倒産回避コンサルタントからの救命ロープ

倒産回避コンサルタント・中逵努のブログです。
恩師村松謙一弁護士ご本人のブログではないことを予めご了解ください。

手形不渡り回避方法

2012年04月20日 | 企業再建について
本ブログのアクセス解析を見ると、来訪していただくキーワードで最近急増しているのが、
「手形不渡り回避」や「不渡り回避」という手形不渡りに関する検索ワードです。

そこで今回は、手形不渡りの回避方法について、過去実際にあった事例のひとつを
ご紹介したいと思います。

最初に断っておきますが、手形不渡りに関する対応方法については、いくつもの
方法がある上に、当該企業の与信能力や業種、取り巻く経営環境、取引先との信頼関係など
数多くの要因によって適切な対応方針が異なりますので、手形不渡りの不安や可能性を抱えて
毎月資金繰りに奔走されておられる方で、倒産回避専門家のアドバイスをお聞きになりたい方は
是非一度メールにてご相談ください。(初回相談は無料です)

相談メール受付アドレス: consul-n@goo.jp


支払手形で仕入決済している場合、売上の低下や販売先の倒産などにより不測の事態が発生した
ことで、突然資金繰り計画が狂い支払手形の決済ができない状況に陥ってしまった場合どうすれば
良いでしょうか?

経営者が想定する一般的な対処方法の順序として、
①銀行から緊急融資を受ける
②倒産防止共済などから緊急融資を受ける
③他の支払いを止めて手形決済資金を確保する
④役員報酬・給料を遅延して手形決済資金を確保する
⑤手形の書き換え(手形ジャンプ)を支払先に要請する
⑥サラ金や商工ローンを利用する
⑦親戚・友人から借入する

が考えられます。

目前の手形決済を何とか乗り切るために一度無理な資金繰りをしてしまうと、1回の無理に端を発して
いわゆる自転車操業という資金繰りの綱渡りが始まり、その対応に追われるあまり社内・社外に
軋轢が生じ始め、経営基盤の足元が崩れ始めるという負の連鎖に陥ってしまいます。

このような負の連鎖に陥ってしまい、いよいよ手形決済の目途が立たなくなってしまった場合、
このような事態に陥ってしまった会社の倒産回避もしくは再建は、かつての私の実体験にあるように
残念ながら一般的な顧問税理士・顧問弁護士では対応できず、「もはや倒産するしかありません」や、
せいぜい「民事再生を裁判所に申立てましょう」とのアドバイスを受けるのが精一杯だと思います。

このような事態に陥った企業の再生・再建には、実務経験豊富な倒産回避の専門家でないと
残念ながら有効なアドバイスや対応ができません。

特に中小零細企業の場合は、大企業と違い、経営危機に陥り誤った対応をしてしまうと取引先からの信用を
一気に失ってしまい、一度毀損した信用はその後の経営の致命傷となりかねず、民事再生という法的再生を
図ったとしても、その後破産手続きに移行するケースが実は後を絶ちません。

大企業の再生・再建よりも、実は、中小零細企業の倒産回避・再生再建ほど正しい対応を要求されるという
理由がそこにあります。中小零細企業には法的再生ではなく、私的再生が適していると言われる所以です。

前置きが長くなりましたが、私がターンアラウンド業務(再生請負業務)として実際に関与した事例を
簡単にご紹介します。

その会社は、先ほど説明したような負の連鎖に私とご縁のある2年前から陥っており、毎月資金繰りが
当然綱渡り状態で、取引先からも経営危機が声高にささやかれ、社員の離散も始まり、取引銀行も
実質経営破たんの評価を下している会社でした。

実際、私が社長と共にメインバンクの取引支店にご挨拶に寄せていただいた際、支店長からこの会社の
再生・再建は無理だと考えていますので、お手並み拝見させてくださいと嫌味半分で言われたものです。
(その後、その会社の再生再建の過程を見ていただく中で、その支店長との信頼関係は強固に変化して
行き、会社再生の応援団になっていただけました。)

資金繰りの正常化対策をはじめとして、再生・再建業務が進み始めていたある日、経理部長より焦った声で
電話が入り、有力顧客の一社が倒産し、来月以降の資金繰りの目途が全く立たなくなったとの緊急連絡が入りました。

