10月に入り
海外の出張から戻ってきた兄が
二日間ほど
地元に戻ってきてくれた
49日が来るまでに
女性と早く話を済ませておきたいと
保険屋のHさん
司法書士さんを実家に来てもらい
女性と兄とで
話し合いをすることになり
実家へ兄を連れて行くので
ワタシも当然同席した
砂糖とミルクは
自宅から用意して持っていき
コーヒーだけは
ワタシが淹れた
コーヒーカップの中で
ゆらゆらコーヒーパックが揺れる
謎の飲み物をとても出せないからだ
話し合いでは
父の残した預貯金
2,000,000円の死亡保険金
投資していた株
実家の土地、建物を
兄と女性とで50%ずつ
相続することにして
司法書士さんに
手続きを依頼するということを
保険屋のHさんから
女性にわかりやすく
丁寧に話していただいた
女性は全く理解をしないどころか
すぐに猛反対をした
妻である自分が全てを受け取るのが
当然のはずだ
自分の国では
子供が親を敬って
財産などは
どうぞ使ってくださいと
親に全てを差し出すのだと
そう反論するも
ここは日本だし
父も日本人だと兄がいえば
答えをいろいろ用意していたかのように
父に自分がどのくらい尽くしたかと
つらつら話を作り並べ
時には笑みを浮かべ
父にとって
自分がどんなに素晴らしい妻だったかと
話し訴え
父は何もかもを女性に与えるとも
生前言っていたのだとか
こちらからの話しには
聞く耳を持たないのに
女性の言い分は
兄に理解するようにと
激しく求めてきた
女性のいい加減な話には
兄は首を横に振り
「以前もいろいろあったでしょ、お金のことで揉めたでしょ」
と
女性が父に対して愛がないと知る兄は
またこうやって揉めていたら
いつまでたっても相続できないと言い
2時間後
ようやっと
しぶしぶ女性は承諾した
納得はしておらず
ため息をついては
「なんでえ〜なんかあ〜オカシイ〜」
ぶつぶつ言い
ワタシ達が玄関を出ると
女性側から
ガチャリと
扉を閉められた
とりあえず
一歩前進ということで
Hさんと司法書士さんに
お礼を言って
兄とワタシの自宅へ戻った
すると
一息つく間もなく
兄の携帯に女性から電話がかかってきた
女性が納得していないのに
無理矢理承諾させられた
騙されたとか
文句を言って
翌朝にもう一度
兄と話をしたいと言ってきたのだ
つづく