鳴り止まぬ銃声、顔隠して脱出…生存者が緊迫の襲撃証言 アルジェリア人質事件(産経新聞) - goo ニュース
アルジェリア人質事件で事件に巻き込まれ、無事だった日本人駐在員の証言から、襲撃時の生々しい様子が少しずつ分かってきた。日揮の遠藤毅広報・IR部長が25日午前の記者会見で明らかにした。
「ステイ・ルーム!」。16日午前5時40分ごろ(現地時間)、イナメナスのプラントの近くにあった宿舎の自室にいた男性駐在員は、サイレンが鳴り響いた直後に、マレーシア人の同僚がそう叫ぶのを耳にしたという。イスラム過激派武装勢力が天然ガス関連施設を襲撃した瞬間だった。
「何か起きたと思った」。男性駐在員がただならぬ雰囲気に異変を察知してまもなく、銃声が聞こえてきた。午前6時半から8時ごろ、近くの部屋で「オープン・ザ・ドア!」という声と銃声が聞こえたが、男性駐在員は息を潜め自室にとどまり続けた。
約1時間後、上空を飛来するヘリコプターの音が聞こえ、「助けに来た軍隊が到着した」と思った。だが、この日、銃声が鳴り止むことはなかった。
そのまま一夜を明かし、翌17日午前9時45分ごろ、自室の小窓から外をのぞき見ると、日揮のアルジェリア人スタッフの姿が見えた。男性駐在員が話しかけたところ、セキュリティーを担当する現地スタッフから「安全確認しているから、ノックがあるまで部屋で待て」と言われたという。
部屋のドアをノックする音が聞こえ外に出ると、「必要最低限の荷物を持ち、頭にターバンを巻け」と指導された。
他の現地スタッフからは「ネックウオーマーで顔を隠せ」と言われ、現地スタッフが駐在員を取り囲みながら宿舎の外に出た。
下請け会社のキャンプに向かい、部屋の中に入り、食料と水にありつけた。その後、警察の車でアルジェリア軍のキャンプに避難した。その間も、外では武装勢力が攻撃している様子が見えた。午後3時ごろ、同僚の日本人駐在者が車に乗っているのを見つけ、ともにイナメナスの警察署に移動。日本にいる自分の家族に無事を連絡した。
この事件で亡くなられた方、ご遺族に哀悼の意を表します。
毅然とした態度でテロリストには立ち向かわなければならないとはいえ、犠牲は大き過ぎだと思いますが…。