★風俗嬢チィちゃんのホンネワールド♪♪♪

★風俗歴1年とちょっと。眠らない街 大阪の風俗嬢チィちゃんの、ここでしか語れない本音がバクハツ!!☆

嵐の去った朝

2007-05-02 12:59:59 | チエの生い立ち


チエが目を覚ますと、もぅ朝になっていた。

ふと隣を見ると、チエを抱きかかえるように、眠っているYの顔があった。

あのまま、眠ってしまったんやろか・・。

Yに気づかれないように、腕をどかしてそっと起き上がろうとして、

チエは「ズキッ!!」という痛みを覚え、「いたっ・・・」と、自分の額を押さえた。

「・・・・・・・・・・・・・?」

チエの額に、ガーゼが張られてあった。

「・・・・・・・・Y??」

ふとベッドの脇に、血をたくさん拭いたティッシュの山と、散乱した薬箱が目に入った。

眠っているYの手は、まだ血がうっすらと滲んでいた。

「チエだけを、手当てしてくれたんや・・・」

それを察したチエは、まだ頭がハッキリと起きていないのにもかかわらず、
涙があふれ出てきた。

ゆっくりと起き上がり、辺りを見回して、驚いた。

夕べ、Yの肩越しに見えた、あれだけ荒れ果てていた部屋が、
綺麗になっていたのだ。

割れたグラスや破れたカーテンは、キレイになくなっていた。
チエが倒した本棚も、散乱した本も、元通りに戻っている。

チエが、自分の額を打ち続けた柱には、赤黒い血が、拭き取りきれずに
少しだけ残っていた。

それでも、必死に拭い取ろうとYが頑張っていた証は、
周りに落ちている、たくさんの血のついたタオルが、物語っていた。

チエは、目に涙があふれ、それでも泣くまい、泣くまいと耐えていたが、
タンスの上に置かれた、ある物が目に入った瞬間、その涙は止まらなくなった。

そこにあったのは、「オルゴール」だった・・・。

ディズニーの、チエが大好きな「美女と野獣」のガラスのオルゴール。

付き合い出した頃に、Yがくれた物だった。

でも、1年ほど前に、壊れて動かなくなった。

「捨てよう」と言ったYに、チエは「絶対イヤ!!」と言い張って聞かず、
ずっとタンスの上に飾っていた。

それを見たYは、ため息をついて、
「わかった。じゃぁ、いつか2人でディズニーランド行ったときに、おんなじやつ買おうな。
そしたら、こっちは捨てるんやで?」
と言い、
「うん!わかった♪」と喜ぶチエに、
「なんで壊れてんのに、そんな大事にするんか分からんわ」
と、Yは少し嬉しそうに笑っていた。

・・・・・・・・・・・・・・そのオルゴールを、チエは発狂した時に、投げつけて割ったのだ。

一瞬は、躊躇したかもしれない。
でも、あのときのチエには、それを理解する理性すらなかった。
オルゴールが目に止まった瞬間、なぜか更に悲しさが増して、
手に取り、Yの真後ろの壁に、たたきつけて割った。

