グー版・迷子の古事記

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出雲と大和の世界観②

2013年10月03日 | 古事記
今日はスクナヒコナの名前について迫ってみようと思っていました。
そのための前段階として、昨日出雲と大和の世界観を書きました。
しかし「シコネ」「ヒコネ」「シコナ」「シコメ」の付く神様を見ていて、「ナ」「メ」はある程度自分で納得できるのですが、
「ネ」について何かモヤモヤとした物があるのです…
昨日取り上げた神様と出雲との関係について考えてみたいと思います

  《ヨモツシコメ》

ヨモツシコメ(黄泉醜女)
イザナギがイザナミを訪ねて赴いた黄泉の国(ネ【根】の国)は出雲にあります。
「メ」は「女」です。

  《アヤカシコネ》

アヤカシコネ
①阿夜訶志古泥…古事記、音しか表現していません。

②吾屋橿城根…先代旧事本紀(出雲系の歴史書)。
「私の家・橿(かし)の城のある大地」と言うような意味だと思います。
「コ」或いは「シコ」に「城」と言う文字を当てています。
大和では「城」は「キ」・「シキ」ですが、出雲では「コ」或いは「シコ」ではないのだろうか?
そうなると、「シコ」のつく神様の意味が変わってきます。

ヨモツシコメ
黄泉の醜い女 → 黄泉の城の女

アシハラシコヲ
葦原の醜い男(王) → 葦原の城の男(王)
葦原は古代の日本を表す時使う事があります。

出雲と大和の間には争いの跡もあり、最終的に大和が覇権を握ったことから考えても、「シコ」の元々の意味は「城」であったのかもしれません

③綾惶根…日本書紀本文、「惶」は「恐れかしこまる事」。

④青橿城根…日本書紀本文、先代旧事本紀で②の神とセットで出てくる男神です。

⑤吾屋橿城・忌橿城…日本書紀本文。②と同じです。

⑥橿城姫…天書。②とおなじです。

橿は堅い木です。堅い木は「シコ(城)」作りに適していたのかもしれません。
また樹齢の古い橿(樫)の木はごつごつしていて見方によっては醜く見えます。

大和の人は、出雲の「橿城(カシコ)」を見て醜いと思ったのかもしれません。
大和の城は石城(シキ)と表現される事があるように、石作りを基礎としていたと思われます。木を主体とした城に侮蔑の意味をこめていた可能性はありそうです。

「恐れかしこまる」と言う意味で「カシコキ」という言葉があります。

もしかすると…
カシコキ = 橿城木 なのかも知れません。
「カシコ(橿城)」を作るための「木」
古代の人達は、言葉を大げさに装飾するのが好きだったようなので、
「橿(カシ)」を「橿城木(カシシコキ→カシコキ)」と表現したとしても、至極当たり前のような気がします。

もしそうだとすると…

掛けまくも畏き 伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓戸の大神等 諸々の禍事・罪・穢 有らむをば 祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す

祓詞(はらえことば)です。誰でもどこかで聞いた事があるかもしれません。

カシコキ イザナギ
橿城木  伊弉諾


もしかすると…
イザナギは橿城木の神様、橿(樫)の神様なのかもしれません
「カシコキ」は「イザナギ」へかかる枕詞のようにも見えます。

樹齢の古い橿(樫の木)の画像を検索してみてください。
ごつごつして神様のような表情をしています

そうか…
「カシ(橿)」は霊木なので「シコ(城)」に使われたとも考えられそうです。

そうすると…
カシ(橿)の「カ」は「カミ(神)」の「カ」なのかもしれない
では「シ」は?
「シ」は「木」或いは「シ・ヒ(霊)」なのだろうか?
古代において、「イ」の段の言葉は神霊を表す時に良く使われます。
「ヒ」「キ」「ミ」「チ」…etc.

画像はアップの仕方がわからないので各自お願いします

思ったより長くなりそうなので続きはまた明日