筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

山中ヒコ「王子と小鳥」&「涙三滴薔薇の花びら」

2010年02月01日 | 本・漫画・音楽


「王子と小鳥」
貧乏美大生・鈴木圭一が目覚めると、そこは砂漠の国のオークション会場だった。借金のカタに奴隷として出品された彼が、強欲な第一王子の手に落ちようとしたその時、その弟であるハーリド第二王子によって買い上げられる。ハーリドの奴隷となった鈴木は日々逃亡を企てるが、王子の優しさに少しずつ惹かれはじめ…。表題作他、心の欠けた大人と、彼に買われた少年の恋を描く「淋しさの値段」を収録。苦悩しながらも真実の愛を手に入れる恋人たちのドラマチックコミックス!! 王子と鈴木の後日談描き下ろし付き 

ヒコさんのコミックを紹介するのはこれで2回目。
前回の「丸角屋の嫁取り」は設定江戸時代という純和風でしたが、
「王子と小鳥」はアラブ系です。

アラブといえば「拉致監禁」「奴隷市」「ハーレム」「ゴーカン」「チョーキョー」えっ、そこまでいかない?
他のアラブ系を読んだことがないので詳しくはないのですが、たぶんそんな感じのお話が多いのでは?
(リアルアラブに失礼なくらいBLアラブは偏見に満ちていますよね)

で「王子と小鳥」はある意味その期待(?)を裏切るほど優しく、切ないラブストーリーです。
こんなに切ないけどさわやかでセンシティブなアラブ系は読んだことがないというくらい!
(アラブ系、読んでないくせに断言!)
とにかくハーリド王子が好青年なんです!!
もの静かで、寡黙で、ストイックで、思慮深くて、思いやりがあって、頭が良くて、ついでに黒髪で、これでもかってくらい理想の王子さまです。←わたしにとって
でもちょっとズレてます、あのスズキを「ヤマトナデシコ」だと思っているところあたり。
(それとも「大和撫子」の解釈が根本的に違うのか?)
そんなところも、こんなところも、全部かわい~です!!ツボです!!
久しぶりに胸きゅんのお話でした。

「涙三薔薇の花びら」は「王子と小鳥」の後日談です。
王子が日本に帰したスズキに会いに行くまでの経過を、侍従ハッサンの目を通して描かれています。
こちらも胸きゅん!です。
分ごと、秒ごとに、2人の再会に近づく描写に涙ウルウル……。
すっごく淡々と描かれているんですけどね、それが余計にきゅんときます。
あまりの感動に抱きしめて寝ようかと思ったくらい。
この「涙三滴」のラストが「王子と小鳥」のラストのコマに続く……のかな?
(でも王子、着ているものが違うし)

冬コミで発売されたものをオークションで落しました。
今月、委託販売が再開されるみたいなんですけど、待ち切れず買っちゃいました。
アホだなあ~と思ってます。



ちなみにこちらが「王子と小鳥」のコミック表紙です。
なんでしょ、このBLコミックとは思えないセンスの良い表紙!!
ああ、ヒコさん、好きだわぁ~。



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2 コメント

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アホなんかじゃないっ! (yori)
2010-02-02 17:34:56
それがオタクというものですもの(笑)

無事にゲット出来て良かったですね!!委託とはいっても何時何処で販売するのかわからない情報でしたから、オクで正解だと思いますよ~。
「王子と小鳥」は職場のバイトちゃんも絶賛していました。私も読み返す程に味が出てきて好きになります。ヒコさんの漫画って感情の爆発がすごーく静かですよね。その魅せ方がとても素敵だと思います。
アラブのイメージはまさしくです(私も全然読んだことないのですが)!それにプラス「媚薬」とか?王子が俺様キャラじゃないところがグッときますよね♪

前の記事の話になってしまうのですが、えすとえむさん読まれたのですね!というのも、私、この人が1冊目のコミック(「ショー」)を出した時から気になっていて、でも今までずーっと手を出せずにいた人なのです。だって、絵柄があまりに個性的だから…お話がついてきていないのでは?と思っていたのですよ。でもcochiさんの感想読んで手を出すことにしました!
えすとえむさんの絵柄がOKだったら、bassoはどうですか?「クマとインテリ」なんてオススメです。「オノナツメ」名義で描いている「さらい屋 五葉」(青年漫画)も好きそうかも。

確かに青年漫画って、少女漫画に比べて格段に「原作付き」が多い印象です。人の感情の機微を描いた漫画よりも、アクションやミステリーなどのエンタメ系作品に「原作付き」は多いような気がしますね。作家一人だと生み出せるものに限界があるのかも。奇抜で個性的な設定ありきの青年漫画は二番煎じがすぐバレますから。

あれれ?cochiさんて普通に青年漫画も読んでいるイメージだったのに、そんなことはなかったのですね。「SAMON」は私も気になっていました(笑)旦那に買わせよう~

すみません、久々だから長くなってしまった!

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yoriさん (cochineal)
2010-02-03 11:06:34
委託販売でゲットできなかったら、涙三滴じゃすまないですから!!意を決して落しにいきました!!

えすとえむさんのはひさびさのヒットでした。他のコミックも読んでみようかと思ってます。今度お会いする時に持っていきますよ。(なんかすっごく重い荷物になりそうですね~、お互い)

Bassoさん読んだことあります。もっと個性的でアクの強い方ですよね。キャラの性格が萌えなかったかな。(寡黙で知的な王子さま系が好き)
「オノナツメ」さん、聞いたことあります(まだ読んだことはありませんが)。へえ、同一人物なんだ。それはおもしろそうですね。

青年漫画家さんって、完全に「仕事」として割り切ってますよね。それに比べて少女漫画家って、趣味の延長で描いているようなところがあるような気がします。プロで、仕事だけど、趣味の部分も大事にしている、みたいな?
「SAMON」はちょっと笑えますよ(し、失礼な)。原作も柳生三兄弟+親子+家光の苦悩と確執が書かれていて面白かったです。同性愛に対しての妙な解説もなかったです(笑)。
cochi家には青年雑誌一つもありません。うちではダンナが漫画いっさい読みませんからね~、つまらないヤツです。
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