学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)による獣医学部の新設をめぐり、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(大学設置審)の専門委員会が2日に開かれ、開設をおおむね了承したことが分かった。10日にも大学設置審全体として、開設を認める答申を林芳正文科相にする見通し。首相官邸の関与や行政の手続きをめぐって不透明さを残したまま、獣医学部は来年4月の開学が可能になる。

 開設が認められる方向となったのは、加計学園が運営する岡山理科大の獣医学部(愛媛県今治市)。学園理事長の加計孝太郎氏は安倍晋三首相の友人として知られる。獣医学部新設は1966年の北里大以来、52年ぶりとなる。

「中略」

 文科省には、特区が認められる過程で内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと伝えられたとする文書が残っている。また、前川喜平・前文科事務次官は「首相補佐官から獣医学部の新設を求められた」という趣旨の証言をしている。一方、安倍首相は国会で「加計学園から私に相談があったことや圧力が働いたということは一切ない」などと答弁を繰り返し、関与を否定している。