自転車ブーム落とし穴 県内事故10年で1・4倍(神戸新聞) - goo ニュース
たぶん「自転車は歩行者と同等」という意識が自転車乗りの頭の中にあるんじゃないかなぁと思います。だからこそ「危なければすぐ止まれる」「ちょっとぶつかっても危なくない」という意識が芽生えてしまい、「本当に危ない時」に大惨事になってしまうのだと思います。
この意識は、ソフト的にもハード的にも問題を引き起こしていると思います。
まずソフト的な問題として、小学生などを対象に行われる交通教室できちんと「自転車は車」ということが教えられていないことが挙げられます。そりゃそうだ、教えてる大人が「自転車は車」だと思ってないんだから。ここの指導員の意識を変えることで、将来交通の主役になる子供たちにきちんと正しいことを教えられるようになることが期待されます。
次にハード的な問題として、自転車は法制上はれっきとした車ですが、残念ながら実際の交通上は歩行者と一緒くたに扱われることの方が多いように思います。「自転車通行可」の歩道然り、自転車逆走OKの一方通行路然り。しかし、自転車は条件のよい道では時速20~30kmぐらいは一般人でも出せる乗り物であり、歩行者に対しては明らかに交通強者であるといえます。ただし、自動車に対しては交通弱者であることもたしかでしょう。
そこで、自転車道を整備して歩行者からも自動車からも自転車を分離すれば、現状のような自転車対歩行者、自動車対自転車の事故は激減すると考えられます。それも、現在一部の区間で整備されている「歩道の一部を分離した形」の自転車道ではなく、あくまで車道の一種としての構造を持つ自転車道の整備が望まれます。
こうして歩道でも自動車道でもない自転車道が整備されることでメリットが生まれます。たとえばセグウェイや、トヨタのコンセプトモデルのi-Realといったような車は現在の法制度では車検がとれないため公道を走れません。車検がとれないのは、「車」として車道に放つには危険だからです。ではこれらを実際の交通の場に登場させるにはどうしたらいいか。これらの車両の特徴は、やはり「歩行者よりは強く、自動車よりは弱い」といったところになるかと思います。すなわち自転車と一緒。つまり、自転車道を整備することで、「歩行者より強く、自動車より弱い」車両を専用道に隔離できることになり、現在法律で認められていないこれらの車を現場に出すことが可能になると思われます。
現在の「エコ」の潮流の中で、この先どんな車が出てくるかわかりません。現在の「車か歩行者か」ではなく、第三のモードとして「自転車とその仲間」というものをきちんと定義することで、柔軟な交通体系が実現するものと思います。