「Yの実の母親に、Yの暴力を相談する」
ものすごい覚悟のいる決断だった。
それもそのはずだ。
「アナタの息子に、私、暴力をふるわれてるんです。」
なんて、どの口が言えるだろう。
究極の告げ口のようなものだ。
Yのお母さんに、どれだけショックを与えてしまうか。
チエに対して、頭を下げられるんじゃないだろうか。
あんなに可愛がってくれてたのに、こんな事を話して、本当にいいのだろうか。
悩んだ。
もの凄く悩んだ。
でも、やっぱり話そうと思ったのは、
もぅ、自分では他にどぅしようも術がなかったからだ。
負い目を感じるよりも、何よりも、
「Yと、別れたくない。なんとかして、2人で幸せになりたい」
その気持ちが一番強かったから。
その気持ちを、一番伝えようと思い、
チエは勇気をふりしぼり、Yの実家に電話を掛けた。
Yママは、いつもどおり明るく、
チエが「ちょっと相談がある」と言いにくそうに切り出すと、
「すぐにおいで」と言ってくれた。
「Yと何かあった」ことは、言わずとも感じ取ったようだった。
チエは電話を切ると、急いで出かける準備をした。
Yの実家までは、大阪から電車で1時間半。
すぐに帰れる距離だった。
ゆえにYママも、しょっちゅう大阪まで、何かあればお米を持ってきたり、
助けに来たりしてくれていた。
一番頼れる存在。
きっと、Yの事も、いい解決策を考えてくれると信じたい。
チエは1時間半後、Yママに地元の駅まで迎えに来てもらい、
実家で今までのことを全部話した。
Yママは、予想もしなかった息子の暴力の事実を聞き、
さすがにショックを隠しきれなかったようだった。
「チエちゃん・・・・ホンマに・・・・・・。
あぁ・・・ホンマにかわいそうに・・・
Yが人を、それもチエちゃんを殴るやなんて・・・」
チエは、Yママの愕然とうなだれる姿を見て、罪悪感で押しつぶされそうになったが、
ふるい立たせて、真剣に言った。
「おばちゃん、チエはYのことを憎いんやない。
どんなに殴られても、大好きなんに変わりはないよ。
きっと、2人ともに原因があるねん。
Yだけが悪いんじゃない。それは絶対そぅやねん。
ただな、もぅ、チエはどぅすればYの殴るクセが治るんか分からんのよ。
ほやし、どぅすればいいか、おばちゃんに一緒に考えてほしいねん。
チエ、絶対にYとは別れたくないんよ。」
そこまで言った時、Yママの目からは、涙が流れた。
「チエちゃん・・・・・・・・、ありがとうね。
あの子のこと、そこまで想ってくれて・・・ホンマ、どぅしようもない子やのに・・・。」
Yママは、チエが「別れたい」という相談をしに来たんではない事に、
心からホッとしたようだった。
そして、Yのクセがどぅしたら治るか。
切れさせないようにするには、どぅしたらいいかを、色々2人で話し合った。
聞けば、Yがキレやすいということは、Yママもよくよく分かっていたらしい。
高校生の頃の、Yのキレようは、いまよりもずっと激しかったらしい事を初めて聞いた。
「それでも、あの子は家族に殴りかかった事なんか、1度だってなかったんよ。」
それがどぅして・・・・と、Yママはまた涙を流して悲しんだが、
チエは逆に、「家族」だからこそ、殴らなかったのではないかと思った。
「家族。」「母親」を、何よりも大事にするYの性格は、チエだってよく分かっていた。
きっとYは、キレやすいながらにも、
「自分を生んでくれた母親」には、偉大な尊敬心を抱いていたに違いない。
「親は殴らない」という、当たり前の感情が、ちゃんとYにはあったのだと、
分かっただけで、チエは嬉しかった。
これでもし、父親にも母親にもおかまいなく殴りかかるような男だったら、
そっちの方が考えものだっただろう。
チエはやっぱり、
「Yがチエに手を上げるのは、チエにも間違ってる事があるからだ」と確信した。
Yママは、チエの強い思いに、「なんとかする」と言ってくれた。
それだけで、チエがどれだけ心強くなれたことか。
