アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『バードシャー テルグの皇帝』見参まであと1週間!!

2014-08-02 | インド映画

『バードシャー テルグの皇帝』、いよいよ8月9日(土)から公開です。以前ちょこっとご紹介した時のこちらの記事もご参照いただければと思いますが、あらためて正式にご紹介しておきましょう。まずは基本データをどうぞ。

 

『バードシャー テルグの皇帝』 公式サイト 

(2013/インド/テルグ語/164分/原題:Baadshah) 
  監督:シュリーヌ・ヴァイトラ
  主演:NTRジュニア、カージャル・アグルワール、ムケーシュ・リシ、スハーシニ・マニラトナム、アディティヤ、チャンドラ・モーハン、ケリー・ドルジー、アーシシュ・ヴィデャールティー、ナブディープ
  提供:マクザム、アジア映画社、アジアヴォックス
    配給:太秦
  宣伝協力:オムロ

※8月9日(土)シネマート新宿、ほか全国順次公開

オープニングタイトルがまずすごいです。「NTRジュニアは映画界の宝石」という意味でしょうか。これは見てのお楽しみ。

映画の冒頭、インド国内の爆破テロ事件などが取り上げられ、その背後にいるのがアジアをまたにかけたインド・マフィアのボス、サードゥ・バーイ(ケリー・ドルジー)である、というナレーション(マヘーシュ・バーブー)が入ります。そしていよいよ物語がスタートするのですが、最初の舞台は香港。ええ、香港です。香港と書いてあるし(笑)、香港の地下鉄のマークもでかでかと建物に付いていますから、香港なんです(笑)。そこに囚われているのはバードシャー(NTRジュニア)。彼の父ダンラージ(ムケーシュ・リシ)がサードゥ・バーイの仲間クレイジー・ロバート(アーシシュ・ヴィデャールティー)に捉えられたのを助けようと乗り込んできたのですが、反対に囚われてしまったのです。優雅にバイオリンを弾くロバートは、何かというと芝居がかった仕草をする男。そのロバートがバードシャーの父を殺そうとした時、バードシャーのパワーが爆発! 一味をボコボコにやっつけて、バードシャーは父と共に脱出します。悔しそうに見送るロバート(下写真中央)。


続いて舞台はイタリアのミラノへ。ここでソーシャル・ワーカーとして働くジャーナキ(カージャル・アグルワール)は広場でカンパ集めをしている時に、キレッキレのダンスを披露するラーマ・ラーオことバードシャーと出会います。その後風光明媚なアルプス山中でラーマ・ラーオと再会したジャーナキは、彼が自殺志向者であると勘違いして大騒ぎ。あれやこれやのうちに、ジャーナキはラーマ・ラーオを意識するようになっていきます。しかし、ジャーナキにはインドに、婚約者である警部アーディ(ナブディープ)がいました。ジャーナキの一族は警官が多く、父シンハ(ナーサル)は州の警察長官だったのでした。

バードシャーの父ダンラージはサードゥ・バーイの手下として、マカオでカジノを経営していました。その父と共に、香港のマフィアを次々と倒していくバードシャー。(この辺り、後ろの景色はタイなので、ちょっとわけがわからなくなってますが、カッコよくバードシャーが登場し、敵がやっつけられればいいのです。モウマンタイ、無問題)

やがて、結婚のためにインドに戻ったジャーナキと一緒に、ラーマ・ラーオも結婚コンサルタントという触れ込みでインドに戻ります。母(スハーシニ・マニラトナム)とも再会したラーマ・ラーオは、今度はジャーナキの一族のあれこれに巻き込まれます。ジャーナキのたくさんいる叔父や叔母にも振り回されながら、ラーマ・ラーオは叔父の一人パドマナーバ(ブラフマーナンダム)を利用して、うまく自分の目的を果たそうとします。実は、ジャーナキの婚約者アーディはサードゥ・バーイと結託する悪徳警官だったのです。バードシャーとサードゥ・バーイとの、最後の戦いが迫っていました....。


とにかく、何でもアリの作品です。それも、どちらかというと闇鍋状態(笑)。アクションとコメディを律儀に(!)交互に入れ込み、その合間に見応えのあるダンスシーンや映画ネタパロディも山ほど盛り込み、お色気シーンも抜かりなく差し込み....と、1本の映画にしておくのが惜しいぐらいのサービス精神大盤振る舞いです。ですので、ストーリーが途中で「?」となることもしばしば。いいのです、その時、その時を楽しむのが、こういうスター映画を見るコツです。

ジュニアNTRのスターオーラはすごいものがあり、演出もそれを全開させるべくがんばっているのですが、意外に好感度大なのがコメディ・シーン。この人、いい人路線のほんわかコメディで売ってもいいのでは、と惹きつけられました。


映画ネタは、テルグ語映画を知る人なら涙チョチョギレもののNTRのものから、警官ネタで『ダバング 大胆不敵』も登場するなど、こちらもサービス精神旺盛すぎる結果となっています。ジュニアNTRの祖父である、NTRことN(ナンダムリ).T(タラーカ).ラーマ・ラーオ(1923-1996)は映画の最初にも写真が出てきますが、こんな方でした(下左)。1986年、ハイダラーバードで開催されたインド国際映画祭でのスナップです(Photo by Hitoshi Motoyoshi)。隣に、ジュニアの写真を並べておきましょう。祖父と孫、似てるでしょうか?


Periploさんに教えて頂いたのですが、ジャーナキとアーディの結婚を祝うシーンで出てくる様々なパフォーマンスは、最初のジャーナキの父のもの(これはカマラハーサン主演『サーガラ・サンガマム』から)を除いて、奥様がたが踊るシーンはNTRの映画からだとか。お祖父ちゃんの代わりに、ジュニアNTRが踊っている、というわけですね。元ネタはこちらとか、こちらとか、こちらとからしいです。(Periploさん、ありがとうございました!)うーん、これは、ご主人連中がアセるはずですね....。

Photo by R.T. Chawla

ついでですが、脇役のムケーシュ・リシ(上左)とアーシシュ・ヴィデャールティー(同右)の昔の顔もご紹介。15年前ぐらに、盛んにボリウッド映画に出ていた当時のものです。南インド映画では、ヒロインにカージャル・アグルワールのように北インド出身者がよく起用されるのですが、テルグ語映画では悪役も北インド出身、となるところが面白いところです。上記二人の他、ケリー・ドルジーもそうです。ギャラがとってもいいそうで、テルグ語映画界が潤っているのがわかりますね。なお、アーシシュ・ヴィデャールティーは、『バルフィ!人生に唄えば』にもジルミルの父親役で出演しています。

最後に、テルグ語映画2本のパンフレットもご紹介しましょう。


『ダバング 大胆不敵』と同じく横長パンフです。こちらもなかなか素敵なデザインですねー。中身も充実していて、テルグ語映画に詳しい山田桂子先生の解説も載っています。ご鑑賞のお供にぜひお求め下さい。700円です。

暑さがまだまだ続くようなので、よけいに熱くなるテルグ語映画を見て、地上の暑さを吹っ飛ばして下さいね。皆様、よい夏休みをお過ごし下さい~。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『めぐり逢わせのお弁当』リ... | トップ | アジアフォーカス・福岡国際... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事