風のたより #181 千葉甫 2020-04-13 13:59:29 | 短歌 焦点の合うまで見つめていた影の見つめ返してきて猫となる 声出して自問の後におもむろに形を成してくる思い待つ タブレット突いて続きは明日の夜と映画を閉じる午後十一時
風のたより #180 千葉甫 2020-04-10 14:54:50 | 短歌 跳び出して身を翻して引き返す猫の後ろを車の抜ける 記そうとしてペン止める古くから馴染んだ名詞のあやふやとなる 半世紀前にひとりで聴いていたレコードを聴くひとりで今日も
風のたより #179 千葉甫 2020-04-04 14:01:40 | 短歌 あの窓もこちらの窓も暖かく夜は灯った昭和の日々は 定型化した日々過ぎる掃除機をかけるパターンもいつか決まって 暁の前に目覚めたおぼろげな記憶残っている寝過ごして
風のたより #178 千葉甫 2020-04-01 13:56:52 | 短歌 新しい家の窓から朝は陽が照り返してくる夜は灯が照る 手に取って消費期限を確かめて今日は何日だったか惑う 待っているメールはまだかスリープのコンピューターを起こして覗く