Yママが出した結論はこぅだった。
「ケンカになったら、ヒートアップする前に、「手を出さない事」をYに先に約束させる事。」
「もしも手を出したら、Yの目の前ですぐに私に電話をしてくる事。」
「今日ここで、チエが相談をした事は、Yには絶対に言わない事。」
そして、3ヶ月頑張って暴力が減らなければ、Yと別れる事。
この4つの条件だった。
Yママは、Yの気持ち、プライドを考慮した上で、「相談したことを内緒にしておいた方がいい」と言った。
チエも、それには賛成だった。
しかも、最後の「治らなければ別れなさい」という条件が、
Yの母親であると共に、自分はチエの事も、本当に大事に想っているのだという
気持ちが、伝わってきて嬉しかった。
この人に相談して、本当によかったと思えた。
帰り道、チエは電車に揺られながら、何がというわけではないのだが、
何かが大きく解決したような、そんな安心感に包まれて眠っていた。
きっと、「理解者」がほしかったのだろう。
なによりも。
一丸に「DV」というと、大抵の人は男側をけなす。
被害者である「女」の味方をしてくれる。
それは、チエにはありがたい事ではあるが、欲しかったのはそれではなかった。
「同情」とか「別れろ」という言葉ではなく、
Yという人間と、チエという人間を、両方から見つめ、2人のことを内面から理解して、
一緒に解決策を考えてくれる存在が、チエは一番欲しかったのだ。
Yママは、まさにそのとおりの人間だった。
チエは、Yと頑張っていこうという「覚悟」を、
Yではない人から、初めてもらった気がした。
・・・・さぁ、帰ろう。
Yを、恐がらずに真っ向から見つめよう。
ケンカは、すぐまた訪れるだろう・・・。
でも、Yママの言葉を胸にしまったチエは、きっと冷静に対処できる。
きっと、これからはチエが頑張れば、いい方向に向かう気がする。
・・・チエは、後ろに大きな支えが出来たような、そんな気持ちで、
Yの待つ大阪に、帰っていったのだった。。。
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「親には手を出したことが無い」と聞いて、何故か私もほっとしました。親への尊敬の念は、人間としての基本的な尊厳と思っています。そんな方なら何とか道は開けるのでは....っと勝手に思ってしまいましたよ。
こっからこそポイントですね♪
期待してますよ!!
今回もやっぱり悩みましたがなんて言ったらいいのかわりません・・・・・Orz
お母さんに話すと決断した勇気とか電車に揺られて向かっている間の心中とか察すると過去の話だとわかってても何かココロに刺さるものがありました。
それを言葉にできないところが悔しいんですが。。。
中途半端で申し訳ないmm
しばらく見れなかったぶん一気に読ませてもらいましたよ~。これからどうなっていくのか楽しみにしてますね☆
でも、無理はしないでね!!
単に「暴力」ってひとことで言っても、
誰彼かまわず手を出す人と、そぅじゃない人がいるように、十人十色なんよね。
ある意味、チエの「精神病」と一緒なんかなと思った。
レントゲンでハッキリ見える原因があるわけじゃない。
だけど、症状はそれぞれ違う、「心の病」なんやって。
本人が「治したい」と思ってる限り、チエは側で一緒に頑張る覚悟が出来たよ♪
これ、なんか聞き心地のいい言葉やね~☆
スッキリきれいになるのが見て取れるような♪♪
なんかの時つかおうっと☆
その言葉だけで、チエはすごく幸せですよ。
・・・なにが幸せって??
ブラックさんが、コメントしにくい内容にもかかわらず、こぅやってコメントを残してくれて、
うまく言葉に出来ないと言いつつも、
ちゃんとブラックさんの心に、チエの何かが響いた事を、つたない言葉で証言してくれてことが、嬉しいんです。
ありがとうございますブラックさん♪
お久しぶりですね!!
チエ、のんびり更新続けてますよ☆
これからものんびり行きます。
また覗きに来て下さいネ!!