米国南部に間もなく上陸する見通しのハリケーン「ローラ(Laura)」は26日、5段階で上から2番目の「カテゴリー4」に勢力を強めた。カテゴリー4は「非常に危険」な勢力とされ、米国立ハリケーンセンター(NHC)は最大6メートルの「生存不能な」高潮が起きる可能性を警告。テキサス州やルイジアナ州の沿岸地域では数十万人に避難命令が出された。 【図解】ハリケーン「ローラ」の進路予想図 NHCによるとローラの最大風速は約61メートルで、同日夜から未明にかけてメキシコ湾(Gulf of Mexico)沿岸に上陸する見通し。NHCは「大きく破壊的な波を伴った生存不能な高潮が発生し、テキサス州のシーリム州立公園(Sea Rim State Park)からルイジアナ州のイントラコースタルシティー(Intracoastal City)にかけて壊滅的な被害をもたらす」と警告。一部地域では高潮が内陸約48キロメートルに達し、満潮と重なることで潮位が通常より最大4.5~6メートル上昇する可能性がある。 11月まで続く今年の大西洋ハリケーンシーズンでは、ハリケーンや熱帯低気圧の発生数が過去最多水準となる可能性がある。NHCは名前の付く規模の勢力の熱帯低気圧がシーズンを通して最大25個発生すると予想しており、ローラは12個目。 これに先立ちローラが通過したハイチとドミニカ共和国では、洪水で少なくとも25人が死亡していた。同じくメキシコ湾を通過した熱帯低気圧「マルコ(Marco)」はハリケーンから勢力を弱め、25日、上陸前にルイジアナ州沖で消滅した。