わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

飛べ! アルバトロスくん

2013-09-16 10:10:19 | べりーずりーふ
次男の引っ越し以来、片付けに追われています。
なにしろ、趣味も家族も煩悩も多いので、家の中にはさまざまなものがひしめいています。
PCのデフラグも、空きが20%を切るとできなくなるように
あまりにも濃密な環境では、整理もままなりません。
だって、全体が見通せないんだもん。

そうなるともう、あらゆる隅に、ものがかくれていく。
最初は裏通り、しだいにはみだして目抜き通り、
ついには逆転、他をかくすところまでいっちゃうの。

で、ここ数年、わが家は管理不能状態でした。

いちばん処分しづらいのは、なんといっても思い出にかかわるものです。
そして、本。
これのいない部屋は風呂と洗面所とキッチンだけ。
犯人は主に家主だけど、残念なことに無罪の住人は一人もいない。
今回の引っ越しと模様替えにあたって、めいめいがまず買い整えたのが本棚でしたよ。

ともあれ、一か月にわたる努力のすえ、部屋に窓がよみがえってまいりました。
今夏の日中ずっとエアコンなしの作業だったって、同情してくださるかしら。
なにしろ修理したくても、窓にたどりつけなかったんです。

北向きの部屋ですが、窓が三箇所あると ひかりが溢れます。
巣立ちはさびしいですが、風と光が通るのはうれしい。
本の背表紙を眺めながら くつろいだり、
アルバムや古いおもちゃも 手にとってみられます。


「今度から○○ちゃんの部屋、なんて呼ぼうか」

そういうところ無頓着な家人が、即 「ウシトラ部屋」などと返事します。
いやいや。

「なんか、部屋のヌシをきめればいいんじゃね?」と娘。

けど、木彫りの関羽さんは丑寅守護で手いっぱいだし。

そうだっ。

アルバトロスくんのことを思い出して、懸命に捜索しました。
お店でひとめぼれし、ディスプレイからはずしてもらって以来、
おそらを飛んでいない不憫なこです。



たしか、ドイツの玩具と記憶しています。
Tデパートのイベントにも参加したはず。
オーラがあるよね。

吹き抜けの空間に悠然と飛ばしてあげたいな。
でも、低空飛行なら ちっちゃいこだって 手が届く。
(おなかから下がっているぼんぼんをひっぱると、つばさがはばたきます)

十数年ぶり めでたく羽搏いたアルバトロス君。
離陸に手間取ったにいちゃんずを、見守っておくれ。


そう、ここは
アルちゃんのおへや。だよ。




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