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倒産回避コンサルタントからの救命ロープ

倒産回避コンサルタント・中逵努のブログです。
恩師村松謙一弁護士ご本人のブログではないことを予めご了解ください。

ターンアラウンド マネージャー 5

2006年02月07日 | 企業再建について
倒産回避・企業再生にとって現場の徹底的な検証は
経営者が考える以上に重要です。
資金繰り管理と並び再生に必要な両輪である
本業の収益力回復のためには
緻密で徹底した検証作業が不可欠なのです。

財務諸表に現れる数字の帳尻合わせだけで倒産回避や
再生が実現しないのは当然ですが、たとえファンドや
サービサーを利用して借入金を減らせたとしても、
抜本的解決が実現したとは私は思いません。

何故なら、ある時点でたとえ固めの事業計画に基づいて
作成された再生スキーム実行後の債務償還がスタートしても
システム上の問題や社内に潜む大きな無駄にメスが
入れられていなければ再度経営危機に直面する
可能性が高いのです。
利益確保のために経費削減なども必要で有効ですが、
経営危機に陥るまでにほとんどの経費削減は終了しているはずです。
必死になって確保した利益が隠れた無駄によって
帳消しになっている事実を中小零細企業のみなさんに
気づいていただきたいのです。

かつての私自身を振り返っても見事に当てはまるのですが、
中小零細企業経営者の皆さんだけでなく
従業員の方々の普段の何気ない動きの中に
大きな無駄が潜んでいるのです。
世界中の大企業でさえトヨタのカンバン方式を
今なお研究しているように、隠れた人件費の無駄を
排除することが必要なのです。
わかりやすい具体例を挙げると、
事務所から少し離れた場所に倉庫があるとします。
たった車で5分の距離です。
ある商品を1ケースだけ倉庫に取りに行くために車を使用して、
その上、倉庫のスタッフと世間話を15分したとしたら、
1ケースのためにどれだけの経費が掛かってしまうのでしょうか。
その経費こそが大きな隠れた無駄なのです。

財務面は当然として、本業のSWOT分析(強み・弱み分析)
などの教科書的な分析だけでは不十分なのです。
私の担当している案件では、特にこの隠れた無駄にまで
メスを入れて再生プランを練ることを常に心がけています。
この隠れた無駄に経営者の方だけでなく、
スタッフも含めたすべての人に気づいてもらい
その無駄を改善できる仕組みができれば、
業績は一気に改善します。
現場の中で担当先の皆さんと悪戦苦闘しながら、
その無駄が排除できたときの喜びを
他の中小零細企業の皆さんに味わっていただきたく思っています。

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