変人マイノリティ

―― ある変人の挑戦、あるいは逃亡 ――

真面目な人

2017年03月30日 | 記録
新人のテイナカは真面目だ。

例えばコンビニに立ち寄って昼食を購入した時、先に会計を済ませたにもかかわらず車の外で僕が戻るのを待っているのだ。
鍵は開けてあるのだから車内に入って食べ始めれば良いのだが、先輩である僕を差し置いて、それはできないというのだ。
気遣いは嬉しいが、それは不要だと僕は告げる。
しかしまた翌日、同じことをする。
少々面倒くさい性格だが、好感は持てる。

この性格が良いかどうかは昼食の一件では判りにくいが、業務の本筋となると上手くない。
自分で判断してほしい部分も、いちいち聞かれては困るし、効率も悪い。

そして最近気づいたことだが、テイナカは意外にも人の言うことを聞いていない。
新しい文書に更新されたら、間違いのもととなる古い文書は破棄しろと言ったし、実際に彼の目の前で僕はやってみせた。
しかし今日、テイナカは古い文書を手に、その通りに仕事をしてしまった。
失望したというほどではないが、過剰な期待は失せた。

ただ真面目、それだけでは駄目だということなのだが、真面目な人は報われるべきだと思っている。

報告書3

2017年03月28日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書③

計画の進捗
エスイチから意思表明がありました。その内容は元のセットを今まで通り自分のペースで走ることが唯一の希望であって、それが叶わないなら退社するというものです。この計画の趣旨を繰り返し説明しましたが理解に至らず、すなわち賛同も合意も得られず、最終的な結論として、エスイチが他のセットを習得することも、自らエスイチセットを改良することも、また改良を他人に任せることも不可能ということになりました。残念ながら最優先課題としてきたエスイチセットの早朝出勤の回避は断念せざるを得なくなり、代わって欠員を出さないことが最優先課題となって、エスイチの主張を受け入れました。

ドライバーの育成状況

今週一週間かけてエスイチがチビリキセットに同乗したことは、前述のとおり無駄になりました。申し訳ありません。

(略)

有給休暇の取得状況
おかげさまで、来週3月27日(月)から30日(木)までエスイチが、31日(金)はチビリキが有給休暇を消化することになりました。エスヤには消滅期限が迫っていることを打診していますが、まだ返答がありません。

以上


面倒くさい人

2017年03月26日 | 記録
我々は会社員だ。
そうであれば、会社を構成する一人として常に自分が任された業務の合理化、効率化を模索するのは責務だ。
エスイチ氏にはそれが解っていない。

それを何度説明しても、一時に理解はあっても、時が過ぎると忘れて、忘れままの反論が来る。
そんなエスイチ氏に対して僕の応えは、いつも「ですから、それは前にも言いましたけど」という言葉から始まる。

もはや討論ではない。
決まった脚本の台詞を繰り返しいるだけの何ら実りない会話だ。
そうして僕が焦れて口調を強めれば、エスイチ氏は「じゃあ俺、辞める」と子供のようにすねてしまう。

面倒くさい人だ。

報告書2

2017年03月20日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書②


ドライバーの育成状況
テイナカはチビリキセットとエスイチセットの双方で単独走行ができるようになりました。その成果として、先日3月17日、澤部の休暇にグループで対応することができました。
後藤は請負を除く全てのコースを走行できるように引き続き準備を進めています。
また今週からエスイチがチビリキの車に同乗します。選択肢を増やし様々な状況で柔軟に対応できる体制を整えていきます。

エスイチセット早朝出勤の回避について

これを最優先課題として解決あるいは緩和に向けて今週から取り組みを始めます。まずはエスイチセットの一部を一時的にチビリキセットに移して、エスイチセットの出発時間を従前の5時20分から6時へと遅らせます。遅らせることで得られる効果と生じる問題を検証しながら、曜日ごとにエスイチセットの組み換えを進めます。この期間、エスイチセットはテイナカが担当し、チビリキセットはチビリキとエスイチ(同乗)が担当します。

その他
チビリキが4月11日に60日間(短縮30日)の免許停止の行政処分を受けることが確定しました。このような大事な時期にありながら大変申し訳ありません。

以上


報告書1

2017年03月06日 | 記録
法令その他の規則の遵守および効率的な利益追求
ならびに公正公平で健全な労働環境の構築を目指す計画についての報告書

2月6日から2月28日の期間、Aグループのすべてのコース(すべてのドライバーのすべての曜日、ただし請負を除く)に同乗しました。可能な限りの情報を収集しましたが、私が代理運行して滞りなく業務を遂行するためには、あと二週間くらいの準備期間が必要です。

各セット担当者の労働時間には偏りがあり解消の必要があります。ただし労働時間の差は個々の能力や性格によるところが大きく、そのため真に仕事量の比較をするには至っていません。客観的で公正な判断には更に機会と時間が必要ですが、まずは明確な問題点の改善から着手して仕事量の偏りを段階的に減らしていくことに努めます。

業務日報の収録内容には、そもそも誤った情報、修正を要する情報、補足を要する情報、不要な情報などが認められました。契約内容に照らして営業、各ドライバー、担当事務員と連絡しながら精査します。

以下、各ドライバーの各セットについてです。

(略)

最後に、一連の同乗に際して各ドライバーの独断が気になりました。例えば(略)とか(略)など、それが合理的かどうかはおいて、こういったルールが限りなく増えていく現状を懸念しています。
また、総じて車両の大きさがコースに合っていません。(略)以外の仕事にワイドやロングボディの車両は不要で、むしろ運転のしやすさ、事故リスクの回避、一般市民への迷惑の軽減に努める観点に立てば、今後はショートボディの採用が最善だと私は考えます。

以上