変人マイノリティ

―― ある変人の挑戦、あるいは逃亡 ――

いい気なもんだな

2021年05月05日 | 記録
釈明文を載せた。
文書ファイルを貼ろうとも思ったが仰々しいのでLINEの文字にした。

各位
4月23日の有給休暇申請を取り下げたことについて
まず私が省みる点は(略)と思い込んでいたことです。
(略)という勝手な認識が油断を生んで、それが対応の遅れとなって今回のような判断に至る結果を招いてしまいました。
(略)社内の諸事情よりも私情を優先させる判断を「賢明」と称して実践してしまいました。これも重ねて反省すべきところです。
(略)この度は私が当該申請を直前に取り下げたことで多くの方にご迷惑をおかけしてしまいました。まことに申し訳ありませんでした。

──とまあ、僕が額を地面にこすり付けている画が浮かびそうな文章である。
これには「釈明を是非聞かせてほしいものです」と鼻息を荒くしていたエムセも黙った。
これをどう読んだのか、その答えらしきものを見たのが今日だ、僕の顔を見るや「あ、久しぶりですねぇ」と上機嫌のエムセ。

僕は意地を張らない。
折れることに抵抗がない。
その点、エムセより上等な人間だと思っている。

釈明

2021年04月21日 | 記録
今週の金曜日は有給休暇だ。
そのはずだった。
しかし昨日、僕は自分の申請した有給休暇を取り下げて出勤することにした。

誰かが休む場合、今まではワイオが補欠要因としてそのコースに入った。
四月にコースが一新された後もそのルールは継続するものと僕らは思っていた。
しかし違ったのだ。
今週の月曜日の夕方、ワイオが金曜日の僕のコースを出勤者で割り振って対応するようにと言いだしたのだ。

僕らは戸惑った。
何故ならそれが激務であることを知っているからだ。
そしてその激務に向けての準備の時間がない。
エスヤの公休は水、木曜日なのだから、打ち合わせの機会は火曜日の夕方しかなかったのだ。

火曜日の17時30分、頭を抱えるエスヤとテイナカ、絶望している。
それは当然だ、金曜日は一日の仕事を終えた後に更に僕のコースを5時間走らなければならないのだから。
しかも初めて走るコース初めて行く現場、探すだろう迷うだろう、その重圧は生半なものではないはずだ。

僕は苛立っていた。
なぜワイオは会議でそれを皆に伝えなかったのか。
僕の有給申請の後、一週間も沈黙しておいて、直前になっての告知とは酷い。

持ちわびた有給休暇だった。
疲れ果てた体を休めるために力を振り絞って目指したオアシスだった。
しかしこの状況では僕が休めないことを十分に解っていたから、苦渋の決断「出勤」を宣言したのだ。

>休むと言ったり出勤すると言ったり、違和感や不快感を覚える方もいらっしゃると思いますが
その宣言に添えた言葉は、エムセの反応をある程度予測していたからだ。

案の定である。
翌朝に確認したエムセがコメントは快感丸出しであった。
>その釈明を是非聞きたいものです
とのことだ。
エムセは従業員に有給休暇を消化させる立場だから不愉快なのだ。
有給休暇を一番楽しみにしていたのは他ならぬ僕であって、その僕が自ら休暇を放棄した苦しい心情など微塵も汲むことなく、ただ自分の思い通りに事が運ばなかったという一点に腹を立てたのだ。

この釈明について僕は面倒な作業であることも予想していたから「折を見て釈明」としたのだが、これは正解だった。
今は目の前の仕事に集中したいことが理由の一つ、もう一つはエムセの怒りの熱が冷める猶予を設けたのだ。
エムセごときは正論をぶつけるほどに怒りが増して議論にならない。
もう議論などというものではなくなって、言われて悔しいから言い返す、どんな言葉を並べれば相手に不愉快な思いをさせられるだろう、本人も気付かないうちにそれが動機にすり替わってしまうのだ。
その釈明の時まで、僕はその内容をゆっくり考えよう。

串刺し

2021年04月18日 | 記録
怪我をした。
ゴミ袋を結ばない知能が低くてらっしゃるお客様が未だにいらっしゃるから作業中に中身を地面にぶちまけた。
もう縛っていないのはこれきりと決めつけて、それが外れて二つ目、三つ目とぶちまけた。
僕に学習能力がなかったのが悪かった、が、こんなにも結んでもらえないものか。

