はしか(麻疹)の患者数が関西地方を中心に増えている。厚生労働省は18日、患者の移動に伴い、広い地域で患者が出る恐れがあるとして、全国の自治体に注意を呼びかける通知を出した。

 国立感染症研究所によると、今年の患者数は2月6日時点で全国19都道府県で148人に上り、過去10年で最多だった2009年を上回るペース。三重で49人、次いで大阪43人、愛知14人と続く。患者が新幹線で新大阪―東京間を移動した例も明らかになっている。

 はしかは感染力が極めて強く、空気中のウイルスを吸い込むだけでうつる。約10日間の潜伏期間後、39度以上の高熱や発疹が出る。妊娠中に感染すると流産や早産の恐れもある。

はしかの集団感染、なぜ拡大?背景にワクチン未接種も

津市内での宗教団体の研修会がきっかけに広がったはしか麻疹)の集団感染は、沈静化の兆しが見えない。研修会の参加者から、その家族、さらに接触者にも拡大。最初の感染確認から3週間になるが、県は「予断を許さない状態」と注意を呼びかけている。

 団体は昨年12月23~30日に研修会を開き、10~30代の男女計49人が参加した。県内在住の参加者から初めて感染が確認された1月7日から連日、患者が増え、15日までに県内の参加者29人のうち24人が罹患(りかん)。

 16日からは参加者の家族のほか、医療機関や学校で接触した人にも広がり、27日までに県内で44人に。県外の参加者からも広がり、名古屋市岐阜県などで計12人が感染したという。患者の1人は、大阪市の「京セラドーム大阪」で6日にあったアイドルグループ「AKB48」の握手会に参加していた。