営業強化の一環で営業部長と取引先訪問をしていた私は急いで会社に戻り、経理部長、社長を交えて
緊急会議を行いました。

銀行返済を一時全面凍結し、可能な限り支払をやりくりしても、来月の支払手形の決済資金があと数千万円不足
しています。不足額を資金調達できる目途は一切ありません。

手形のジャンプを友好仕入先に要請しましたが、すべて断られてしまいました。

ほとんどの場合、このような事態に陥ってしまった場合、手形不渡り、倒産もしくは法的再生(民事再生の
申立)になってしまいますが、そうなれば仕入が全面ストップしてしまい、事業継続が事実上極めて困難に
なってしまいます。

このような状況こそ、倒産回避専門家の腕の見せ所です。

社長、仕入部長、経理担当者に取引歴の長い、もしくは特に友好関係にある仕入先企業をリストアップしてもらい
すぐに社長と一緒にそれらの会社を回ることにしました。

目的は、再度手形ジャンプの要請です。

案の定、再度手形ジャンプを要請しても、回答は協力できないでした。

厳密に言うと、協力したくても自社の資金繰り事情から協力できないという判断です。

現在の厳しい経済環境の中では、資金繰りに余裕のある中小零細企業はほとんどないと断言できるほど、
経営状況が厳しく、それらの仕入先企業も同様の厳しい資金繰り状況ゆえ、協力したくてもできないと
いうのが本心でした。

しかし反面、仕入先にとってもこの会社は主要販売先のひとつであり、会社が倒産もしくは法的再生に
なってしまうと連鎖倒産の危険性が一気に高まってしまいます。

そのふたつの命題をクリアするために私が仕入先企業の社長に行った提案は、仕入先企業のメインバンクに
行って銀行への返済一時全面凍結もしくは返済額低減交渉をお願いしに行きましょうとのことでした。

つまり、今の状況では、私の関与している会社の資金繰りが立ち行かなくなってしまう → 仕入先企業への
支払手形が不渡りになり、仕入先企業も連鎖倒産してしまう。

中小零細企業同士の取引関係は、大企業のような主従型関係ではなく、運命共同体的な相互依存の
共存共栄型関係が多いのです。だからこそ、たとえば本来会社を支えるはずの顧問弁護士や顧問税理士が
再生再建の専門家でない場合、説得力不足、責任問題、利益相反問題などの理由で両社の間に立って
金融機関を説得することができず、中小零細企業の再生再建に真に必要な施策が打てず両社共倒れ
というケースがとても多いのです。

幸いにして、仕入先企業の社長も理解を示していただき、両社分の資金繰り計画と事業計画を
緊急で作成し仕入先企業のメインバンクに同行し協力要請したところ、仕入先企業のメインバンク
からも協力を得ることができ、その結果無事両社の資金繰りがつながり、両社倒産の危機を脱することが
できました。

その後両社の信頼関係はより一層強固なものとなっただけでなく、仕入先企業に対するメインバンク
からの評価も高くなり、新規資金調達による事業規模拡大で業績回復しているのは嬉しい限りです。

災い転じて福となる ━ 恩師村松謙一弁護士から教えていただき、常に私が大切にしている言葉です。

どんなに苦しい状況になっていても、専門家から見ればまだまだ活路はあるものです。
諦めなければ必ず道は開けるので、どんな些細な問題でも、お気軽にご相談ください。
(初回メール相談は無料です。)

相談メール受付アドレス: consul-n@goo.jp






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活基盤を守る

2012年04月17日 | 企業再建について
ほとんどの中小零細企業経営者にとって、会社とは経営者ご自身の生活基盤そのものです。

これまで私がアドバイスを差し上げて、大復活された会社のみならず、厳しいながらも粘り強く
事業を守っておられる会社のすべてが、私とご縁がある前は、顧問弁護士や顧問税理士などの
専門家から、もはや不渡りは回避できない、倒産するしかないと匙を投げられ絶望の淵に
立たされていた方々でした。