バーベキュー場のゴミである。
掃除道具はあるのだが時間がない、手でかき集めることにした。
激痛が走った。
紙皿や割箸の中に竹串が混ざっていたようだ。
ゴム手袋を貫通して左の手のひらに刺さった、なかなか深く刺さった。

とりあえず作業を終わらせる。
そして手袋から手を抜くとやはり血まみれだ。
水道水で流し、アルコールで殺菌、そして絆創膏。
この雑菌だらけのゴミが皮膚の中に侵入したのだから、これは毒針と同じだ。
化膿しなければ良いが……

例えば、最悪の事態になってしばらく左手が使えなくなったとする。
それでも僕は誰にも言わずに片手で作業するだろう。
会社に報告したらなんて言われるか、やれ安全管理、やれ欠員が、労災が──
「大丈夫? 休んだら?」
そんな言葉は微塵も期待できない。
僕に過失はあるだろうが、会社のために動いているのだ、その結果なのだ、それなのに罪人のように扱われる。
こんな素敵な会社に来てしまった自分の運のなさを嘆いても、それもまた意味のないこと、今は傷が治ることをただ祈る。

久々に書いてみるか

2021年03月20日 | 記録
こんなブログを書いていたのだな。
読み返すと懐かしく思えることが多い。
しかし状況は相変わらず、僕のいる環境は全く問題だらけ。

今、置かれている一番の問題、それは人間関係だ。
僕自身もそう、僕の周囲もそう、みんな仲が悪いのだ。

簡単に僕の評価をまとめてみる

エムセ:イエスマンだけとしか会話のできない稚拙な人格者
テイナカ:真面目ではあるが意見を主張することが苦手
エスヤ:知能が低い
ブヒモト:かつて出逢ったことのない卑劣な人物
エムコウ:学習能力が皆無
ケイヅミ:知能が低いが自己評価が高い

以上、嫌いな人物だけを挙げたが、もちろん尊敬している人もいる


iPad導入

2018年05月13日 | 記録
我が社にも、ようやくiPadが導入された。
全ドライバー90余名と営業そして事務各所が繋がることになった。

待望の、そう僕には待望の出来事だ!
このことで、来るべき連絡が来ないとか、事情を知らない者同士が勝手に物事を進めていたりとか「なぜ? なぜ? どうしてそうなった?」のような、コミュニケーション不足によって生じる様々な不都合にイライラする日常が、もう過去のものになる。
そればかりでなはい、今までの携帯電話と紙とペンで行っていた原始の作業が一転効率化されて一気に加速するのだ。
なんて素晴らしい!

しかし、こうなると必ず「いやぁこういうの自分は苦手なんだよな」とか「若い連中はともかく私なんか世代じゃないからねぇ」とか言い出す落ちこぼれが出てくる。
とかくダメ人間は「出来ない理由」を考えることにエネルギーを使って「やり方」を考えようとはしない。
また、そうしてあたかもiPadだけが苦手であるかのように言うのだが、iPadの基本操作ごときできない不器用な人がiPad以外の仕事で大活躍しているとは到底思えない。

色々なことを合理的に考えて効率的に行動しようという発想がない人は、合理的であること効率的であることに慣れていないのだ。
この人たちはiPadやLINEが世に登場する以前の昔からずっとそうで、今こうしてiPadが導入されたことで、そのダメっぷりがあぶり出されて露呈しただけのことではないだろうか。

──などと言っても出来ないものは仕方がない。
基本操作から始めて、少し便利な機能まで、覚えてもらえるように根気よく説明していこう。

略式命令

2017年07月07日 | 記録
主文
被告人を罰金70万円に処する。

重い罰である。
70万円を貯金しようとしたら、どれほど大変か。
70万円あったら何が買えたか、どこに行けたか。
惜しいと言っては駄目だが、惜しい。
しかし僕は、それほどのことをしてしまったのだ。

例えば、窃盗罪の罰金は50万円以下。
窃盗は悪い奴が悪いことしようという意思によって悪いことをするわけだが、そんな罪の罰でさえ最高額でも「たった」50万円なのだ。
過失運転致傷罪は文字通り過失なのだから加害者の不本意であるのに、最高額は窃盗罪の倍、100万円、これが現実だ。

思うに、やはり過失運転というのは致傷もとより、致死となる可能性がある。
ならば運転者は、いつだって己の行為が他人を死に至らしめることがあるのだと留意して、そうならないように最大限努めなくてはならない。
僕は、この法律と、それを根拠にした今回の略式命令から、このメッセージを受け止めた。

