グー版・迷子の古事記

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シコ集団と五行

2013年09月08日 | 古事記
まず、シコ集団とは何か?
シコ集団…名前にシコ(色許)がつく集団
当ブログ 色許とは? 参照下さい

このシコ集団、崇神天皇の時代から名前にシコ(色許)を使わなくなります。
何故、使わなくなったのでしょう?
今回はそんな話です

  《神霊を表す言葉と五行》

神霊を表す言葉を当ブログでは(チ)(ミ)(ヒ)(キ)の4種類と定義しました。
(当ブログ アラハバキ 勝手に考証 を参照ください)

・(チ)…魑、外来語。
・(ミ)…魅、外来語。
・(ヒ)…日、和語。
・(キ)…木、和語。

4種類の言葉を定義しましたが、五行が古代日本に入ってきた時に5種類の分類が成立した可能性はかなり高いと思います。
そこでまずは、各々の神霊名を五行配当してみました

・(チ)…地より土気
・(ミ)…水より水気
・(ヒ)…火より火気
・(キ)…木より木気

金気が足りないのです
金気の特性…死、西、白色、金属色など。
そこで 死(シ) が5番目の神霊名になるのでは?と考えました

  《神霊を表す(シ)》

(シ)を神霊名に使う神様はそれほど多くありません。
しかし、その意義(死)に見合う神様がいました。
ヨモツシコメ(黄泉色許女)です。
早速、分解してみましょう。

ヨモツシコメ = (ヨモツ)(シ)(コ)(メ)
 =黄泉死子女

黄泉(死の国)の死の神霊の子女と訳せます。

ここでは(シ)で死の神霊と訳しました。
縄文と関係が深いとされるアイヌ語では現在でも実体と霊体を同一の言葉で表現します。そのため、当ブログでも古代神を考える上で、古い神様であればあるほど実体と霊体を一つの言葉として解釈しています。
当ブログ アラハバキ勝手に考察 参照下さい

神霊名(チ)(ミ)(ヒ)(キ)についても同様で、実体と霊体を表します。

神霊名(シ)はもちろん金気(五行)で死の神霊を表しますが、
その「死」の文字と発音はどういったものでしょう?

死…(音)シ (訓)しぬ

・文字は当然漢字ですから外来語です。
・(音)シ…音読みであるため、当然外来語です、原住日本人が使っていた言葉ではなさそうです。
・(訓)しぬ…(音)シの活用形のようです。原住日本人が使っていた「死」を意味する言葉ではなさそうです。

と言う事は、古代語(シ)に「死」の意味が付加されたのは渡来人による可能性が高そうです

古事記の中ではこの(シ)を神霊名に使う神様は、ヨモツシコメ、アシハラシコヲなど数少ないです。
しかし、人名には沢山出てきます。
それがシコ集団の人たちです。
そしてシコ集団の人たちが(シコ)=(日子)のつもりで使っていた可能性はこの間述べました。
当ブログ 色許とは? 参照下さい

今までの事から次の様な事が浮かび上がってきそうです。

・神霊名(シ)は比較的新しく、しかも大和で五行が取り入れられる様になった頃、シコ集団に対して使われた。
・大和で五行が取り入れる様になった時期とは、崇神天皇の時期ではないでしょうか
・そして(シ)に「死」の意味が付加されシコ(色許)の名前は使われなくなったのでしょう。(シコ→死子→死の神霊の子となるため)

今回興味深い結論が出ました…
余は満足じゃ