6月3日(ブルームバーグ):2日の内閣不信任決議案採決で民主党からの大量造反回避につながった菅直人首相の「退陣表明」をめぐり、同党内の混迷が深まっている。
首相が退陣するタイミングとして挙げた東日本大震災からの復旧・復興と東京電力福島第一原子力発電所事故への対応に「一定のめどがついた段階」の具体的な時期について、今月末にもと受け止めている鳩山由紀夫前首相らと首相との間で認識に食い違いが出ているからだ。
首相は鳩山前首相との2日の会談で、具体的施策に言及した「確認事項」と題する文書で合意。その後の代議士会で鳩山氏は東日本大震災の復興基本法案の 成立と今年度第2次補正予算編成にめどが付いた段階の退陣で合意したと説明したが、首相は同日深夜の会見で、同氏の説明を「文書に書かれた以外の何らかの 約束は一切ない」と否定した。
「確認事項」は①民主党を壊さないこと②自民党政権に逆戻りさせないこと③震災復興ならびに被災者の救済に責任を持つこと-の3項目。③の具体的内容として基本法案の成立と第2次補正予算の早期編成についても記述があるが、首相退陣とその時期にはまったく言及がない。
国会の大幅延長
みずほ証券の上野泰也チー フマーケットエコノミストは2日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、今後の政局について「退陣表明は条件付きでもあり、第2次補正予算のめど がたつまでには時間がかかる。同一の国会期間中に不信任案を2度出すことはできない。菅首相は通常国会の大幅な延長に言及しており、今国会中は、菅内閣は安泰ということになる」との見通しを示す。
一方、上智大学の中野晃一准教授は、日本の政治の混乱は新たな段階に入っており、日本は政治のトップの不安定により、非常に高い代償を払うことになるとの見方を示した。
「ペテン師まがいのことをときの首相がしてはいけない。即刻、党の中の規則で、首相に辞めてもらうように導いていかなければならない」-。鳩山前首相は3日午前、首相に早期退陣を要求した。鳩山氏の発言場面は日本テレビがニュースで放映した。
鳩山氏は2日、「第2次補正予算の早期編成のめどをつける」ことなどを盛り込んだ首相との確認事項は、辞任の条件ではないとする岡田克也幹事長の見解について国会内で記者団に聞かれ、「うそだ。人間、うそをついてはいけない」と不快感を示していた。
首相は3日午後の参院予算委員会で、自民党の山本一太参院政審会長からこうした食い違いをただされ、「私の認識は岡田さんの認識と一緒だ」と語った。首相によると、会談には岡田幹事長、平野博文元官房長官も同席していたという。
大量造反回避
内閣不信任決議案への大量造反回避につながった2日昼の代議士会での首相の「退陣表明」は、いったんは不信任案に賛成する意向を固めていた多くの議員が反対に転じるきっかけになった。賛成票を入れたのは小沢一郎元代表側近の松木謙公氏と既に離党表明していた横粂勝仁氏の2人だけとなり、同党は2日夜、両氏の除籍(除名)処分を決めた。
鳩山前首相は「復興基本法案は来週にもあがる。2次補正は6月いっぱいぐらいに中身が決まるめどが立つ」と6月末には退陣の環境が整うとの見方を示している。原口一博前総務相も3日朝、テレビ朝日の番組「スーパーモーニング」に出演し、「一定の時期というのは2カ月も3カ月も先ではない。首相が退陣表明をするというのはそれだけ重いことだ」と鳩山氏に同調した。
冷温停止
これに対し、首相は2日深夜の会見で「原子力事故をステップ2の冷温停止、そして放射性物質がほぼ出なくなるところまで持っていくために全力を挙げ る、一刻も早い実現を目指すのは当然の私の責任だと思っている」とも発言し、早期退陣に否定的な見解さえ示した。
東電は4月に発表した福島第一原発事故収束のための工程表で、原発を「冷温停止」状態に移行させる目標の達成時期を「6-9カ月」としており、仮にそれまで首相が続投し続ければ退陣は年明けにずれ込む可能性すらある。
枝野幸男官 房長官は3日午前の閣議後会見で、首相、岡田氏と鳩山氏との認識の違いについて「それぞれの認識にギャップがあったことは大変残念なことだと思っている」 と釈明したが、首相がいつ退陣するかについては「首相の専権事項だ。いかに官房長官といえども、それについて首相に代わって何か物を言う立場ではない」と コメントを避けた。
問責決議
これに対し、自民党の山本参院政審会長は3日午後の参院予算委員会で、首相の一連の言動について「退陣表明を破って居座るというなら参院であなたを倒 すしかない。政審会長としての私見だが、6月末ぐらいにあなたに問責を突きつけるチャンスが必ずやってくると思っている」と述べ、今月末にも野党が多数派 を占める参院に首相に対する問責決議案を提出する考えを示した。
首相は2日の代議士会で、「大震災に取り組む、このことが一定のめどがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろいろな責任を引き継いでほしい」と言明。その上で、「この大震災、原発事故に対して一定のめどがつくまで是非とも私にその責任を果たさせてほしい」と訴えていた。
菅首相の退陣時期で深まる混迷-「ペテン師まがい」と鳩山氏は反発 より
震災復興のメドは立たないは、
通年国会を宣言して
最低でも年内は首相の座に留まることを画策している
ペテン師に騙されるなんて、
本当に伝書鳩として役立たずだ。
どうせ、
なんでもかんでも先送りにして、
世界からも(TPPやらなんやら、かんやらの枠組みとか同盟国とかから)
相手にされなくなるだけだ。
ペテン師の鈍管が首相でいる限り
本当に日本は終わりになるだろう。