会社が生活基盤そのものである中小零細企業経営者およびそのご家族にとって、顧問の先生から
匙を投げられるというのは、ある意味死刑宣告を受けるのと同じくらいの絶望的なショックを
受けるものです。

仕事信条として私が特に大切にしているのが、ご縁のあった案件に対して、再生再建の専門家として
客観的な判断・アドバイスは当然とする一方で、決して他人事の話ではなく、自分自身が
この会社の経営者なら当事者としてどのような経営判断、行動が適切であるのか、これまでの
豊富な再生事例・倒産回避経験から最適な組み合わせ・手順を提案・実行するだけでなく、
何があってもどんな状況に置かれても経営者のご家族の生活を守るということです。

例えば、経営者の急死で突然経営が傾いた会社があれば、その会社の再生再建のみならず、
残されたご家族が安心して生活できる生活基盤を確保するスキームを即時提案実行して
実現します。生活を守るということは、一番大切な生命を守ることだからです。

再生計画を立案・提案・モニタリングするだけの再生コンサルタントは数多く存在しますが、
実際の現場で陣頭指揮を実行もしくは実行支援したターンアラオウンド実務経験を有する
私のような中小零細企業の再生・再建に特化した専門家はほとんどいないと思います。

さらに、現在の日々厳しさを増す中小零細企業を取り巻く経済状況において、企業を再生・再建
するのに本当に必要な要素が何なのかの命題に対して明確な回答が無ければ、困窮する企業
(特に中小零細企業)に対する真の再生・再建へのアドバイスは絵に描いた餅にしかすぎないと
私は考えています。

コストカット・リストラは遥か以前に限界に達し、これ以上利益の捻出できない状況の中での
電気料金の値上げ・ガソリン価格の高騰・消費税増税の動き・・・経営を数字上の理屈ではなく、
経営実態を肌感覚で理解した上で、収益向上に向けた具体的な方向性を提示できなければ、
これからの厳しい経済環境の荒波を乗り越える道先案内は決してできません。

すべての経営責任を一身に背負ってらっしゃる中小零細企業経営者の皆様の多くにとっては、
刻々と悪化する経営環境に明るい将来展望を見いだせず、どのように対処すれば良いのかわからず
答えの出ない苦しみに苦悩され続けている方にこそ、根本的田問題点を指摘・改善するだけでなく、
新たな収益源の創造・確保にまで踏み込んだ真に有効なアドバイスを差し上げることで、
先の見えない暗闇から脱出していただける道先案内ができればと願っています。

どんな業種であっても、既存の経営方法では、ほとんどの企業がすでに収益限界に達していると考えられます。
しかし、考え方を変えれば、新たな付加価値が生まれ、新たな需要が待ち受けているものです。

苦しい経営状況の中で、心身ともにクタクタの状況では、中々有効な手立てが見つからないものですし、
既存の延長での経営では、金融機関の協力や追加支援を得るのも困難だと思います。

経営者の皆さんが見落とされている経営資源に、新たな視線でのアプローチ、異業種とのコラボレーション
などのスパイスをふりかけることで新たな付加価値を創造し、新たな需要を掘り起こすことで収益回復を
図る手法が、これからの時代に求められる再生・再建の目指すべく方向だと私は信じています。

ご縁のあった方の生活確保を最優先で考えながら、再生・再建を全力でサポートさせていただければと
思います。

どんな些細なことでも、メールにてお気軽にご相談ください。(初回相談は無料です)
相談メールはこちらまで  consul-n@goo.jp





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

頑張れ中小企業!!

2012年04月03日 | 企業再建について
3月末でターンアラウンド業務の案件を無事に終え、今後不定期ながらブログを更新させていただきます。

企業の中から経営改善に携わるターンアラウンド業務は、毎日が真剣勝負で、社長はもとより
社員の皆さんと一緒に会社再生という共通目標に向けて、一緒に汗を流す本当にやりがいのある仕事です。
当初はバラバラだった社員の気持ちが徐々にひとつになり、社員のやる気とともに会社が復活していく姿は、
まさに真実のドラマであり、経営危機を克服した会社は「禍転じて福となる」素晴らしい会社へと
変貌を遂げます。

