変人マイノリティ

―― ある変人の挑戦、あるいは逃亡 ――

真面目な人

2017年03月30日 | 記録
新人のテイナカは真面目だ。

例えばコンビニに立ち寄って昼食を購入した時、先に会計を済ませたにもかかわらず車の外で僕が戻るのを待っているのだ。
鍵は開けてあるのだから車内に入って食べ始めれば良いのだが、先輩である僕を差し置いて、それはできないというのだ。
気遣いは嬉しいが、それは不要だと僕は告げる。
しかしまた翌日、同じことをする。
少々面倒くさい性格だが、好感は持てる。

この性格が良いかどうかは昼食の一件では判りにくいが、業務の本筋となると上手くない。
自分で判断してほしい部分も、いちいち聞かれては困るし、効率も悪い。

そして最近気づいたことだが、テイナカは意外にも人の言うことを聞いていない。
新しい文書に更新されたら、間違いのもととなる古い文書は破棄しろと言ったし、実際に彼の目の前で僕はやってみせた。
しかし今日、テイナカは古い文書を手に、その通りに仕事をしてしまった。
失望したというほどではないが、過剰な期待は失せた。

ただ真面目、それだけでは駄目だということなのだが、真面目な人は報われるべきだと思っている。