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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

愛しの『DDLJ』① インド・恋愛映画の最高峰

2025-04-07 | インド映画

この間、ムンバイの劇場で見たばかりの『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』(以下、『DDLJ』)。あの時書いたブログの最後に、「見たいけど、インドまではとても見に行けない、と思っている皆様、ひょっとすると見られる機会ができるかも知れません。楽しみにしてお待ち下さいね」と書いたのですが、それが実現したのは皆様もうご存じだと思います。こちらで告知されているように、6月4日(水)にBlu-rayディスクが発売されるのです。下がそのジャケットです。発売&販売元ツインの担当者さんは、「Blu-rayだけですみません」と言ってらっしゃいましたが、劇場上映権や配信権はついてこなかったようで、このBlu-rayが日本版として発売されるだけでも奇跡的、と言っていいかも知れません。インドでは、コロナ禍下の一時期等を除いて、30年の間ムンバイの映画館マラーター・マンディルで上映され続けてきたレジェンド的名作の『DDLJ』。まずは映画のデータをどうぞ。スタッフ、キャストとも、少し詳しくリストにしてあります。

 

『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』 ソフト発売公式サイト
 1995年/インド/ヒンディー語/189分/原題:Dilwale Dulhania Le Jayenge/日本語字幕:松岡環

<スタッフ>
 製作:ヤシュ・チョープラー(ヤシュ・ラージ・フィルムズ)
 監督・脚本:アーディディヤ・チョープラー
 作詞:アーナンド・バクシー
 作曲:ジャティン=ラリト

<キャスト>
 ラージ・マルホートラ……シャー・ルク・カーン
 シムラン・シン……………カージョル
 バルデーウ・シン(シムランの父)………………アムリーシュ・プリー
 ラッジョー(シムランの母)………………ファリーダー・ジャラール
 ダルムヴィール・マルホートラー(ラージの父)……アムパム・ケール
 カンモー(シムランの叔母) ……………ヒマーニー・シヴァプリー
 アジート・シン(バルデーウの親友)………サティーシュ・シャー
 クルジート・シン(アジートの息子)………パルミート・セーティー
 プリーティ・シン(アジートの娘)…………マンディラー・ベーディー
 ラージの友人……………カラン・ジョーハル 

©YASH RAJ FILMS PVT. LTD.

この映画『DDLJ』とは私、浅からぬ因縁がありまして。何せ、3回も字幕を作ったのですから、それぞれの時の思い出がいっぱいあります。一番最初の字幕は、1998年にインドセンターから公開を目指して字幕を依頼され、11月の国際ファンタスティック映画祭で『DDLJ―花嫁は僕の胸に―』という邦題で上映された時です。その翌年には一般公開されることになり、1999年9月25日の公開が決まったのですが、配給はインドセンターだったものの、確か大手配給会社が宣伝を担当し、下のようなトンデモなタイトルに換えられてしまったのでした。このタイトルには、当時のインド映画好き、そしてシャー・ルク・カーンのファンは、「ええー、ウソでしょう!」と大ブーイング。インドと日本の友好をうたうインドセンターは、インドの元大統領の孫という人が設立し、映画界にも顔がきくことから日本公開が実現したのですが、そのインドセンターが抗議したものの、大手配給会社に押し切られてしまったそうです。

その後は、『シャー・ルク・カーンのDDLJ ラブゲット大作戦』というタイトルを出版物とかに書くたびに、いつも情けない思いが蘇り、心で泣いていました(ホントです、どれほどくやしかったことか)。そのタイトルが変わることになって「よかった!」と思いながら、字幕を作り直したのが2015年のこと。当時インド映画を配給して下さった大手会社が『DDLJ』も買い、別の配給会社と提携して将来公開を目指すことになりました。しかしながら、なぜか大阪の国立民族学博物館で「みんぱく映画会」の1本として2015年8月8日に『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』の邦題で上映されただけで、お蔵入りしてしまいます。詳しい事情はわからないのですが、その配給会社の方のお力も借りて前の字幕を一新し、いい字幕になった、と喜んでいただけに、つくづく日本では不運な『DDLJ』よ、と再び心の中で泣く羽目に。それでも、以後は『DDLJ 勇者は花嫁を奪う』という邦題を使うことができるようになったので、少しは気が軽くなりました。2015年10月発売の「インド映画完全ガイド」(世界文化社)では、ちゃんとこの邦題を使ってあります。

©YASH RAJ FILMS PVT. LTD.

そしてそして、やっと『DDLJ』が日本のインド映画ファンの皆さんに認知してもらえる日がやって来ました。劇場公開ではないのが残念ですが、Blu-rayでご覧いただいても、この映画の素晴らしさはわかっていただけるはずと確信しています。①巧みに作られたプロットと完成度の高い脚本、②キャスティングのうまさと出演者全員の素晴らしい演技、③印象的なソング&ダンスシーンの数々、と、もう言うことなし。インドにおける恋愛映画の最高峰です。というわけで、これから発売日まで何度かにわたって、『DDLJ』の素晴らしさを皆さんにお伝えしていこうと思います。今回は、インド版予告編のうち、公開25年目に作られた予告編を付けておきましょう。『DDLJ』、これから2ヶ月の間にいろんな角度からご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。

Dilwale Dulhania Le Jayenge | 25 Years Weeks Trailer | Shah Rukh Khan, Kajol | Aditya Chopra | DDLJ

 

 


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DDLJ (よしだ まさし)
2025-04-08 17:10:56
Amazonで予約済みです。また観たいと思いながら、はたして何年待たされたことでしょう。
インド大使館主催だか後援だかで上映された時に入口で配布されたパンフレットを引っ張り出してきて、写真を眺めてはポワーンとしています。早くブルーレイが届かないか、実に待ち遠しいです。
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よしだ まさし様 (cinetama)
2025-04-10 16:41:03
コメントはだいぶ前にいただいていたのに、気がつくのが遅くなってすみません。
1990年代は、アジア映画の中では香港映画が日本で一番人気だったのですが、インド映画が1997年前後に紹介されると、香港映画ファンの方がたくさんインド映画を支持して下さって、ものすごく心強かったです。
「ファンタ」こと東京国際ファンタスティック映画祭での上映時の盛り上がりは、香港映画ファンがいてこそで、ファン歴がまだ浅い我々インド映画ファンは、こうやって楽しむものなのね~、といろいろ学んでいった憶えがあります。
よしださんは「電影風雲」等々で香港映画の盛り上がりの中心にいらしたわけで、やはりあの頃見て下さっていたか、と納得、当時の資料がすぐ出てくるところは、収集魔よしださんの面目躍如ですね(笑)。

ところで、『トワイライトウォリアーズ』のヒットから、今度は香港映画にハマるインド映画ファンが出てきているようです。こうなりゃいっそ、シャー・ルク・カーンとルイス・クーが共演してくれないか、などど夢見ている私です(わはは)が、あの古仔にはシビれました。
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