これまで私が倒産回避に携わってきた会社の社長、社員の皆様のみならず、ご協力いただいたお取引先の方々とも、
言わば「倒産という悪魔」と戦った戦友であり、その方たちから末永くお付き合いいただけているのが私の何よりもの
勲章だと思っています。

日本を代表するコンサルティング会社で倒産に瀕した会社の再生業務専門に従事したのち、ターンアラウンド業務へ
特化した倒産回避業務を通じて中小企業の置かれた厳しい状況を身を以て感じる中で、日本の将来のためには中小企業こそ
何としても守らなければならないとの思いがより強くなりました。

倒産回避の専門家に転身する前に自ら会社経営をしていたからこそ理解できる中小企業の抱える苦悩や悩みを、
ご縁のあった方々と共有し、倒産回避・会社再建を果たしていただけるよう、これからも全力を尽くしたいと思います。

今まで、多くの著名な経営者の方々ともお会いさせていただき、素晴らしいヒントを教えていただいた中で、私が
大きな感銘を受けたブックオフ創業者の坂本孝氏の話を今回ご紹介させていただきたいと思います。

私が坂本氏とお会いさせていただいた時には、ブックオフはすでに上場企業として大きな脚光を浴びている時期でしたが、
良い意味で上場企業の社長とは決して思えない謙虚で物腰の柔らかな口調から発せられる言葉のひとつひとつに
深い感銘を受けました。

特に印象的だったのは、上場企業になって各方面の方々からご評価をいただけることが多くなりましたが、自分には
どんな人でも育てれる以外何も自信がありませんという彼の言葉だった。

今でこそ、ブックオフは上場企業になりましたが、創業当時を考えてみてください。

中小企業どころか零細企業とも言えない個人事業、それも廃品回収屋でしたから、人材確保が大変でした。

人材を選ぶどころか来てくれる人を育てるしかなかった。

来てくれる人は、コンビニのアルバイト面接に不合格のような人たちばかり。

その上当時は、仕事もきつければお金もない。

仕事を終えてから居酒屋に連れて行ってあげることもできない。

でも、君たちが手伝ってくれるからこそ仕事ができるという感謝の気持ちを坂本氏は強く持ち続けていた。

坂本氏は、ときどき仕事を終えてから、酒とつまみを買って駅までの道のりにある公園で彼らを誘い
お互いの夢を語り合った。

夢を語り合うほどに、彼らの瞳の奥の炎が燃え上がり、彼らが本気になってから業績は急上昇し始めた。


この話は、決してブックオフだけの話ではないと思いませんか?
実際私がターンアラウンド業務で携わった会社の多くが、従業員のモチベーションが復活して業績を
回復しています。

倒産の危機に瀕した中小企業、零細企業を本気で全力で守りたい。

どんなことでも遠慮なくご相談ください。
相談メールは  consul-n@goo.jp

中小零細企業の経営者についての坂本氏の言葉です。
http://www.enjyuku.com/k/kp19.htm

1990年、新型の中古本販売のフランチャイズチェーン1号店を相模原市に開設。
1991年、ブックオフコーポレーションを設立、社長に就任した。

 坂本氏はこう語る。

 「若いうちは、しびれるような経験をしなさい。
  そして、成長したければ、社長になりなさい。」

 「それは社長という立場が、人を一番成長させるポジションだからです。
  会社が潰れた場合、全責任をとるのは社長だけです。だから責任の
  重みが他の社員とは違います。

 中小企業の社長を見れば分かると思うんですが、社長は会社の保証
 人になったりして必ずリスクを負っています。リスクを負っている社長は、
  他の社員とはモノの見方が違うんです。

 生きるか死ぬかの問題だから、必死になって先を読もうとする。
  だから中小企業の社長は、みんな天才ですよ(笑)。私が言う天才とは、
  人一倍努力をするということです。」

 「失敗を恐れずになんでもチャレンジすることです。七転び八起きの
  精神で、失敗して転んでも、もう一度起きあがればいい。だから色
  々とチャレンジをして失敗経験を積むことです。
  失敗をした時は人間が一番成長する時です。」

中小零細企業こそ、日本に絶対必要なのです。

どんなことでもお気軽にご相談ください。
相談メールは  consul-n@goo.jp





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする