草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火で、マグマに由来する高温の火山ガスが、従来とは異なる経路で上昇したことが噴火の原因となった可能性があることが25日、分かった。本白根山の本格的な噴火は約3千年前を最後に確認されていなかったが、専門家は「新たなガスの経路ができたことにより、今後噴火が増える可能性も視野に入れて観測していく必要がある」と警戒する。

 東京工業大・草津白根火山観測所の野上健治教授(地球化学)によると、複数の火口湖が形成された草津白根山は、マグマの移動によって起こる深部低周波地震の観測結果などから、本白根山の直下にマグマだまりが存在すると推定されている。従来はマグマから分離したガスが隣接する白根山の内部の経路を通り、山頂付近の湯釜火口などから噴出していると考えられていた。

 しかし、今回はマグマだまりの直上にある本白根山で噴火が発生。採取した噴石などにマグマ由来の物質がほぼ含まれていなかったことから、高温のガスが地下水を沸騰させて発生する水蒸気爆発だった可能性が高いことも判明した。野上教授は「本白根山の地下のマグマから分離したガスが直接上昇する新たな経路ができ、噴火につながった可能性がある」と指摘する。

 今回の噴火口は少なくとも2カ所以上あるものの、上昇したガスの量自体は多くはないとみられる。気象庁は25日、町役場に設置したカメラなどによる臨時の観測を始めたが、「想定外の噴火」だった本白根山の観測態勢はまだ不十分だ。平成26年の御嶽山噴火も、噴火警戒レベルが最も低い「1」の状態で発生しており、野上教授は「全国には本白根山と同様に、“ノーマーク”の火山が多い。抜本的な観測態勢の見直しが喫緊の課題だ」と話した。

ほかの火山も可能性ありでしょうか・・・・・