中国経済ニュースクリップ

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投機性、一段と強まる=中国株式、海外安は影響せず

2007年08月15日 | 金融
【北京15日時事】日米欧の株式市場が信用不安から全面安となる中、中国市場は投機性を一段と強め、上昇基調を続けている。株価は既に2年前の安値の5倍近くまで上昇。「明らかに割高」(証券関係者)な水準にあり、投機過熱とその後の暴落を恐れる中国政府が新たな抑制策を打ち出すとの見方も出ている。
 株価の指標である上海総合指数は2005年7月11日に1011の安値をつけた後、国有企業株の改革進展などを背景に上昇トレンドとなり、今年に入って急騰、今月14日には終値で4872に達した。
 大和総研の斎藤尚登主任研究員(北京駐在)は「株は上がるばかりで下がらない、という投資家心理がまん延し、市場の投機性が一段と増している」と指摘する。
 今年に入ってからの調整らしい調整は、5月30日に株取引にかかる印紙税率が0.1%から0.3%に引き上げられてから数日で15%強下げた時だけ。7月末からは騰勢をさらに強め、連日の高値更新となっている。
 相場水準を判断する指標の一つであるPER(株価収益率)は今月14日現在で55倍。過去最も高かった2001年7月の水準(約60倍)に迫り、収益に対し株価が高過ぎる状態にある。しかし、「一般投資家は、こうした指標など関係なしに買っている」(斎藤研究員)という。
 中国政府としては10月半ばにも開かれるとみられる5年に一度の共産党大会を前に、株価バブル崩壊は何としても避けたいところ。今のうちに熱気を冷まして一定の調整を促すため、印紙税率の再引き上げなど「劇薬にならない程度」(同)の対策を打ち出す可能性も指摘されている。(了)