いつも御世話になっております、冬月です。
本日、かねてより私が執筆してきた小説『北洋戦記――明日への翼――』の弊サイトでの先行公開が、おかげさまでようやく実現しました。
この小説は、SRPGクリエイターである私の友人・神鏡学斗が主催するAngelical Distortion Shared World Database Bank(AD.Bank)参加による共有世界観の提供を受けた作品です。
AD.Bankについては、これまで始動に向けて長い間水面下で調整が行われてきました。
概要と進行状況については、こちらの紹介ページをご覧になって下さい。
http://www.lemon-slice.net/ADbank/
主旨について簡単に説明すると、神鏡が発表してきたゲーム作品群において物語のコア世界観となっている機械魔法文明を、AD.Bankに集まった参加者達で共有世界観とし、そこを起点にゲームや小説などマルチな創作活動を派生させようというものです。
その過程で生まれる参加者達の自由世界観も共有対象としてAD.Bankに還元されるスキームで、軌道に乗ればとても大きな創作の輪ができていくと考えています。
身近な例を1つあげると、『機動戦士ガンダム』の1年戦争の世界観が、初期アニメ以外にアニメ・漫画・小説・ゲームなどの多様なサイドストーリーを生み相互に影響し合っていますよね。
あれに近いものをやりたいというわけです。
このたび、私の作品が本企画の小説部門の第1号となれる事は何よりの名誉です。
この小説『北洋戦記――明日への翼――』は、北洋という架空の海を舞台にした、魔法機械で空を飛ぶ少女達の物語です。
それだけだと今時ありがちなフィクションに聞こえる事と思います。
しかし、私はこの作品に、自分がこれまで読者視聴者として、あるいは自分自身の人生の中で疑問に思ったこととを込めました。
もしも読んで頂けたなら、くどいくらいに問いかけられたメッセージに気付いて頂けるかもしれません。
使命とは、何か。戦うとは、何か。
希望をもって生きようとすることが、どうして大切なのか。
登場人物達はそれぞれの過去や立場から、悩み、戸惑い、不器用にときにつまずきながらも、一所懸命に生きています。
恐縮ながら私個人の話をすると、このわずか4章だての短編を書くのに、構想にかかった時間も合わせると10ヶ月も費やしました。
私はそれまで家業の手伝いしかしていなかったのが、今年の4月に一般企業に就職して以来、お恥ずかしい話ですが仕事に精一杯の毎日でした。
私の勤める会社はありがたくもこの不景気でも多忙な異例の業種で、平日のほとんどは終電間際まで帰れず、繁忙期には休日も出勤するような状態です。
ひ弱な私には少々荷が重かったのかもしれません。正直なところ、心身の限界を感じ挫けそうになった事、仕事の中で行き詰りかけた事は何度もあります。
それが、負けずに何事も勉強と頑張れた、それにこうして創作活動とも両立でき、年内にこの作品を完結させられたのは、応援して下さった皆様、支えてくれた家族、友人のおかげです。
深く感謝しています。
私が頑張れたのは、この水銀党本部のテーマであるローゼンメイデンとも無関係ではありません。
辛い時、「生きることは戦うこと」という真紅のあのフレーズが、めぐのためにアリスゲームをしている事を決して誰にも話さなかった水銀燈のあの気高い後ろ姿が脳裏をよぎり、私を奮い立たせてくれました。
平成22年、私も一所懸命頑張って生きます。
拙い作品ですが、是非読んで下さい。
宜しくお願い申し上げます。
平成21年12月31日 冬月
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