アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

ブータン映画が来年公開されます~『ブータン 山の教室』

2020-08-27 | 南アジア映画

久々に、ブータン映画が一般公開されます。タイトルは、『ブータン 山の教室』といい、来年、2021年4月3日(土)から、岩波ホールその他で全国順次公開となる予定です。まずは、映画の基本データをどうぞ。

『ブータン 山の教室』
 2019年/ブータン/ゾンカ語/110分/原題:/英語題:Lunana: A Yak in the Classroom
 監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ
  出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム 他
  配給:ドマ
2021年4月3日(土)より、岩波ホール他にて全国順次公開

<物語>若い教員ウゲンは、ブータンで最も僻地にあるルナナ村の学校に行くように命じられる。「オーストラリアに行きミュージシャンになりたい」という夢を抱きながらも、渋々ルナナ村に行くことに。1週間以上かけ巡りついた村には、「勉強したい」と真っすぐな瞳で彼の到着を待つ子どもたちがいた。電気もトイレットペーパーもない土地での生活に不安を拭えなかったウゲンだが、村の人々と過ごすうちに自分の居場所を見つけていく。

©2019 ALL RIGHTS RESERVED.

英語タイトルに使われているルナナというのは、上記<物語>でもわかるように村の名前で、ブータンの最北部、中央のちょっと西寄りにあるガサ県にあります。日本語版Wikiのガサ県で、地図を確認してみて下さい。中国との国境にも近く、ガサ県北部は中国との係争地になっているとかで、その係争地より少し南に位置するのがルナナです。首都のティンプーや、それに次ぐ都会のプンツォリン、パロといった街から比べると、とてものどかな農村地帯なのですが、そこに主人公である都会の青年教師ウゲン(シェラップ・ドルジ)が赴任するように命じられ、赴任してみると...というお話のようです。英語タイトル通り、教室にはヤク(高原に住むウシ科の動物)がいて子供たちと一緒に授業を受けることになったり、電気が来なかったり屋外のトイレでウゲンが困ったりと、海外版予告編を見るとありがちな「田舎の先生」像が登場します。

2020台北電影節|亞洲稜鏡|不丹是教室 Lunana: A Yak in the Classroom

本作は、すでにプサンやロンドン、バンクーバー、台北などの映画祭で上映されているのですが、台北映画祭の予告編が一番わかりやすかったので、それを付けてみました。これまでいろんなアジアの国で描かれてきた、「都会からやって来た田舎の先生」ですが、今回のブータン映画はまた違った趣があるようで、楽しみです。日本語のタイトルは、「ルナナ」という地名が日本ではまったくと言っていいほど知られていないことから、ブータン映画であることをまずわかってもらうために、『ブータン 山の教室』となったのでは、と思われます。日本版予告編ももう少しするとできてくると思いますので、またご紹介しますね。

Lunana: A Yak in the Classroom Poster 

ブータンの言語はゾンカ語なのですが、ゾンカ語の文字が入ったポスターがありましたので、これもコピペしておきます。原題は何と言うのでしょうね?(字幕のゾンカ語監修をおやりになった、西田文信先生にうかがってみたいです) ブータン映画では、以前『ザ・カップ~夢のアンテナ』(1999)というケンツェ・ノルブ監督の作品が公開されていますが、ブータン大使館による紹介記事によると、本作のパオ・チョニン・ドルジ監督はケンツェ・ノルブ監督の教え子のようです。ケンツェ・ノルブ監督は高僧の身分でもあるので、「ケンツェ・リンポチェ」と書かれているんですね。このあたりのことも、今後映画の宣伝が本格的になれば、いろいろわかってくることと思います。「国民総生産量」ならぬ「国民総幸福量(GNH)」という考え方を広めたブータン。そんなブータン情報も盛り込みながら、この先『ブータン 山の教室』を紹介していけたらと思いますので、お楽しみに。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アジアフォーカス・福岡国際... | トップ | 『きっと、またあえる』2週... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

南アジア映画」カテゴリの最新記事