交通事故加害者

2017年05月28日 | 記録
交通事故加害者、僕のことである。
その罪は重い。

補償や賠償は保険で何とかなる。
開き直るわけでもないし他人に怪我を負わせたことに猛省しているが、そこは何とかなるのだ。

何ともならないのは行政処分だ。
僕は、他の違反と併せてではあるが、今回60日間の免許停止処分となった。
運転を生業にする者にとって余りに強烈な罰だ。
講習を受けて短縮された30日間を、公休と有給で乗り切った。
望むなら事務仕事をせよという会社からのありがたい言葉もあったが、それはしなかった。

なるべく予定を立てて、有意義な時間にしようと努めた。
そこには今までの日常とは別の日常があった。

自転車に乗る楽しさを覚えた。
近所の公園で小川を発見した。
平日の映画館の快適さを知った。
ヒルナンデス!の生放送を観た。
網戸を洗ったら気分が晴れた。
事務員から激励のメールが来て泣いた。

そして今、僕はハンドルを握っている。
免許のありがたみを実感しながら。
安全運転を心掛け、しかしながら、やはり事故のリスクを常に背負いながら。

まもなく刑事罰が確定する。
その日を待つ。

真面目な人

2017年03月30日 | 記録
新人のテイナカは真面目だ。

例えばコンビニに立ち寄って昼食を購入した時、先に会計を済ませたにもかかわらず車の外で僕が戻るのを待っているのだ。
鍵は開けてあるのだから車内に入って食べ始めれば良いのだが、先輩である僕を差し置いて、それはできないというのだ。
気遣いは嬉しいが、それは不要だと僕は告げる。
しかしまた翌日、同じことをする。
少々面倒くさい性格だが、好感は持てる。

この性格が良いかどうかは昼食の一件では判りにくいが、業務の本筋となると上手くない。
自分で判断してほしい部分も、いちいち聞かれては困るし、効率も悪い。

そして最近気づいたことだが、テイナカは意外にも人の言うことを聞いていない。
新しい文書に更新されたら、間違いのもととなる古い文書は破棄しろと言ったし、実際に彼の目の前で僕はやってみせた。
しかし今日、テイナカは古い文書を手に、その通りに仕事をしてしまった。
失望したというほどではないが、過剰な期待は失せた。

ただ真面目、それだけでは駄目だということなのだが、真面目な人は報われるべきだと思っている。

報告書3

2017年03月28日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書③

計画の進捗
エスイチから意思表明がありました。その内容は元のセットを今まで通り自分のペースで走ることが唯一の希望であって、それが叶わないなら退社するというものです。この計画の趣旨を繰り返し説明しましたが理解に至らず、すなわち賛同も合意も得られず、最終的な結論として、エスイチが他のセットを習得することも、自らエスイチセットを改良することも、また改良を他人に任せることも不可能ということになりました。残念ながら最優先課題としてきたエスイチセットの早朝出勤の回避は断念せざるを得なくなり、代わって欠員を出さないことが最優先課題となって、エスイチの主張を受け入れました。

ドライバーの育成状況

今週一週間かけてエスイチがチビリキセットに同乗したことは、前述のとおり無駄になりました。申し訳ありません。

(略)

有給休暇の取得状況
おかげさまで、来週3月27日(月)から30日(木)までエスイチが、31日(金)はチビリキが有給休暇を消化することになりました。エスヤには消滅期限が迫っていることを打診していますが、まだ返答がありません。

以上


面倒くさい人

2017年03月26日 | 記録
我々は会社員だ。
そうであれば、会社を構成する一人として常に自分が任された業務の合理化、効率化を模索するのは責務だ。
エスイチ氏にはそれが解っていない。

それを何度説明しても、一時に理解はあっても、時が過ぎると忘れて、忘れままの反論が来る。
そんなエスイチ氏に対して僕の応えは、いつも「ですから、それは前にも言いましたけど」という言葉から始まる。

もはや討論ではない。
決まった脚本の台詞を繰り返しいるだけの何ら実りない会話だ。
そうして僕が焦れて口調を強めれば、エスイチ氏は「じゃあ俺、辞める」と子供のようにすねてしまう。

