わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

「野薔薇」、無事終了しました。

2015-05-04 09:48:26 | かぜは・・・

たくさんの方にご来場いただいた「野薔薇」、おかげさまで無事終了いたしました。
ポスターを掲示していただいた方、チケットを勧めてくださった方、
そして観ていただいた方、本当にありがとうございました。





メッセージから始めた最初の台本は、大和ミュージアムを起点にしています。



空と身を分かつ薄い躯体、零式戦闘機を間近に見たこと。
与えられたスペックを実現させて生まれた大和の巨大な部品。



それらが最後に、人々のいのちをのみこんでいった無慚さ。
音楽をお願いした柳沼さんは、序曲に鎮魂を書いてくださいました。



史上最大の戦艦、大和や武蔵を製造した造船技術が、戦後平和利用へ引き継がれたと館内掲示にありました。
たまたま見かけた飛鳥Ⅱは、武蔵と同じ長崎で造られた大型客船でした。





「陸にあがった海軍」展で、説明ボランティアをつとめられた方は、すでに戦争未体験者でした。
展示された焼夷弾をみて、母が語った空襲の記憶がよみがえりました。
校庭の下に防空壕が掘られ、軍に接収されていたこと。
学童疎開で 親と子は、引き離されたこと。



台本を、書き直しました。
どこか よその国ではなくて
いつまでも まきもどらない 過去ではなくて。



戦時下 統制されて声を奪われ、
翼賛の文学をよぎなくされた詩人や文学者の無念を思う時
「野薔薇」 珠玉のようなこの作品を、なんどでも読み続けたいと思います。




2 Comments

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Unknown (陽花)
2015-05-04 13:43:55
色んな事を乗り越えての満員のご盛会ほんとうに
おめでとうございます。

表情豊かで、ご主人様の絵も素敵で、見ごたえ
聞きごたえのある舞台だったろうと拝察いたします。

着物姿もとっても素敵です。
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Unknown (Suzuka)
2015-05-05 10:12:51
ありがとうございます。

退院からこっち、長い焦点距離をかけ続けてきて、ようやくピントのあった一日となりました。
やさしそうに見えて、とんでもなく難易度の高い作品でした。

夫のイラストもとても大きな味方でした。
いまだに、二人で読書会を続けているようです。
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