把握した。だが、いかに「ローコストでありながら手厚い介護システム」を考案しても、実際に現場で働く人間がいなければ“絵に描いた餅”に過ぎない。介護業界は現在、大変な人手不足にあると聞く。

斉藤:その点は当社も苦労している。現状では重大な支障は出ていないが、今後、事業拡大を続けていく上で大きな課題であるという認識だ。結局、この問題を根本的に解決するには、各事業者の創意工夫に加え、介護業界そのもののイメージ向上を図る努力がかかせない。異業種からの参入も一段と加速させる必要がある。

そこでプロレス団体との連携という話が出てくるわけか。改めて昨年公開した大阪プロレスとの提携戦略を説明してほしい。

斉藤:昨年8月から兵庫県宝塚市で大阪プロレスがプロデュースする茶話本舗を開設している。レスラーが定期的に事務所を訪問。利用者との散歩や社内レクリエーションなどを手がけるほか、外出レクリエーションの一環として大阪プロレスの生観戦も実施している。中長期的には、レスラーが介護関係の資格を取得する支援をしたり、両社共同で高齢者向けの運動プログラムを開発したりすることも計画中だ。

えべっさん選手やくいしんぼう仮面選手など人気レスラーも訪問するのか。

斉藤:もちろんだ。既にお年寄りからは高い評価をいただいている。

場を楽しく盛り上げるのは大阪プロレスの真骨頂だ。施設の中が明るくなるに違いない。正規軍やユニーク軍団だけでなく、例えばヒールの空牙選手なども訪れるのか。

斉藤:呼びかければ、可能だ。

レスラーのセカンドキャリアの選択肢を増やす

茶話本舗としては心強い助っ人を得たことになるが、一方、大阪プロレスとしてのメリットは何か。

斉藤:一番の狙いはレスラーのセカンドキャリアの選択肢を増やすことだ。大阪プロレスによれば、プロレス一筋で頑張ってきた選手たちが引退後、一般企業に勤めるのは、やはり難しい場合も多いという。トレーニング技術の進化などを背景にレスラーの選手寿命も延びてはいるが、半面、怪我により若くして引退に追い込まれる選手も少なくない。

確かに最近は一部で試合の過激化も進んでいる。ファンのニーズがあるとはいえ、フォールされてもキックアウトし続ける「カウント2.9プロレス」はいまだ主流の一角を占めているし、第一試合からムーンサルトプレスやジャーマンスープレックスなどの激しい技が飛び交う団体も少なくない。選手が怪我をするのも無理はない環境に映る。

斉藤:その意味でも、業界全体で引退後のセカンドキャリアを充実させることが重要だ。様々なプランがある中で大阪プロレスは、成長市場でありレスラーとの親和性がある介護産業に着目された。

介護の現場では力仕事も多いし、お年寄りを楽しませるユーモアもあった方がいい。健康管理に関する知識も必要だ。確かにプロレスとの親和性は強い気がする。大阪プロレス以外の他団体とも連携する構想はないのか。

プロレス団体の経営にも効果

斉藤:当然ある。既に蝶野正洋選手やZERO1の大谷晋二郎選手とお話をする機会をいただいた。今すぐにどうこうする話ではないが、強い関心は持ってもらっている。

連携の輪がメジャー団体にも広がっていけば、いずれ棚橋弘至選手やオカダ・カズチカ選手などがお年寄りを励ます光景も見られるのか。

斉藤:可能性としてはある。

そこまでやるなら施設で試合もすればどうか。

斉藤:今のところ、試合までは検討していない。

「キャンプ場プロレス」が人気を博す時代だ。もちろんガチンコ打撃系の選手がひたすらバチバチファイトを展開すれば施設は静まり返ってしまうかもしれない。だが例えば、DDTプロレスリングのヨシヒコ選手などが試合をすれば、どれだけお年寄りがいい意味で驚かれることか。飯伏幸太選手なども“可愛くて頼もしい理想の孫”として大歓迎されるだろう。仮に「介護施設プロレス」が無理だとしても、レスラーの力を借りることで、外出レクリエーションの自由度は大きく上がるのではないか。

斉藤:その通りだ。既に宝塚市の施設では、大阪プロレスの観戦を実施しているが、車椅子が通りにくい狭い通路などもレスラーの方が抱えて移動をサポートしてくれている。

大日本プロレスの関本大介選手などであれば、お年寄りの座った車椅子を1人で2台ぐらい楽々と運んでくれるかもしれない。介護産業との連携は、全盛期に比べ財政状況が厳しいとも言われるプロレス団体の経営を安定化させる効果もあるのではないのか。

斉藤:大阪プロレスに限って話せば、経営は安定している。常設会場型の運営で、地方巡業のための会場使用料や移動費などの負担が少ない。顧客には女性や子供も多く、集客力も高い。ただ、団体の中には、プロレス事業以外の経営の柱を確保したいと考えているところもあるだろう。

後楽園ホールなどで自主興行し、大入り満員を続けられれば、資金繰りに大きな支障は出ないだろうが、それができる団体は限られる。地方興行はチケットを売りさばくのが一苦労で、土地の有力者に販売を代行してもらう、いわゆる「義理売り」にも限界がある。それだけに、介護産業と協力し安定した収入源を持つことは、プロレス団体にとってもいい話と言えるかもしれない。

斉藤:そう願いたい。いずれにせよ、今日はプロレスに理解のある人に取材してもらって安心している。プロレス団体との連携を進めることに対しては、実は社内でも冷めた目がある。若い社員の中には格闘技に興味がなく、例えば「レインメーカー」などと言ってもピンと来ない者も少なくない。

過去を振り返らず未来へ「ハイフライフロー」

「ショートレンジ式のアックスボンバー」とでも説明すればいいのか。

斉藤:いや、具体的な技の形ではなく、オカダ・カズチカ選手を中心とする昨年の新日本プロレスのアングル自体を知らないという意味だ。

仕方がないのかもしれない。娯楽の種類が増えた今、プロレスだけが古きよき時代に戻るのは難しいだろう。だが、底は打ちつつあるのではないか。ツームストンパイルドライバーからのハイフライフロー2発で棚橋選手がオカダ選手に勝利した「1・4東京ドーム大会」などは大成功と言っていいし、メディア全体を見てもプロレスの露出が増えつつある気配はある。

斉藤:大阪プロレスも、メディアへの露出が増えたことが、介護事業参入のもう1つのメリットだったと評価している。

その点では、介護業界とプロレスのコラボは互いに様々な相乗効果をもたらす可能性がある。日本の介護の未来のため、プロレス業界を盛り上げるため、引き続き頑張ってほしい。

斉藤:了解した。

日本の介護を救うのはプロレスだ! より



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