面倒くさい人だ。

報告書2

2017年03月20日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書②


ドライバーの育成状況
テイナカはチビリキセットとエスイチセットの双方で単独走行ができるようになりました。その成果として、先日3月17日、澤部の休暇にグループで対応することができました。
後藤は請負を除く全てのコースを走行できるように引き続き準備を進めています。
また今週からエスイチがチビリキの車に同乗します。選択肢を増やし様々な状況で柔軟に対応できる体制を整えていきます。

エスイチセット早朝出勤の回避について

これを最優先課題として解決あるいは緩和に向けて今週から取り組みを始めます。まずはエスイチセットの一部を一時的にチビリキセットに移して、エスイチセットの出発時間を従前の5時20分から6時へと遅らせます。遅らせることで得られる効果と生じる問題を検証しながら、曜日ごとにエスイチセットの組み換えを進めます。この期間、エスイチセットはテイナカが担当し、チビリキセットはチビリキとエスイチ(同乗)が担当します。

その他
チビリキが4月11日に60日間(短縮30日)の免許停止の行政処分を受けることが確定しました。このような大事な時期にありながら大変申し訳ありません。

以上


報告書1

2017年03月06日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書

2月6日から2月28日の期間、Aグループのすべてのコース(すべてのドライバーのすべての曜日、ただし請負を除く)に同乗しました。可能な限りの情報を収集しましたが、私が代理運行して滞りなく業務を遂行するためには、あと二週間くらいの準備期間が必要です。

各セット担当者の労働時間には偏りがあり解消の必要があります。ただし労働時間の差は個々の能力や性格によるところが大きく、そのため真に仕事量の比較をするには至っていません。客観的で公正な判断には更に機会と時間が必要ですが、まずは明確な問題点の改善から着手して仕事量の偏りを段階的に減らしていくことに努めます。

業務日報の収録内容には、そもそも誤った情報、修正を要する情報、補足を要する情報、不要な情報などが認められました。契約内容に照らして営業、各ドライバー、担当事務員と連絡しながら精査します。

以下、各ドライバーの各セットについてです。

(略)

最後に、一連の同乗に際して各ドライバーの独断が気になりました。例えば(略)とか(略)など、それが合理的かどうかはおいて、こういったルールが限りなく増えていく現状を懸念しています。
また、総じて車両の大きさがコースに合っていません。(略)以外の仕事にワイドやロングボディの車両は不要で、むしろ運転のしやすさ、事故リスクの回避、一般市民への迷惑の軽減に努める観点に立てば、今後はショートボディの採用が最善だと私は考えます。

以上


交通事故

2017年02月27日 | 記録
交通事故が起きた。
起こしたのは……僕だ。

あの人の運転が危ない、いつか事故を起こすよ!
そんなふうに偉そうに上からものを言っていた本人が事故を起こしたのだ。
目の前が真っ暗になった。

通勤途中のことだった。
今日は仕事を休むことにした。
もう、なにもする気にならない。

エスヤ氏コース・月曜日

2017年02月20日 | 記録
7:00 出発
今日からエスヤ氏の車に同乗する。

このエスヤ氏はエムセ部長にチェックされている。
会社の管理が及ばないところに怠慢があるのではないかという疑いだ。

最初の印象だが、とにかく速い……車速の話だ。
住宅地も、見通しの悪い曲がり角も、とにかくぶっ飛ばす。
交差点では歩行者を待たせて通過するし、信号が青に変わると対向車より先に右折する。
僕はエスヤ氏の運転にエスイチ氏とは違った恐さを感じていた。
そうして午後には仕事が片付いていた。
この仕事の早さを評価して良いものか‥。

谷瀬氏の月曜日コースは午後に土木事務所の大きな仕事が入ることを想定している。
今日はそれが無く、すなわち、やることが無くなった。
他に仕事があれば対応できると、エスヤ氏は会社に連絡を入れていた。
これが僕に対するパフォーマンスではないと思いたい。


ルールができる

2017年02月18日 | 記録
行くのが面倒だから、今日は荷物が出るかどうか客に電話で聞いてみる。
そして客が「出ない」と答えたので、そこへ行かなくても済んだ、とか。
依頼の電話があってから訪問する場所に、たまたま通りかかったという理由で立ち寄ってみれば、仕事があった、とか。
こういう手法を合理的だと誤信する人がいる。

諾成契約とか表見代理とか、そういう難しい言葉はなしにしても、こういった例が後々契約として確立して、これを破れば債務不履行という事態になることを説いたところで誰が納得してくれるだろう。

個人の軽いノリが、日報に反映されていく。
全てのドライバーが守らなくてはならない義務になっていく。