割れてバラバラになったオルゴール。

その、形をなくしたたくさんの破片は、
不器用にもセロハンテープでペタペタに組み立てなおされて、

元の形よりもイビツになって、
ちょこんと、タンスの上に置かれていた。

チエは、涙があふれてあふれて、止まらなくなった。

そして、そのとき初めて、オルゴールを割ったときの、Yの一瞬の
悲しい顔が、チエの視界に入ったことを、思い出したのだ。


Yがどんな思いで、チエが暴れ疲れて眠った後に、この部屋を片付けていたのか。

血だらけで眠っているチエの額を、何を考えながら、血を拭き、消毒したのか。

そして、Yがどれだけ、「自分を責めたか」・・・。


「・・・・Y・・・・!・・・Y・・・!!」

チエは、悲しくて、情けなくて、でも嬉しくて、泣きながらYに近づき、
寝ているYを覗き込んだ。



疲れきって眠っているY。
きっと、人の手当てなんて、したことがなかったのだろう。
チエの額のガーゼは、付け過ぎなくらい、マキロンがドボドボに染み込んでいた。

チエは、Yの額に、振るえながらそっとキスをした。

「Y・・・・・・・・ごめん・・・ごめんね・・・・・」

何度も小声でそぅつぶやき、Yの血の滲む手を、そっと握ると、
Yが、かすかにチエの手を握り返し、うっすらと目を開けた。

長い時間、ボーーっと薄目を開けて、チエを見つめるY。

そして、ふっと笑い、もぅ一度、チエの涙を拭いた。


・・・もぅそこに、言葉は必要なかった。

私たちが、どんなにぶつかろうとも、傷つけ合おうとも、
「愛している」証が、ちゃんとそこにあった。



チエは、「うっ・・・うっ・・・うっ・・・」と、また泣き出し、
Yは腕を引っ張って、寝ながらチエを抱き寄せた。

「愛してる・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・・・」

涙で言葉にならない声で、何度も何度もそぅつぶやくチエを、
Yはギューーーっと抱きしめながら、
「俺も愛してるわ・・・・」とつぶやいた。


これで、すべて終われるわけじゃない。

私たちには、大きな課題が残されたままだ。


それでも、今ここで、力いっぱい抱きしめあってる私たちは、
絶対に間違っていない。

お互いが、必要なこと。
悲しくなるくらい、お互いを求めていること。


それだけは、間違いなく今、2人ともが感じている。

「大丈夫」

チエは強くそぅ思った。

「あたしたちは、大丈夫」

何があっても、乗り越える。
離れずに向き合って、Yと生きて行きたい・・・。

Yに苦しいくらい抱きしめられ、夕べと同じ心地よさを全身で感じながら、

チエは、この朝、強い覚悟を、胸に秘めたのだった・・・。




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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うっうっ・・ (井上トロ)
2007-05-03 00:50:59
トロも泣いた
そのオルゴールには2人の全てが詰まってんのやろなぁ
一生捨てられないよな~(*^_^*)
押忍!εε(・_・)ゞ (nori)
2007-05-03 02:04:16
こんばんは

凄く分かるような気がする。
絶対捨てられない物ってあるよね。
他の人が見ればガラクタだけど、自分にとっては、かけがえのない宝物。

大好きだったお婆ちゃんに買ってもらった、野球のグローブ、ファミコンのカセット・・・
一生捨てられない、僕の大切な宝物です♪
Unknown (タイフーンMK2)
2007-05-03 02:22:29
久しぶり^^
今来たところ。発狂したチエちゃんにビビり、
そして、二人に泣きながら見てたよ。
大切なものなぁ。俺も幾つかあるわ。
それらは生き物もモノもあるけど・・・。
今日から、GWやね。楽しく過ごしてな^^
じゃ、オヤスミ。
久しぶり (Y嬢)
2007-05-03 03:28:49
長い間見てなくて

一気に読んだ…

色んな事有ったのに今強く生きてるちえチャンを心底尊敬した!!

『精神的な病』何か他人事ぢゃない気持ちなった。

今回のblogも何故かメチャ泣いしまった。

Unknown (ゆか)
2007-05-03 15:11:41
なんというか、壮絶すぎて言葉が見つかりません。

嵐が過ぎ去った朝ってかんじですね。

人は皆、何か重大な事を起こして初めて、失ったもの、大切なことに気付くんですよね。

ここまで酷くなる前に 気付けたらよかったけど、こうならなければ気付けなかった…。

でも、それはチエさんとYさんには必要なことだったんですね。

「雨降って地固まる」・・・、まさにそんなかんじで、愛し合って、必要とし、お二人の絆が強くなっていくのではないでしょうか。

それが揺るぎない関係になっていく展開を、これからも見守っています。
トロさんへ (チエ)
2007-05-03 15:49:16
うん。壊れた方も、新婚旅行でディズニー行って買った新しい方も、今もちゃんとありますよ♪
今ボロボロの方のオルゴールを見て、笑って話せることが幸せ・・・
noriさんへ (チエ)
2007-05-03 15:52:14
押忍!!
宝物って、ひとつ、ふたつくらいがいいですよね・・・
ウチのYさんは、一緒に行ったコンサートチケットひとつ捨てられない、女っぽい性格で、
それをいちいちアルバムに納めるのはチエなんですよ・・・
めんどくさぇったら!!(笑)
タイフーンMK2さん (チエ)
2007-05-03 15:53:59
コメントありがとう♪
大切な物は、その本人にしか分からないものもたくさんありますよね。
チエも、一番はYですが、2番目はあのオルゴールかな♪
Y嬢ちゃん (チエ)
2007-05-03 15:55:52
Y嬢が泣いた!?
マジですか!!Y嬢さんに涙は似合わないですよーー
一気に読んでくださったんですか・・・
よほどヒマだったと見えますが・・・いかに??(笑)
ゆかさんへ (チエ)
2007-05-03 15:59:26
>「ここまで酷くなる前に 気付けたらよかったけど、こうならなければ気付けなかった…。」
ゆかさん、まさに、その通りです!!
次の記事に書くはずだったセリフですそれ・・・(笑)
でも、言いたい事がちゃんと伝わったってことやから、嬉しいです♪
「起こってはじめて、大切さに気付く」ことは、幸せな事だと思うんです。
「失ってから気付く」ひとだって、たくさんいると思うから・・・