奄美大島にはみそ汁用ではなく、おかず用の味噌があります。市販品では「高倉みそ」や「ヤマアの粒みそ」などです。大豆の粒がはっきり残っていて、炒めるとその大豆が具のようになります。豚と砂糖、かつおぶしなどを混ぜて豚味噌を作ったり、炒め物に使ったりしています。
通販で取り寄せもできるのですが、自分で作れないかと思って仕込んでみました。大豆が大きいのですが、炒めると具になっておいしくできました。高倉みそにより近づけるには材料を選んで何回か作ってバランスを調節しないといけないですが、似たようなものは作れましたよ。
~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~
[材料]
大豆 300g、米こうじ(生・冷凍) 600g、塩 100g、大豆のゆで汁 100mL程度
[作り方]
1.大豆はよく洗い、たっぷりの水につけて一晩おく。
2.大豆がじゅうぶんにふくらんだら水を捨て、圧力鍋に入れてたっぷりの水で高圧で20分程度ゆでる。大豆がやわらかくなったらゆで汁と豆を分ける。はずれた皮は取り除き、豆は一部だけ、少しだけつぶす。ほとんどそのままにしておく。人肌程度までさましておく。
3.麹は塩90gを入れてていねいに混ぜておく(塩きり麹)。
4.みそを保存する容器はアルコールで消毒しておく。
5.塩きり麹と大豆を混ぜる。ようやくまとまる程度のかたさになるよう、大豆のゆで汁を少しずつ加える。まとまったら保存容器に入れて空気がみその間に入らないよう、よくたたいて平らにする。容器のふちについたみそはアルコールをしみこませたペーパータオルでていねいにふきとる。みその表面の、容器との境目に残りの塩10gをばらまく。みそ表面にアルコールスプレーをしてみその上にラップをぴったりはりつけ、みそが空気にふれないようにする。その上に重しをのせ、容器の空間にアルコールスプレーを吹きつけたらぴったりラップをしてふたをする。3ヶ月程度室温におき、みそらしい香りがしたら食べられる。
~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~
みその基本的な作り方は自家製みそ で紹介しました。それを参考にしてください。今回は冬に仕込んで春にできあがりという作り方で紹介しています。春に仕込むともっと早くできあがると思います。
奄美風というと、大豆や麹の粒がはっきり残っていること、塩分ひかえめなこと、熟成が浅いことが特徴的です。大豆は小粒のようですが、手に入らないのでふつうの大豆を使いました。煮たあとの重量は700gくらいになりました。奄美の市販品、高倉みそは見た目が麹と同じくらいか、やや多い量の大豆という印象だったので、そのくらいになるよう配合しましたが、大豆が大きかったせいか、大豆が少なく、麹が多く見えました。もっと大豆をふやしてもいいかもしれません。
麹は冬なら生の冷凍麹がありますが、他の季節は乾燥麹しか見かけません。その場合はぬるま湯を加えて生麹の状態に戻して使います。戻す水の量も含めた重量(戻した麹の重量)を使ってください。麹が多い味噌なので、3ヶ月くらいすると甘酒のような、麹の香りが強いできあがりになります。
味は麹が多いため甘めの出来上がりです。塩分は約10%にしました。これより低いとカビなどの雑菌の繁殖が心配です。アルコールで消毒しながら仕込めば、この塩分量ならうまくいきました。
熟成は普通の味噌のように長期間おかずに出来たらすぐ食べます。高倉みそも浅い熟成のものを袋に詰めてあり、袋の中で熟成を進めます。好みの熟成具合で食べるようになっているようです。店に並んでいる味噌も製造年月日が違うとだいぶ色あいも違っていて、短期間でも熟成が進んでいました。適当なところで冷蔵庫や冷凍庫に入れておくのがいいでしょう。
出来上がった味噌でさっそく豚とゴーヤの味噌炒め を作りました。みそ自体は高倉みそと少し違うように思ったのですが、炒めてしまえば遜色なく(というのは自己満足かも)それらしい雰囲気で作れました。もうすこし本物らしくしてみたいのですが、検討するのに時間がかかります。何回か仕込んでみて、自分なりの奄美風味噌を完成させていこうかと思っています。
~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~*。~
レシピブログに参加しています。よろしければ1日1回ポチっと押して人気ブログへの道にご協力を。
クリームチーズに酒盗や塩辛、あるいはクリームチーズにラー油(石垣島ラー油がおすすめ)というのは食べたことがあり、おいしいです。自家製チーズでもいろんな食べ方をしてみたら楽しそう。工夫次第で広がりますね!